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お供えものは活ショタ



生まれた?場所は運良く生活できそうな洋館っぽいところ(ちょっとこれは?って謎のものがあるけど)にいたので住に困ることはなさそうだと判断する。


あとは食……っていってもお腹空かないなぁ。こんななりをしていても意外と省エネなのかもしれないなんて思ってたら下の階がにわかに騒がしくなってきた。


な、なんだ?強盗?金目の物は持ってな……いやこの邸にあるもの高そうだな。やばい。あああでも私弱……くもないかな?もしかして転生特典でとんでもない力あったり?ホラ、こんな明らかに人じゃない見た目してるし!


とかビクビクしながらそっと階下を長い首を駆使して覗く。






「お前のようなガキは化け物の腹の足しになるのが相応ってもんだ!」


「まったく、せいせいする!ようやく邪魔者がいなくなるんだから」


「恨むならお前を残しておっ死んじまった不甲斐ない母親でも恨むんだね!」



男女の喧しい声に、ケバケバしい成金風の奴ら。それにボロボロの子どもだろうか。突き飛ばされて地に這うのも構わずに足蹴にして。どんな事情があるかはぶっちゃけ知らんがそこまでする必要ある?


子ども好きってほどでもないし関係のないことだけど嫌なもの見せられて気分が悪くなって、思わずピコンと頭にいい案が浮かんだ。



「ボォオオオ……ボオオオオオオオオ!!」



普段の声が鳩の鳴き声程度のホー、でも今は脅かすためにちょっと腹に力を込めて雄叫ぶ。


思った通りビビリまくってる3人は挙動不審に辺りを見渡す。私の姿を知っているかは別として化け物屋敷って知ってるなら、怖かろう?お望みの化け物様のお声だぞう?


耳の穴かっぽじってじっくりこの美声を脳に刻んでチビリあそばせ!



「オオオオオオオオオオ〜」



ゆっくりゆっくり、エントランスホールに続く階段に向かう。無駄にゆらゆらふらふらするのも忘れない。今行くぞ、直ぐ行くぞ〜と足を進めては中程に至るまでもなく子どもをイビってた男女は声にならない声をあげて慌てふためいて逃げていった。


わかってたけど子どもは放置で。


男女は無視してビクビクブルブルしてる子どものもとにそのまま進む。顔真っ青だね。ああ、おもらししてしまってる。ごめんよ、君は脅かすつもりなかったんだけどアイツらを脅かすとなると必然的にね。


身を屈めるのも怖いだろうな〜と思いつつ、そろ〜り手を伸ばして抱き上げる。手は大きいし硬直しまくってるから楽だね。


ポタポタ落ちるオシッコは気になるけどまぁ仕方ないとして、とりあえずお風呂はどっちかな〜と邸をウロウロ。いつの間にか失神してた子に申し訳無いことをしたなと言い訳じみたホーを口にしつつ、ようやく見つけたそれらしき部屋へ。


だ、大浴場ばりにでかいのは予想外。どうしよ、どうやって25mプールばりの空の浴槽に水かお湯を満たせばいいんだろう。排水溝はあるけど蛇口もシャワーもがなくて途方にくれ、困り果ててうんうん唸りながらお湯〜お湯出ろ〜湧き出せ〜なんて神頼みをし始めたらあら不思議。


浴槽の底からじわじわ緑色の液体が滲み出てきた。


うわ、気持ち悪い。でも湧いたんだからあったかいかな?と片手を伸ばし溜まり始めるそれの表面に触れて確かめる。


…………ネバネバします。すごく。あと生クリームとかにヘラで触ったみたいなもったり感がある。


これに入るの?ええー


嫌だな嫌だなとホーホーなくも奇跡は何度も起きてはくれずで、渋々子どもの服を脱がせてスッポンポンにしてからかけ湯して。それから緑色の中へ。


がに股でバランスを取りながら緑色でせめて体を擦って泥やら垢やら汚れを落としてやろうとしてみれば。何ということでしょう。泡がたち始めました!


緑色は石鹸水だったのか。へーほーん。


ならば話が早いとゴシゴシ、ゴシゴシ洗う。肌がこんなに変色するくらい放置てどんな境遇をしてきたのか。


いやまぁ少し聞き耳立てて聞いた限りでもよくない扱いされてたのは想像ついてたけどさ。


こんなに小さいんだもの。まだ生まれて5、6年でしょう?


悲嘆にくれて人生諦めるにはまだ早いよね。人外だけど、お姉ちゃんと仲よくしよう。



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