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月食

思った通りに書いたら意味不明に・・・ごめんなさい。そして、おつきあいありがとうございました。

 それは、ある男の我が儘だった。

 

 

 その人は私を愛しているらしい。

 私には分からない。誰よりも私が私を嫌っているのに、彼は私が好きだという。

 どこが良いのか分からない。理解できない。

 でも、彼は本当に嬉しそうに私の隣にいるものだから、私はそのまま放っておいた。

 はじめはまともだった。ごく普通の、恋人同士の愛情表現。

 身体をつなげる事、心をつなげる事。とても気持ちの良い事。

 でも彼は、それだけでは足りないようだった。

 まるで、獣のように、私を捕食の対象としてみているような気がした。

 私という存在を手に入れてまだ足りていないらしかった。

 

 だから、このまま放っておいたら何をするのか気になった。

 

 実験動物を見るような感じで彼を観察した。

 そこから分かる事はほとんど無かったけれど。

 彼の欲望が徐々に、解き放たれているような感じがした。

 

 彼は自分に忠実だった。

 私はそれを好ましく思った。

 彼が遠くへ行きたいと言ったとき、私は命の終焉を感じた。

 もうすぐ、私は彼に殺される。

 不思議と怖くはなかった。

 

 

 いつものように身体をつなげる時間。

 どこか、空気が冷たく、張り詰めていた。

 いつものように熱い時間。私が上り詰めたとき。

 銀に光る刃を見た。

 

 

 

 

 彼が私を望むなら、私は私のすべてをあげる。

 だから、あなたも。

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