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魔法少女はおむつが必要だなんて聞いてません!  作者: 062
第1章「さくら、魔法少女になる」

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第14話「守りたいもの」

「勇二!」


神社の境内にあやめちゃんの声が響く。


(それじゃ、あの夢はあやめちゃんの過去!)


そして今回の魔力中毒者はあやめちゃんの弟。だから、いつも冷静なあやめちゃんが今回は違った。


「浄化!浄化!」


うわごとのように叫ぶが何も起こらない。起こる訳がない。だって『浄化魔法』は魔力中毒者に触れて行うものだから。その事に気づかない程、混乱しているのか、いつも後衛でいるから本当に知らないのか。どっちだろう。あるいは両方って事もありえる。


「ワカバちゃん!様子から思うと、知り合いみたい。あやめちゃんのサポート、お願い。私は周囲の一般人の方をやるから!」

「お・・・おう!」


ワカバちゃんもここまで感情的なあやめちゃんを初めて見たらしくどこかぎこちない。聞こえているかわからないけど、あやめちゃんにも声をかける。


「あやめちゃん!ワカバちゃんがフォローするから、ビースト化する前に片付けちゃおう!」


どこまで話していいかわからないからしょうがない。


「『幻覚』!」


あやめちゃんがいつもやってるように、一般人を戦闘に巻き込まないように遠くへ。

一仕事を終えて、魔力中毒者の方を向く。ちょうどワカバちゃんがサポートするところだった。


「アイスキューブ!」


出された氷は、両手両足から自由を奪う枷のようになった。動けなくなった魔力中毒者をあやめちゃんがそっと触れる。


「お…ねぇ…ちゃん……?」

「『浄化』!」


今度はきちんと魔力が消失していく。ワカバちゃんも魔法を解いた。


ん?あれ?

気を失っている男の子(元魔力中毒者)のズボンが濡れていく。


「やっぱり・・・」


あやめちゃんがつぶやく。そして何かを決意した。


「チーム・スプリングあやめより本部。一般人が記憶を所持している可能性あり。記憶操作後、帰投します。許可を!」

『了承する。帰投は別途指示する』


前田先生は許可する。

そして、それを聞いたあやめちゃんは動き出す。周囲の子ども達に向かって。


「『記憶操作』」


「え?何?」「眠い」

と、周囲の子ども達が次々に倒れていく。


(これって!)


「あやめちゃん!どういう事?」

「わたしは3年以上も魔法少女やってて、知ってる事もある。あの子は、勇二はもうおむつなしでは生きていけない。わたし達魔法少女と同じく!だからせめて、恥ずかしくないようにする!」


(え?じゃあ、ユウ君も今頃・・・)


不安を振りほどき、


「『妨害』」

「止めないでよ!」


私とあやめちゃんが対峙する。あやめちゃんは記憶操作してずっと勇二君がおむつだったと記憶操作をしようとしている。


「止めないよ。でも、間違ってる。『記憶共有』」


あやめちゃんに私の記憶を見せる。修学旅行の最後の朝、おねしょの記憶。誰も私を責めないが、輪にも入れない。帰りの新幹線、ひとりでぽつんといる姿。


あやめちゃんは自分の思い至ってない部分を指摘されたのがわかったみたいだ。


「だからさ。こうしようよ!『暗示』」


全く関係のない勇二君の同級生に私は魔法をかける。

同じ精神感応魔法だから、あやめちゃんには何してるかわかるはず。この子のトイレの意識を変えていく。トイレを我慢する事を不快に、逆に出す事を快に。


「そんなことしたら、この子までおむつに・・・!

そうか!『ひとりじゃない』んだ!」

「まだまだだよ。『記憶操作』」


今度は記憶を操作する。

ストーリーはこうだ。「3年前に起こった土石流災害で、停電でトイレが使えず、幼かったこの子達は『一時的』だと言われておむつになった。ところが復旧作業に1ヶ月以上を要して、その間おむつだったこの子達は今でもおむつを使っている」


それを見ていたあやめちゃんが6人程選別する。


「この子達は弟と同じ保育園だった。『暗示』」


さすが本業の精神感応系魔法少女。

私よりずっと早い。


「間違えるならさ、一緒に間違えようよ。私達、チームじゃない」

「・・・ありがとう、さくらちゃん」


そう言ってあやめちゃんが笑った。


(仲間の笑顔ぐらいしっかりと守りたいよね)



『聞こえているわよ。あなた達』


テンペストから声がする。

大島先生だ。そういえばテンペストって任務中は常時接続で音声拾えるんだっけ。夢でもそうだった。

同時にマズイと思う。


『まあ、報告書には書かないであげるわ。先生も元は魔法少女だから。それと終わったら、テンペストで示す座標に帰投して。場所は名古屋。メディカルチェックが終わったら、昼食はひつまぶしよ!』


♦︎♦︎♦︎


同じ頃。東京。


「『守る』はずの一般市民に魔法を使うなんて!」


珍しく激昂したマリがスマホに叫ぶ。


『まあまあ、事情はわかるでしょ?今回は大目に見てあげようよ』


通話相手のゆりあが宥める。


『それに今回でチーム・スプリングは全員が『レベル:E』になったよ』


魔法少女は行使できる魔力量でA〜Eのレベル分けがなされる。『レベル:E』とは最大値計測不能を示す。


「日本で5人の『レベル:E』を保有する事になるのね。東の広井夏樹、西の岸本梓、そしてチーム・スプリングの3人・・・あの国に並ぶわね」

『そう『連合王国』・・・『魔法の国』ね。それはそうと、防衛省は我々の急速な戦力増強を恐れたのか、同盟国から『アレ』を買ったみたいよ?』

「『アレ』ってまさか、アンチマジックフィールドジェネレーター?」

『そう。三つ葉重工がライセンス契約して大型化。富士演習場を被える程の最大出力』

「間違いなく、明日の演習で出してくるわね」

『ふふ、戦った事のない兵隊さんのお手並み拝見といきましょうか!』


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