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夜明

東の空が白ける頃、僕は目を覚ましてしまう。



僕の日課。

それは夜明けに起きて彼女が薄紅色に染まるのを見ること。


艶のある黒髪は赤みがかかり。

白く透き通る肌はほんのり赤く染まる。


この部屋で一番大きな窓から溢れる薄紅色の光が彼女を染めるとき、

僕は昏い破壊衝動を抑えることができる。


薄紅色に染まる彼女が自身の血でまみれた様に見えてしまうのだ。

それを見て


「僕が手に掛けた」


と僕を騙すのだ。そして、だまされる馬鹿な僕は歓喜に震えるのだ。


彼女は赤が似合う。夜明けに僕を魅了する儚い彼女。


彼女が嫌いなのではない。むしろ愛してる、も過言ではない。

だからこそなのだろう。


彼女の全てを手に入れたいのだ。

生きているあいだはもちろんだ。

笑って、泣いて、怒って、

空が闇に包まれた間だけ、月明かりに照らされるその顔も、

全て僕のものだ。


だけど貪欲な僕は彼女の死をも手に入れたい。

僕の手で彼女が最期を迎えるその顔が欲しい。


そのとき、彼女はどんな顔をするのだろうか。


悲痛に満ちているのか。

苦痛に歪んでいるのか。

それとも幸福そうに目を細めるのか。


とても、見てみたい。



彼女は怒るだろうか。

呆れるだろうか。

それとも笑って受け入れてくれるだろうか。



こんな、馬鹿でどうしようもない僕の全てを。




それは罪だろうか。

そう思うことは罪だろうか。


笑って、泣いて、怒って、感じてそのあとで。




君の全てを奪っても良いですか。

『中毒』に入れようかと思いましたが、よく読み返せば、主人公、少女じゃなかった。ということで。他の更新遅くてすいません。

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