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凸凹な俺たちの冒険譚  作者: ぼっち至上主義
2/3

旅の始まり

  衝撃の出会いをする3日前、俺は村で友人のヴァンと話していた。

 「そういやぁさー、リュート。」

 「んー、なん?」

 「明日だったよな、花嫁が決まるの。」

 「あー、そーだったっけな。」

 花嫁・・・16年に1度、魔王に捧げるために選ばれる生け贄。1000年前に、突如この世界に現れた魔王が望んだからだ。最初の生け贄はある国の聖女だったらしいが余りよく知らない。知っているのは花嫁に選ばれるのは16歳の少女だということと、6人だということ。それが選ばれるのが明日だ。たまたま俺も16歳だが、男は関係ないし、この村では過去に一度も花嫁がでたことがないとあって他人ごとの用に感じる。

 「でもあんま関係ないし、それよりも畑の虫が心配だよ。」

 「そうだな、セナが無事ならどーでもいいしな。」

 セナは村で一番綺麗な子だ。俺たちの幼なじみでヴァンと俺の密かな想い人だ。

 「大丈夫だよ。この村から花嫁でたことないってジーチャンいってたし。」

 「だな!」


 翌日、セナは花嫁に選ばれた。


  朝、ざわざわとした村の喧騒で目が覚めた。

 外にでてみると村の人たちが集まって騒いでいた。その中にヴァンの姿を見つける。

 「おい、ヴァン!何かあったのか?」

 「セ、セナが、花嫁に・・・」

 真っ青を通り越して真っ白な顔をしたヴァンの言葉に、全身の血が凍った気がした。村人の中心を見ると、自分の左手首を見つめて涙を流すセナがいた。

 「セナ!」

 俺の声に気づいて涙に濡れた顔を上げたセナの痛々しい姿に胸が締めつけられる。

 「リュート、これ、見てよ。」

 セナの手首には"Darkness Bride"という文字のようなものと蔦のような絵が刻まれていた。

 「これは・・・?」

 「花嫁の証じゃ」

 「ジーチャン!それじゃ、セナは魔王の・・・」

 「ああ。仕方ない、城に連絡をする」

 「城?なんで」

 「魔王様のもとへ送ってもらうためだよ」

 どういうことだ?送る?もしかして、花嫁は自ら魔王のところに向かって身を捧げなくちゃいけないのか?そのために城に連絡をするということは、セナが花嫁だということを知っているのはこの村の人だけなのか?なら・・・!

 「ジーチャン、黙っていればいいんじゃないのかな?セナが花嫁だってバレなければこのままでもー」

 「世界が滅びるだけだ。魔王様の手によってな」

 冷たいジーチャンの言葉になにもいえない。そりゃそうだ、世界がなくなればみんな死ぬんだ。だけど、納得はできない。

 「でも、ジーチャン!俺は・・・俺は・・・!」

 「仕方がないんだ。リュート、ガキみたいな我が儘を言うな。みんな、辛いんだ。」

 苦しそうなジーチャンの様子に、俺は何も言えなくなった。


  本当に仕方がないのか。俺には何もできないのか。

 「リュート」

 「ヴァン」

 昨日2人でいた場所で、1人うなだれているとヴァンがやってきた。

 「なぁリュート、どうすればいいんだろうな」

 「あぁ」

 「魔王なんていなければ良かったのに」

 ヴァンのつぶやきを聞いて、俺は馬鹿みたいな、だがセナを救えるかもしれないある1つの方法を思いついた。

 「は、ははっ」

 「どうした?大丈夫か?」

 「ヴァン、セナを救えるかもしれない。」

 「え」

 「魔王を倒せばいいんだ。」

 「は?!無理だろ、そんなの」

 「でも、それしかないんだ。ヴァン、お前はセナのそばにいて支えててくれよ。俺は行く。幸いジーチャンの話だと、花嫁は魔王のもとにいくまでに、魔王の気にいるようにするための準備期間として2年ほど修業だとか儀式だとかの時間があるらしい。その間になんとかする」

 「リュート、お前、もういくら止めても行くつもりなんだな」

 俺はヴァンの目を見てうなずいた。

 「セナは俺に任せろ。死ぬなよ」

 「あぁ!」


 次の日の朝早く準備をして、俺は家を出た。書き置きを残して、決意を胸に抱きながら。


  [カーチャン、トーチャン、ジーチャン。ごめん。俺、魔王を倒しにいく。

  セナが魔王のとこに行くのを黙って見てるなんてできない。でも、心配しないでくれ。

  仲間とか集めて、絶対に魔王を倒して帰ってくるから。俺は大丈夫。体に気をつけてくれよ。

                                   

 リュート]

 


次からはギャグも入れていきたいと思ってます。

ありがとうございました。

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