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塩の平原
「うわあ、眩しい!」
イフェが目を細めた。
見渡す限り、一面真っ白に輝く平原。
「岩山の次はこれか」
僕は他のバギーがつけたタイヤの跡をかろうじて見ることができたが、ここも見かけより難所のようだった。
「なんでそんなに慎重に進むの?」
イフェが聞いた。
ガリガリガリガリ……。
「塩の結晶だ」
タイヤは特別製だから心配ないとして、前にめり込んでなかなか進まない。
「平原の端を行ったら?」
「お、いい考え!」
遠回りだが、急がば回れっていうし。
塩と土の混じった場所を選んで進む。
ジャリジャリジャリジャリ。
身体に響く。この感じやだな。
だけど、先へ進むことができた。
「なんで、塩の平原ができたんだろう?」
「塩湖が干上がったからじゃない?」
「ほんとに塩かな?」
「さあ?塩化マグネシウムとかかもよ。食べちゃダメ」
「ふええ」
僕はイフェとしばらく一緒にいただけで、彼女がとても利発なんだと知った。容姿も良いし、天は二物を与えたか?
ちょっと休憩を挟んで、また岩石地帯に入って行った。