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育児経験はないけど悪事経験ならあります!



芋虫毛虫がなかなかこちらの事情を理解してくれないもので手を焼いてしまって寝るのも遅くなってしまったもんだから今朝はなんだか眠たい。


ポァオオオと大きなあくびのようなものをしてベッドから出ようとするとポロンと子どもが布団から転がって出た。


結局あのあと嬉しさが天元突破して我にかえって恥ずかしがり始めた少年を抱えたままに過ごし、一緒に寝ようそうしよう!と引っ張りこんだんだっけ。


何だ、そんなに私少年好きだったっけ?普通にダンディなオジサマ好きだったはずなんだが……うーん。


とか考えてたらくすぐったい!


虫が這うような小さくも確かな違和感に慌てて下を向くと少年が乳に抱きついて顔埋めてた。ちょっと当たったなんてもんじゃないぞ!あとデカすぎて片乳だけで抱き枕みたくなってる!


それこそ恥かしいからやめれ!とホーホー言いながら剥がすとゔーんとか唸りながら少年は何事もなかったかのように寝返りを打って寝続けた。


思わずホッと一息。と、視線を感じてそちらを向けば猫脚椅子に放置してたもう一人の子どもがジト目でこちらを見ていた。



「てめえらはそういういかがわしい関係か」


「ポ?!」



な、なななんてこと言うんだ!この子は!ご飯用意してやらんぞと飛び起きてポッポポッポ言いながら部屋から逃げ出す。


べつに分が悪くなったから逃げ出すわけじゃないからね!貯蔵庫からお肉やら果物やらを出してダンダン包丁なり棍棒なり叩きつけ調理しながらそう叫んだ。




出来上がったシチューもどきを手に上に上がるとまた昨日の続きみたいに言い争うような声が扉の外にまで響いてて驚いた。


私サイズのでかい扉だよ?厚さもかなりあったのにそれでも漏れるほど白熱してるとか。若さ?若さゆえなの?


もしかしたらさっきのこと告げ口されて二人から変態巨女扱いされるかもしれないと過り、恐る恐ると扉を開けて中に入る。


すればすぐにこちらを捉える二人だけどいきなり変態呼ばわりはされなかった。


何か言おうとした形のまま、鼻をひくひくさせる新入りとベッドから降りて私の手から木匙と自分の分のお皿をとって待機姿勢になる子の違いを見。とりあえず邪魔になるもう一枚の皿と匙を一旦テーブルに置き子ども1の皿に持ってきた鍋からシチューを注いでやる。


火力調節に手間取ったけど焦がさずできたのは褒めてほしい。


ちょっと薄味っぽそうなのをもらった子ども1は早速手を付け始め、子ども2が文句を言いたそうなので置いた皿のそれにも注ぎ鍋を置くと子ども2の前に立ちホーと鳴く。


縄を外してやるけど、暴れたり何かしたら許さないからねというホーだ。十中八九伝わらないだろうけど何となく食事のために外されるのは察したらしく大人しく解き終わるまで動かなかった。


取れたあとは無言で皿をぶん取り、私から離れた位置まで行くと床に座り込んでそのままガツガツと食べだした。


どこまでもふてぶてしいな、おい。


しかしシチューらしきものはちゃんとそれっぽく作れたみたいで良かった。多分芋と人参、それから謎の肉と玉ねぎ、小麦粉、牛乳と調味料をぶち込んで味を整えたからもしかしたらゲロマズ!と一口も食べられず残されること覚悟してたんだ。 


こんなに食べてもらえてるなら成功したと言っていいはず。ん?おかわり?もちろんいいよ〜!


子ども1の皿に注いで、それを観た2も皿を床にシャーッと滑らせて要求してきた。……行儀悪いぞ、2よ。と思いつつ私も注いだそれをシャーッとやり返して二人がお腹を満たすのを眺めて食事は終了。皿と匙を回収して空の鍋に入れて下に戻る。


お腹も満たし少し険悪な雰囲気が緩んだのを感じ、そこまで心配しなくともいいかなと考えながら食器類を紫の水で洗うのだった。



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