ドラゴン狩り
初投稿
Voooooooon...
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Radioactive...
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ーーーーーwelcome to the new age
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鳴り響く銃声と充満する硝煙の匂い
時折聞こえる野戦砲の炸裂音が体の芯を揺さぶる感覚は快感さえ覚える
岩陰から身を出し狩猟対象に照準を合わせる
数回トリガーを引く
Pan...pppan...ppan
体を押し返す反動が脳まで揺さぶる
既に銃撃音と着弾音で耳は麻痺して久しい
尻尾が振られるたびに異様な風切音が鳴る
悲鳴なんてのは余裕がある奴のすることで、多くは死んだことに気が付かないか、声を上げても短い嗚咽だけ
森の暴力装置の折り重なった真紅の鱗は発情期の特徴
歯茎を露わにしてこちらを威嚇している
Gutotototo...
銃声の中でもしっかりと響いてくる程の咆哮
それに合わせてでかい筒を抱えた男が転がり込んできた
「伊達に目をつけられてねぇな、ぶるっちまうよ」
「流石に森の王者だな…」
「トレードフェデレーションが金を出すわけだ、コイツァでけぇ、オレのといい勝負だ」
「聞いてねぇよ」
竿男は軽機関銃のから弾倉をバックに突っ込み別の弾倉を当て込みコッキング
「へへっ、今回は払いが太っ腹だからな、玉代も向こう持ちだ。気兼ねなくぶっ放せる、どうダァ?!トレードフェデレーションの味はぁ!トカゲ野郎!」
岩陰から半身を乗り出して笑い声とともに鉛玉をドラゴンへ吐き出していく
Butotototototo!!!!!!
同業者は何故こうも育ちの悪い輩しかいないのか
こいつみたいなのとは長旅はごめんだな
気遣い出来なそうだ
Booooooooooom!!!!!!
何度目かの野戦砲の炸裂音だ
しかし今回は大きくドラゴンをのけぞらせた
右肩部に砲弾が直撃し破裂、翼を吹っ飛ばしたのだ
同じ岩場で身を隠していた男が歓喜した
「イーハー!やっと有効打だ、遅いくらいだぜクソったれ!」
機動力を失い地べたに這いつくばる目標
もう体力も尽きたようでかけた四肢を投げ出し喉を鳴らして威嚇してくるだけだ
Gutototototo....
その瞳に映すのは人類への、理不尽への憎悪だろう
被弾痕から流れ出る鮮血がドラゴンの体を沈める
辺りは着弾痕のクレーターとなぎ倒された樹木に人間だったミンチ
倒れ伏しているところに次々とネットが投げられ拘束していく
平和に暮らしていた彼女は人間の身勝手で害と見なされ、駆逐されていくのはどうにもやるせない
この後は巣穴へと行き卵を奪って報酬を受け取る
それだけだ
ただそれだけ
森をかき分け広く展開して巣を探す
すぐに発見の報告があった
孵化したばかりの雛や幼体が身を寄せ合って親の帰りを待っていた
日本人の心が抜けきってない僕はつくづくこの世界は似合わないなと
そう思った
topic!
[ドラゴン]
6月、繁殖期に入ったドラゴンは警戒心が強くなる
代謝の向上により鱗が硬化し変色、鮮やかな警戒色へと変える
その硬さは小口径の弾丸はかすり傷すら付かない
圧倒的な質量と運動量から繰り出される尻尾のなぎ払いはかするだけでミンチになる
凶悪な顎の咬合力は推定で400kg
普段は森の奥地で生活している彼らだが、人類の生存圏の拡大が森を焼き彼らを燻り出してしまった
既に二隻の輸送船が森へ落ちている
被害総額は恐ろしいまでになっている