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魔法少女はおむつが必要だなんて聞いてません!  作者: 062
第1章「さくら、魔法少女になる」

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第15話「(閑話)辻村勇二のかくしごと」

「勇二!忘れ物。今日は校外写生でしょ?まだ暑いから水筒。それとこれ。酔い止め。バスに乗るのでしょう?」


学校に行く前にお母さんが言った。水筒を受け取ってお礼を言う。


「ありがとう。行ってきます。母さん。お姉ちゃん」


玄関に飾っているお姉ちゃんの写真に言う。

僕のお姉ちゃん、辻村さくらは3年と少し前に亡くなった。前の家と一緒に『土石流』というのに流されたらしい。その時の事はあまり覚えていない。でもお姉ちゃんの事は覚えてる。いつも優しくて、正直、時々怒るお母さんより大好きだった。


学校に着いたら、酔い止めの薬を飲んで、バスに乗って市内の大きな神社に着いた。トイレの場所や、注意する事の説明があって、みんなバラバラに絵を描いていく。


ドクン。と心臓が大きく鳴った。

まるで他の人にも聞こえるんじゃないかと思うぐらい。頭もズキズキと痛いし。胸の中から何かがあふれる。


それでも、僕の変化に誰も気づいていない。



そんな時だった。


「勇二!」


懐かしい声がする。姿を見るとやっぱり、死んだはずのお姉ちゃんだった。


お姉ちゃんが僕を助けようとしているのがわかる。一緒にきた2人と協力して、僕を治してくれた。


「『浄化』!」


身体がフワリと軽くなって、一瞬、寝てしまう。うっすらと目を覚ますとさっきまで協力していたお姉ちゃんと仲間が言い争っている。


その時だった。パンツとズボンに濡れた感覚が広がっていく。間違いなく『おもらし』だった。


久しぶりに会えたお姉ちゃんに、恥ずかしいところを見られた。それで僕は寝たふりを続けた。



あれ?



なんで、今日はおむつをしてないんだっけ?


僕を含む何人かは、お姉ちゃんが死んだ『土石流』のせいでおむつをつけたまま、小学校に入学したって言うのに。


それになんでお姉ちゃんがいるんだろう?『死んだ』はずなのに。


お姉ちゃんの仲間は『あやめちゃん』と呼んでいるから、この人はお姉ちゃんじゃないのかもしれない。


でも、僕はこの人に『あなたは僕のお姉ちゃんですか?』って聞いてみたくなった。


そう思って、目を開ける。


どういう訳か、僕がいたのは病院のベッドで、僕は熱中症で倒れたみたいだ。


つまり、あれは夢。

違うよと教えるようにおむつが温かくなっていった。

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