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騎士?いいや、俺は化物です

壊れかけの、建物の中に居た。

助けた少女に名を聞かれ、答えたが、声が小さかったのだろうか?

もう一度、名を告げる。


雪「冴島雪さえじませつだ」

少女「…??申し訳…ありません。

何分この村から出たことが無いので他国の言葉が分かりません…

助けていただきありがとうございました。」


これはいったい、どういうことだ?

少女だけではなく、村の男や女の言葉は聞き取れるのに、俺からの言葉はわからないって…

天国にも地獄にも外国ってあるのか?

目の前の少女は、日本人では無いのは確かだが。

茶髪に赤毛がかかった髪色、外人のモデルのような姿顔

目の色なんて、緑色だ。

客でも外人さんは良く来ていたが、せいぜい青色だったり灰色だったりしたが、緑は見たことないな。

まあ、世界は広いわけだし。そういう人もいるわな。


雪「それじゃあな。早く避難しなよ」


その言葉を告げ、そのまま立ち去ろうとしたら


少女「待ってください!私、フィーナって言います!

後、村の奥の協会で神官騎士様たちが、ゴブリン達と戦っているんです!お願いです!そのお力で、村をお救いください!」


言葉が通じないなら、頷けばわかるはずだ。

俺が正面を向いた時


フィーナ「ひっ…魔物モンスター!」


流石に酷すぎないか?助けた相手に魔物だなんて、返り血を浴びすぎて、そう見えるだけだろうに

近くにあった、姿見が見えたので、改めて自分の姿を確認した。


全身錆びた西洋甲冑を装備して、兜の所は顔が見えるタイプの兜なのだが…


雪「顔がない…嘘だろ。俺、どうやって話してるんだ?」


兜を取る、その行動に後ろに居る。

フィーナという少女は、小さい悲鳴をあげる、だがそのまま話してみると

鎧から自分の声が聞こえる。

そうか、俺は鎧に生まれ変わったのか。これじゃあ、外に居る化物共と同じじゃないか。

ここで合点がいった。村人達は、化物が化物を殺しているって事に、敵意や興味や恐怖の眼で俺を見ていたのか。


雪「確かに、怖いよな。

逆の立場なら、すまなかった。フィーナさん。」


そう告げ、建物から出る。すると武装した村人が二人居た。

こちらに武器を構え、臨戦態勢だ。

咄嗟に俺も剣を構える。

すると、一人の男が口を開く


男「助けてくれた事には感謝しているが、お前魔物だろ。

同族じゃないにしろ同じ魔物同士だ。

魔物同士での殺しはやるのに、何故人間は殺さん?アンデットだろ?お前は、それなのに何故人間を助ける?気まぐれか?」


至極真っ当な事を聞いてくる。

とは、言ってもつい数時間?数日?わからないが、俺はついさっき死んで、起きたら鎧だったんだが?わかるわけ無いだろうがな。


男?「ビィーさん!そんな魔物に話しかけてもわかるわけ無いでしょうに、助けてくれたのは、気まぐれに決まってます!」


ビィー「だがな、話が聞ければ、それに越したことはない。村奥の協会にこいつを連れていけば、あのゴブリン共の親玉もやれると思ってな。

そう思わないか?カイナ?」


カイナ「ビィーさん甘すぎます!死にますよ!そんな事ばかりしてると、その魔物正直手に余る気がしてならないんですから!」


ビィー「なあ、騎士の魔物さんよ。こっちの話がわかるなら、その剣地面に刺してみてくれないか?」


地面に刺せばいいのか?それで信じてもらえるなら、お安い御用だが。

助けた、にんげ…魔物?に言うのか?

まあ。もう、面倒くさいな。刺せば良いんだろ。刺せば

俺は、地面に剣を刺し、アメリカンジョークでよく見る、ヤレヤレ…な感じのポーズまで見せてやった。


ビィー「…本当に話が通じるのだな。

何故か凄く馬鹿にされた気分だが…そんなことはどうでも良い。

これから、村の教会に行くんだ。

手を貸してくれないか?騎士様」


カイナ「ビィーさん!!?本気で魔物と手を組むんですか!?神官達が黙ってませんよ!?こんなこと!?私達だけで行きましょうよ!」


この、カイナって奴はムカつくが、このビィーっていう。

白髪初老の爺さんを庇って言っているわけだ。

孫かなんかか?カイナは、さっきのフィーナって子と同じ歳ぐらいの子だな。

髪は金髪か、外国どころか、客がスマホで読んでる漫画みたいな世界って事か

輪廻転生ってやつか?いや、確かに、鋼鉄みたいに硬くしてくれと、言ったが、化物のしかも甲冑にしてくれとは、言ってないぞ!!

勘弁してくれ…そう思っていながら、地面にしゃがみ込み、指で絵を描きながら拗ねていると。


バゴォン!!!

強烈な音が村奥から聞こえてきた。

さっき言っていた、神官騎士って奴か?やられたのか?


俺はそう思い、剣を抜き、走る!


ビィー、カイナ「おい!待て!」


二人を無視し、走る。近づくにつれ、どんどん交戦の音が大きくなる。


教会に着くと、完全武装した、騎士達5人が亡骸になっていた。

真ん中には、大盾を持ち大剣を持つ、大きい女性が

化物達の親?リーダー?と対峙していた

リーダー?以外の、化物共も数えただけでも、20近くは居る、この数をたった一人で相手をしていたのか?

だが、女の騎士は肩から息をして、気力だけで立っていることが見受けられた。

綺麗な緑髪に、女性らしさがでた胸部…まあ、鎧で隠されてるんだけどな。


雪「馬鹿なこと、考えとる場合とちゃうか、ほたら殺らせてもらおうかや。バケモンさん達よぉー!」



化物のリーダーが、一斉攻撃の合図を送ろうとした瞬間

横から向かってくる騎士に目をくれる、その後ろに二人の人間も見えたのだ、すかさず、化物のリーダーは、その走ってくる新手に、部下を当てることにするのだが、先頭の騎士は騎士道など、全く無い、惨たらしい殺り方で部下達を殺していくのだ。


女騎士「私の隊にあんな、騎士居たかしら…?ん?この気配は!新手の魔物ですか!?

満身創痍だというのに、こっちは。

けど、何故?魔物同士で…?魔物なのに人間と戦ってくれるなんて。

信じられませんね…」


ビィー「カイナ!大丈夫か!?数が多いが冷静に相手しろよ!」


カイナ「ビィーさんこそ!この前なんて、椅子から立とうとしたら、腰やってた癖に!!人の心配より自分の腰の心配でもしててよ!」


雪「あんたら、めっちゃ仲ええのぉ!後ろ気にしないで戦えるのは、ホンマ助かるわぁ〜」


叩き斬り、斬りつけ、投げ飛ばし、刺しまくる

化物が持っている物の中に、銅の盾があったので使わせてもらっているが、自然と体に馴染む。

俺が化物になった、性質か、何かはわからない。

むしろわからない事だらけだ。

誰か、教えてくれる人が居たら、助かるレベルだ。

そうこうしているうちに、残りはリーダーただ一人だけになっていた。


女騎士「助太刀は感謝致しますが、貴方達なぜ魔物と?」



ビィー「いや、わからないんだが。

あんたらが、コイツ等と戦いに集中している間、村の入口から中間地点はもう、壊滅寸前だったんだが、いきなり村に入るや、いなや、次々にゴブリン共を蹴散らして、俺達村人を助けてくれたんだよ。

信じてるわけじゃないが、話のわかる良い奴だってのは確かだ。」


カイナ「確かに、こちらの話は分かるし、助けてもくれたけど、いきなり信じろってのが無理な話です。」


そこまでいうか、この二人は、まあ確かにそうなんだがさ。

にしても、あの化物のリーダーデカいな。2メートルはあるぞ

この、女騎士も180ぐらいあるんじゃないか?

けど、ゴツくないのに、装備はゴツいってどういうことだ?

この、緑髪の美人さん、どんな筋力してるんだ?わけわからん。


ゴブリンリーダー「お前、俺たちと同じ魔物だろ。何故人間の味方をする?答えろ!?」


雪「ん〜?おんどれ、話通じるんかい。さっきの化物共は話通じんくてな〜真夜中の子猫ちゃんみたいな気分で寂しかったんさね。

もっとも、たーしかに、俺もあんたと同じ魔物や〜って事はわかったさね

せやけどな、俺も人間やったんや、少なからず死んだけどな。

まあ、今は化物やけど、あんたらのお仲間やないって事はわかってや?」


ゴブリンリーダー「は?人間だった?お前、俺を馬鹿にしているのか?俺はゴブリンの王、バラス様だぞ!知らないのか?」


雪「知らんがな」


身振り手振りをしながら、そんな話をしていると。


ビィー「話はそこまでにしておけ、騎士様よ。

おい!ゴブリン!てめぇーを仲間の分まで、ぶっとばしてやる!」


カイナ「ビィーさんの言うとおりです。おい、鎧!力を貸しなさい!」


女騎士「魔物の力を借りるのは神官騎士として、恥ですが。私の部下達を屠った事を、後悔しながら死になさい!」


バラス「調子が狂うが、相手をしてやる!皆殺しだ!」


お互いに対峙している中、先に動いたのは、カイナだった。

カイナは横から、剣で斬りつけるが、皮膚が硬い為、あまり切れていない。


バラス「ハハハハ!!そんな程度の力で、このバラス様が切れるとでも!?」


バラスが手に持っている、大きい斧を振りかぶる。


女騎士「危ない!」


大盾で防御の構えをとり、攻撃を受け止める。

受け止めたのは良いが、衝撃が強かったせいで女騎士とカイナをも、まとめて吹き飛ばす。

やはり、大きい分力も強い。180cmぐらい大きい斧を片手に振る腕力は相当のものだろうか。


雪「ありゃ〜アカンな。いかんせん、あれをこの人数で相手出来るんかや?

まあ、なるよ〜になるしかなか。」


ビィー「神官騎士様!カイナ!大丈夫か!?」


ビィーが叫ぶ、吹き飛んだ二人の下に駆けつけ、安否確認をする。

カイナは片足を痛めたのか、捕まり、ヨロケながら立つ。

女騎士の方は、大盾の損傷が激しかったようで、圧し曲がった大盾を捨てる。

盾を持っていた、左腕は骨を折ったのであろうか。ダランっしている。


カイナ「こんな事ってありですか?私達二人まとめて吹き飛ばす程の相手に勝てるんですか?」


女騎士「力量を見やや余るなど、騎士の恥です。

ですが、諦めるわけにはいきません!最期まで背中を向けてなるものですか!?」


ビィー「おい、騎士様よ。やれるか?あれ相手に」


雪「やれるか?じゃないやろ!?明らかに向こうのが圧倒的に強いやん!?こっちはほぼ瀕死やん!

力量見やや余るのは、騎士の恥?さっきから、なんぼ恥かいとんねん。この姉ちゃん。

カイナに至っては口だけやん!?」


ビィー、カイナ、女騎士 (なんか、悪口言われてる気がする)


こちらの言葉が伝わらない分、言いたい放題である。

だが、現実これはどうなのか?目の前の敵をどう相手にするか、どうやって対処するかに悩みに悩んでいると。


バラス「今度はこっちから行くぞ!口だけの雑魚共!」


巨漢が勢いよくこちらに突っ込んでくる。斧も振りかぶりながら、今度こそ、ビィー達は絶体絶命であると悟る。ビィーが最期の足掻きだろう。

カイナ達の前に立ち、受け止める構えになる。


雪「アホくさ、しゃーないのぅ。」


カイナ達の前に立ちふさがった、ビィーの前に立つ

先程拾った盾と洞穴で拾ったボロボロの剣で防御態勢にはいる。

バラスは不敵に笑いながら


バラス「そのまま纏めて、死んじまいな!!」


バゴン!!


乾いた音なる、あれだけの巨漢が突っ込んできて、受けたのだが、それほど強い衝撃など…いやそんな衝撃など受け流したのだろうか、斧が折れた


バラス、ビィー、カイナ、女騎士、雪「は??」


折れたのだ。丁度真ん中辺りから

岩に本気で強く打ち込んだかのように、大きい斧が折れた。

静寂な時間が、10秒ぐらいだろうか。お互いに目を合わせながら、バラスに至っては、どうしようこれ?と静かに目を泳がせている。


頑張って、無い知恵を振り絞りながら書かせていただきますので、是非これからも、ごゆるりと、ご覧ください。

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