表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ここは超常現象お悩み相談所ではありません  作者: 陽炎氷柱
序章 この学校では怪異が溢れている
1/28

ある放課後の話

 最後の授業の終了を告げるチャイムが鳴り、教室の空気が一気に緩む。

 特に入学したばかりの一年生にとって、一日の疲れがどっと押し寄せてくる瞬間でもあった。



「ルチア・サンタリオ」



 名を呼ばれた金髪の少女は、帰る準備をしていた手を止めて顔をあげた。



「申し訳ないが、これを第三準備室においてきてくれないか。わしはこのあと職員会議があってのう」



 直前まで魔力基礎の授業をしていた教師はそう言うと、少し申し訳なさそうにプリントの束をルチアに渡した。



「分かりました。第三準備室って、西館の三階にありましたよね?」

「よく覚えているな」



 さっさとお使いを終わらせるためにも、ルチアは早速鞄をもって立ち上がった。

 その姿に満足そうに微笑んでいた教師は、ふと何か思い出したように口を開いた。



「それと、西館には必ず裏口から入るように」



 真剣にそう言われたルチアは少し首をかしげ、その拍子に束ねられていない髪が顔にかかる。そろそろ結ぶもの買わないとなあ、とぼんやり考えていたところで教師が続けた。



「この学園にいる以上、お前もそのうち嫌でも慣れるだろう。だがいくら実技試験首席のお前でも、新入生にアレの対応は厳しい」

「ええと……?」

「突き落とされたくなければ、西館三階の正面階段は使うな」



 全く話が見えない。しかしその意味を聞く前に、教師はもう一度ルチアに念を押して速足で教室を出ていった。



「正面階段を使うなって……あー、そういえばあそこにはいつもヤバそうな女の人が立ってるんだっけ」



 理由を思い当たり、ルチアは納得したようにうなずいた。

 そして表情を変えることもせず、お使いを完遂すべく第三準備室に向かった。


あんまり怖くないなんちゃってホラー。

怖いのが苦手な人でも楽しめる、背後不注意でもおkの創作の怪異多めでお届けします。


ついに書きたかったちゃんねる系の小説…!

改稿終わりましたので再公開です。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ