ゴブリン進化論!
修正完了しました。
今後も差別用語がちらほら出てきますが、ご容赦を。
私の名前はゴブ太。
ホモを演じ、敗北を喫した者だ。
何故我々は笑いをこよなく愛するのか。それにはワケがある。
我らゴブリンの集落には、ある思想があった。
「人間と交配すれば、我々は進化できる。」
「何故我々は今までにそれを実行してこなかったか?それは…」
「勇気がなかったからだ!今は違う!人族ごとき、我らゴブリンの敵ではない。人族の女!それ以外はゴミだ!ゴミは消す!ただそれだけ!ただ登る…言葉はいらない…登る…新たな進化へと登るだけ…ただそれだけ…」
こうなりゃ善は急げだ。
まずは平和的解決。我らに女を寄越せと提案した。しかし…人族はIQが低い…我らの条件を拒むどころか、武器を手に持ち出した。なんだこいつらは…せっかく言語を勉強してきたと言うのに…ゴブリンの好意を無に帰す。これは神に逆らう行為ではないのだろうか?
ゴブリンは人族を襲った。それはもう尋常ではないほどに。もしかしたら人族の男でも交配できるんじゃないか?淡い期待をした。でも全然楽しめなかった。やはり人族の女以外はゴミ!決定的瞬間だった。
人族は平均IQが低い。ゴブリンの研究結果によると、人は生まれたての赤子の時は、四つん這いで移動するらしい。明らかにIQが低いのは見て取れる。四つん這いは流石にバカすぎる。比べてゴブリンは生まれて間もなく二本足で立ち、エサを探すことができる。優秀…ゴブリンはやはり優秀…伊達に神の末裔を名乗ることはないだろう。
しかし、優勢だったのは最初だけだった。しっかりと整備された剣を扱っているが、剣を構えてる当の本人はアホヅラ(ゴブリンから見れば)である。大したことはないだろうと思っていたのは束の間、あれよあれよと、押されるのだ。人族は強かった。ゴブリンは破れ去り、細々と生活することを余儀なくされた。しかし、諦めたわけではない。ほとぼりが覚めるまでゴブリンは待った。やはり人族、IQが低い。安心感すら覚える程にだ。人族は危機が去れば、しばらくすると忘れるのだ。アホヅラで我々ゴブリンを目の敵にしていると思えば、今度はアホヅラで祭りを開催し、アホヅラで同族の王にひれ伏し、低IQで生活する。
平和ボケ。人族の間で聞いた単語だが、しっくりきた。人族は平和が続くと、ボケるのだ。我々ゴブリンには理解できない発想だった。
平和?我々ゴブリンには平和など存在しない。毎日生きるか死ぬかを考えているのだ。羨ましいと思った。
数十年経てば、我々が起こしたことも完全に忘れられていた。
次の作戦に移行する。
夜な夜な誘拐大作戦だ!
闇に紛れるのだ。
やはり人族…IQが低い…夜は暗いというバカっぽい理由で活動はしないのだ。寝込みに女を誘拐する。我々に与えられた任務はそれしか残されていない。実行だ。優雅にな。
攫う。ただひたすらに。あれよあれよと攫われる女性淑女には同情せざるを得ない。ただ貴様らは我々と共存すればよいのだ。我々の股間もカチカチだ。人族のIQを上げてやろうじゃないか。存分にね…
だが人族…なかなかに光るものを持つ女性もいた。
ゴブリンと差別用語がとても大好きな変態。
事あるごとに、ゴブリンを差別用語で侮辱するのがとても大好きだった。
そうだなぁ…例えば、ゴブリンは障害者だ!ゴブリンは全員ホモ!ゴブリンは知的障害!ミナマタ病の末裔だ!汚らわしい緑人!気色悪い!…といったものだ。当時の私は困惑するばかり。しかし、私はこの女性をIQが低いとは思わない。何故なら、面白いからだ。
ゴブリンは彼女を受け入れた。何故か。それはゴブリンを好きに侮辱されるのを条件に子孫繁栄を約束するのだ。
天文学的に利害が一致していた。私が最初に神の営みを行おう。
数年の時が流れた。
人とゴブリンの子は順調に育っていった。
特に我々と変わらないゴブリンだ。特に違和感もないIQ。
ゴブリン進化論はデマだった。
だが特に落ち込みなどは無かった。
ゴブリンに愛は存在しない。欲しいものは、生き抜ける肉体と知能。欲を言えば力だ。
ゴブリンキングは実在する。伝承として語り継がれてきたそれは、我々ゴブリンを魅了した。世を支配したいという野望。拒絶できようもないだろう。
人族というのはモロいものだ。自分らと姿形の違うものと交配しただけで、まるで世界が終わったかのような振る舞いをする。よほど自分のことが誇り高く、純潔だと思っているのだろう。欲深い連中である。
子供に変化が起きたのは生まれて20数年の月日が経ってからだ。
本来ゴブリンの寿命は30〜60年と言われている。(現段階では60が最高)成長期は10年を迎える頃がピークとなる。というわけなので見切りをつけていたので驚きだ。
なんと絵を描き始めたのだ。その絵は、まるで人族のような陳腐でIQの低いものだったが、何故か私は、それに魅了された。絵には、魔力があるのだ。
そう…まるで魔法だ。魔法には種類があることを学んだ。後から気づいたことだが、絵自体に魔力があるのではない。センスのカケラもないから、燃やそうとすら思った。なんの絵かって?それはこの世、いや宇宙の真理に辿り着いた者にしかわからないだろう。ゴミは燃やすに限る。そう思わせる程、圧倒的に彷彿とさせるセンスの無さ。仮に私がこの星を滅ぼせる力を持っていたら、今。今!この当時の時点で滅んでいたことだろう。それほど吐き気を催す出来となっている。しかし、神は懸命な判断をした。私にはそんな力など無い。誰も言わないのなら私が言おう。神よ。お前は正しい。
脱線したな。
絵に魔力があるわけではないのだ。
羊皮紙に黙々と描いているゴブリンの風景に、魔法が発動しているのだ。
チャーム、洗脳魔法とも違う。
あたたかい。そう、これだ!暖かさを感じるのだ。メイジゴブリンがいれば、この魔法の正体も分析できるだろうに。歯痒いものだ。
次に興味を引いた魔法は、お笑い。お笑い魔法だ。人族から見れば、ドス黒いものに見えるだろう。私の妻として迎えた、名はサリナと言う。彼女の差別用語は、子供達に悪影響を与えた。自らの絶望している母に向かって、
「絶望しろぉ!絶望こそが…俺の糧ぇ…」
「絶望のひとときを満喫しようか…」
「さぁ…闇のサーカスの始まりだ…」
などなど。挙げてみればキリがない。
挙げ句の果てには、ゴブリン同士で発達障害呼ばわりをしている姿を見かけた時は流石に爆笑した。
と言った具合である。
ゴブリン同士で笑いを極める。互いを磨き、勤しんだ。私に勝てるものはついぞ現れなかったが、なかなかに楽しい毎日を送っていたのだ。
謎のスケルトンが来るまではな。




