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魔法少女はおむつが必要だなんて聞いてません!  作者: 062
第4章「魔法少女ワールドカップ編」

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100/111

第73話「ロームフェラの使者」

なんと!閑話、番外編を含めると100話に到達しました。

最近、ちょこちょことランキング入りしました。

ありがとうございます。

連合王国、ドンロン。バーミンガム宮殿、執務室。


「まさか、ルシェンヌ・ド=ラ=ヴェルを瞬殺とはな……」


モニターで試合を観戦しながら、女王・エリザードはつぶやくように言った。


「それにしても、あの魔法は一体……」


『鉄の女』、ユンゲラ=メルケンも不可解そうに言う。魔法を使う前は物理学者だった彼女にも、理解しがたい現象だったようだ。


「佐藤ゆりあの提出した、エントリーシートが見ものよ」


そう言ってマリア=ティモシェンコがテーブルの上に1枚の紙を出す。


「藤原さくら、201X年4月18日生まれ。得意魔法・『長田洋子の再来』!」


メルケンの顔が引きつる。


その時だった。


次の瞬間、執務室の扉がノックもなく開いた。


バトラーが止めているのを振り切り、白スーツの巨躯が影を落とす。


「陛下。突然の訪問、失礼する」


『自由の国』大統領――マクドナル=プラント。首都で戦争でも起きてもおかしくないレベルの人物だ。


「プラント大統領。この部屋に勝手に入れる人物は世界に三人しかいないはずだが?」


エリザードは笑わない。

プラントは汗をぬぐいながら頭を下げた。


「我が国代表、ルーシー=ブラッドが急性盲腸炎で倒れた。選手交代を認めてほしい」


(プラント程の人物がたかが選手の交代で騒ぐのはおかしい……)

(何か裏があるわね)

(まずは確かめてからでも遅くはないか……)


三者三様に同じような事を考える。


「エントリーシートを持って来ました。確認してください」


♦︎♦︎♦︎


同時刻(ただし時差の関係で翌日未明)、東京。佐藤ゆりあの私室。


「ケホ!だいぶ熱は下がったわね。

そろそろ1回戦の結果が……、へぇ、動画でまとめて配信されるのね」


『Aグループの勝者はルーシー=ブラッド!『ダレス・シティーのフラッシュ』の異名を持つ彼女は電光石火の攻撃で圧倒、試合時間1時間で3人を倒して勝利しました』


「へぇ。身体強化と加速だけでここまでやるのは素晴らしいわね」


『波乱のBグループ!開始2分で日本の藤原さくらと前回優勝者、ルシェンヌ・ド=ラ=ヴェルが対峙、藤原さくらが理論不明な魔法『ボイドニウム・ストーム』をくりだし、ルシェンヌを撃破。他2人は棄権したため、36年ぶり出場の日本が予選突破です!』


「……なんと言うか、平常運転ね」


そう言って、タブレットは動画再生させながら、今度はスマホをのぞく。


「ブックメーカーのオッズは……!何よ、これ?」


開会前のオッズでは32倍だったものが、前回優勝者を倒したにもかかわらず、114倍となっていた。


「何か要因は……これね。『自由の国』の代表交代。理由は盲腸ねぇ……しかも『ケリー=ロームフェラ』。あの『ロームフェラ財団』のお姫様ってワケね。これは『政治』の出番ね」


ゆりあの目に闘志が宿る。

人知れず、『永田町の魔女』が動き出した。


♦︎♦︎♦︎


バーミンガム宮殿。


「ケリー=ロームフェラ。なるほどね。大統領を使いっ走りに出来そうな人材ね」


クスクスとマリアが笑う。そもそも『プラント政権』自体がロームフェラ、いや、より正確には中核企業との『ホワイト・ロック』の利益を最大化するための政権だと揶揄されている。


『ホワイト・ロック』は世界最大の資産運用会社である。運用資産は10兆ドル強、日本の国家予算15年分に相当する。


ロームフェラは19世紀から20世紀初頭にエネルギー資源を独占する事で冨を築いた。それが独占禁止法で影響力を削がれ、21世紀になりホワイト・ロックが『冨そのもの』を管理する事で影響力を築いた。

スマートフォンの覇者パイナップルも、検索エンジンや世界最大の動画サイト『ミーチューブ』を有するゴーグルも、つぶやきからEVまでこなす『あの会社』にも大株主として君臨している。


そして、プラント大統領も『関税』や『自国ファースト』といった政策の裏に『ホワイト・ロック』への利益誘導が見え隠れする。それもそのはず、彼の率いる『民政党』自体がホワイト・ロックの投資先なのだから。


(ここでプラント大統領とホワイト・ロックに『貸し』を作っておくのも得策か?)


ここにいる魔女は3人とも為政者でもある。

『利益』の匂いには敏感なのだ。


「よろしい、選手交代を認めよう」


静かに歴史は動いた。

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