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人違い勇者でも世界を救えるっ!!  作者: リア(Lea)
第一章
7/13

新メンバー?

翌日

俺は集めた素材を売るため、素材屋に向かった。


「すみませーん」


「はーい。なんだい?ってちっこい大砲のお兄さんじゃないか。どうしたんだ?」


早い。店員の鏡だよ、あんた。


「いや、ここって鑑定とかできるのかなー、って。あと買い取りもしていただけたらなー、って」


「どっちもできるよ。僕は鑑定スキルも持っているからね」


ほえー、頼もしい。


「じゃあ、お願いします」

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俺が提示したものは一つ数百カルくらいにしかならない物ばかりだった。


「まあ、そんなに期待して無いからな。だが、これは結構自信あるぞ」


最後に俺が提示したのは未だに青く点滅している石だ。


「・・・どうだ?」


「んー?これはなんだ?・・・水属性の魔石か?でも魔力が弱いな。六百カルだな」


「まあ、そんなものなのか。っていうか魔石って何なの?」


「魔石っていうのは文字通り魔力の籠もった魔石のことだ。大体の物は少しの衝撃で割れるんだけど、割れたらその魔石がもつ属性の爆発を起こすんだ。硬いやつは剣の装飾に使われたりする。柔らかいやつは中級魔法師でも作れるけど、硬いやつは上級魔法師じゃないと作れない」


「なるほど、ありがとう。つまり、爆弾か」


「そうだね。他にも用途はあるけど、明かりにするとか、飲水を貯める時によく使うかな」


・・・いいこと思いついちゃった。


「ありがとう。あとは、買い物か。鉄と鉛とプラスチックと革と燃焼速度の一番遅い火薬を買いたい」


「ほいほい。ちょっと待ってて」


「あと・・・」


「ん?」


「この店で滅茶苦茶硬い鉱石ってどんな鉱石ですか?」


「ああ、ちょっと待ってて」


そう言って店長は店の奥に行ってしまった。


しばらく経って、


「お待たせ!これだね。ダウスカネル鉱石って言うんだ」


持ってきたのは真っ黒い鉱石だった。店長さんの顔の二倍くらいの大きさだ。しかもめっちゃ重そう。


「重そうですね・・・」


「ああ、重いよ。ざっと鉄の二倍の重さだ。ただ、貫ける物は存在しないし、周りの無属性魔力を吸い込み、魔法を保存できる。と神話に詠われる程の鉱石だ」


「へえー。それ、いくら?」


「扱える人がいないし、鉱山でバカスカ取れるからそんなに高くないよ。これで二千カルだ」


「じゃあ、その大きさのを二つ買う。あと、そうだ。魔石と・・・レンズってある?」


「あるよ。天然の魔力が籠もった望遠ガラスが」


「じゃあ、それも買う!」


「ほいよ!毎度ありがとさん!」

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「ああー!めっちゃ疲れたー!だけどあの店に魔石があって良かった」


とりあえず俺は敵の麻痺狙いで、電気の魔石を買った。


宿から余っていた材料を持って、Ballet 001を作った森に来た。対物狙撃銃、Ballet 002を作りに。


「銃身と弾倉はM82に似せて、口径だけ大きくするか」


そして加工開始。中身はさっき買ったダウスカネル鉱石を加工して作る。だが、


「・・・ん?なんだこれ?加工しにくいな」


思い出した。加工するものが硬ければ硬いほど加工しにくいのが無限加工だ。筋力は上げているつもりだが、流石神話の鉱石。五分ほど掛けてやっと加工し終わった。マガジンは鉄で作り、総重量は滅茶苦茶重くなる気がした。


プラスチックで銃身を覆い、持ち手に革を巻く。最後に右回りのライフリングを付けたら完成。口径は20×110の大口径だ。


次はスコープだが、これが難しい。丁度いい場所にレンズを配置しなければいけない。だが、これがなければスナイプは無理だ。三十分掛けて、やっと終わった。なんか滅茶苦茶長いスコープになってしまったが、30メートル~10キロ先の物を鮮明に映し出せる程の超高性能スコープになった。銃はスコープ取り外し可能にしておいた。


ちなみにこの銃の重さは1.9キロだった。

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「リュウヤはこの世界の軍事設備をぶち壊すつもりなのかな?」


ユリアに002のことについて話したら俺を危険人物を見るような目で俺を見てきた。


「違う。俺はまだ弱いからさっさと強くなるためにこのアンチマテリアルライフルのBallet 002を作ったのだ」


だが、俺の反論は効かなかったようだ。


「・・・リュウヤはいつか世界を爆発しそう」


「失敬な!俺はそんなことしない」


「・・・で?そのバレット 002はどれくらいの威力?」


お、それを聞くか。


「聞いて驚け!あのゴブリン城の壁を粉々にできるほどの強さだ」


ユリアは唖然した。こんなユリアの顔は初めて見た。


「し、射程距離は?」


「多分2キロメートルだ」


「・・・兵器じゃん」


ユリアのつぶやきを無視して俺は報告した。


「というわけで、いいクエストを見つけてきた」

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俺らは山に登り、ユリアは双眼鏡で、俺はスコープで獲物の姿を見つけた。


「リュウヤ、あんな物本当に倒せる?」


「大丈夫だ」


と言いながらボルトハンドルを引いて戻す。


今回のクエストは巨大種ヌーブゾンビの討伐だ。普通のヌーブゾンビなら殺ったことはあるが、巨大種は滅茶苦茶デカイ。皮膚も強靭で、剣もナイフも書いて字の通り、刃が立たない。なのでこのクエストを受けたわけだ。


今回はスコープのレティクルを合わせる、という目的があるので簡単にくたばってはこっちが困る。


「じゃあ、始めるか」


「ドゴオォォォン!」


轟音。えげつない威力を秘めた銃弾がゾンビに向かっていく。が、弾は当たらず、地面に当たり、土が物凄い高さまで跳ねた。


「少し上か?」


スコープを加工して再射撃。だが、またもや外れて、土が抉れる。


「もうちょい下に・・・」


「ズゴオォォォン!バゴオォォォン!」


轟音が鳴り響き、弾が発射されるが、どんどん土を抉っていく。そしてついに、


「バシュゥゥゥ」


ゾンビの頭が吹き飛んだ。


(一発でこの威力かよ・・・)


「・・・リュウヤ、それ使用禁止」


「やだね。対物狙撃銃はオタクのロマンだ」


だが、これを人前でぶっ放したらやばいことになるだろう。


「しかもこれ、重いしかさばるな。なんかいいスキル発現してないかな?」


と呟いてウィンドウを開く。が、スキルは無限加工しか無い。はあ、と息を吐いて帰る。


「とりあえずこれ担いで帰るか」

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翌日


「リュウヤ」


「お?なんだ?いきなり人の部屋に入ってきて」


いきなりユリアが俺の部屋に入ってきて動揺する俺。そんな俺の態度を無視してユリアが話を続ける。


「そろそろ次の街に行こう」


「・・・うん?」


「私達はこの村ではもう十分強いだから次の村に行ってもっと効率よく経験値を稼ごう?」


その決断は結構勇気のいるものだった。確かにここから次の街にいけば効率よく経験値を稼げるだろう。だが、今みたいに素材屋が近くに無いかもしれないし、ご飯やパンが安く売ってるかもわからないのだ。正直言って俺はもうちょっとここに滞在してもいいのではないか?と考え、それをユリアに言った。ユリアは素直に俺の意見を受け入れてくれた。


そしてユリアが部屋を出てから、俺は一人呟いた。


「そんなに急がなくてもいいじゃん。なんであんなに急ぐんだ?」


先程のユリアの態度は急いでいるように見えた。何をそんなに急いでいるのかがわからなかった。


確かにあと六~七年程で魔神軍が攻めてくる、とカルシスターは言っていた。だが、このペースでいけば、別にレベル325だって夢ではないのだ。一ヶ月に5~7レベル上げれば十分間に合うのだ。道のりが遠いと言っても五年で普通に着くようなところだ。


だから俺にはユリアの行動が解らなかった。

----------------------------------------------------


今回のクエストはヌーブゾンビの集団の討伐。


「そいつに触れると腐敗するからな!気をつけろ!」


「了解」


俺はゲーム技を使い、次々にゾンビを蹴散らしていく。ユリアはいつも通り魔法で殲滅していく。だが、いつもより威力が少し弱い。やはり次に向かいたいのか。


俺はゾンビを倒し終わるとユリアに話しかけた。


「お前、そんなに次に向かいたいのか?」


ユリアは頷いた。


「なんでそんな急いでるんだ?お前、急いでるだろ」


ユリアが頭を下げる。


「・・・」


我がふるさと、日本で無言は肯定。彼女は急いでいる。


「なにかあったんだったら話してくれ。もちろん話さないでもいい」


「・・・ごめんなさい。それは、ちょっと言えない」


「そうか。ならわかった。次の街に行こう」


ユリアが顔を上げる。


「いいの?」


「別にずっとここにいたいわけじゃないしな。いつかここを出なきゃいけないただし、あと二日ここにいさせてくれ」


「分かった。・・・ありがとう」


「いや、全然大丈夫だ。それに強くなりたいと思うことはいいことだ」


「・・・ありがとう」


まあ、そんなに悪影響が出るわけでもないし、いいかな。

----------------------------------------------------


翌日

俺は散々お世話になった素材屋にお礼を言いに行った。Ballet二丁が作れたのは、確実にあの店のおかげだ。


俺は感謝の言葉を伝え、それからもうここに来るのは滅多に無いだろうということを伝えた。


「なるほど。君は次の街に行ってしまうのか」


「そうだ。申し訳ないがやっぱりここに来ることはもうないと思う」


「そうか・・・」


俺はこの店に並々ならぬ愛着がある。それはこの気さくな店長がいるからだろう。


だがその店長が次に信じられないことを言った。


「じゃあ、俺もついていくわ」


「・・・はぁ?」


「いやーだって君、すごい武器作ってんじゃん。あの小さな大砲、名前は・・・バレット 001だっけ?あれ以外も見てみたいんだよ。だから頼むっ!俺も一緒に連れてってくれ!それに、この先の町に俺も少し用があるから。見た目こんなんだけどステータスは筋力凄いと思うよ」


なんとまあ、予想外だこと。だが、悪くない。素材屋が近くにいて、いつでも買えるのだ。


「レベルはどれくらいだ?」


「レベル21だね。武器は斧槍、魔法は使えないかな」


俺と変わらないレベル!?商人なのに凄いな。


「分かった。じゃあ、店長さんも連れて行く。えっと、次の町までよろしく」


彼の名前はパル・リューテル。筋力が凄まじく、270もあるらしい。器用さもその次に凄いが、その他はあまり高くないらしい。

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この村最後のクエストはゴブリンの討伐。前に城を崩壊させたが、生き残りがいたらしく、その生き残りが村に侵略してきているので殲滅してほしいということだ(多分敵討ちに来たのだろう)。中には肥満種、もいた、との情報があるらしい。多分、肥満種は肉厚のゴブリンということだろう。


ポジションは、俺が遊撃、ユリアが隠れながら遠距離攻撃という感じだ。とりあえず002も持ってきたが、使う機会は少ないだろう。


平原をズンズン歩いていると、俺らはゴブリン軍団を見つけた。


「攻撃態勢用意!」


俺はそう言って剣を鞘から、001をホルスターから抜いた。ユリアは杖をゴブリン勢に向けている。


「出撃ぃぃぃぃぃ!」


こうして謎のテンションでこの村最後のクエストが始まった。


俺はゴブリンの方を見て何体くらいいるか確認した。多分、百体以上はいる。


「バアァァァン!」


まずは先頭にいるゴブリンの頭を撃ち抜いた。それが合図になり、前衛のゴブリン達が俺に突撃してきた。だが、いつまでも逃げている俺ではない。足元の柔らかい地面を加工し、一方通行の道を作った。これなら横からは攻撃されない。


と、思ったが、十体くらい倒したときに土壁がゴブリンの攻撃により、崩れた。壁を崩したゴブリンはボロボロの木槌を持っている。あれで叩かれれば、普通に死ぬだろう。


俺は001を乱射しながら逃げ始めた。が、それを見た後衛のゴブリン達はジャケット(?)からナイフを取り出して俺に投げつけた。


「と、投擲ナイフですか・・・」


ナイフの軌道を読み、避ける。全てバラバラに投げたので幸い俺に当たることは無かった。今度は俺らのターン。


「アルキサ・フォーン」


ユリアの魔法。ユリアの周りにバスケットボール七号程の大きさの土の玉が十個生成される。それらがゴブリンに襲いかかり、


「ドオォォォン!」


・・・爆発した。そのえげつない威力により前線のゴブリンの大半が吹っ飛ぶ。すると後衛のゴブリンがまた何かを取り出した。それは弓だった。よく見ると矢立を背負っている。ゴブリンが弓を引き、俺に狙いを定める。残念なことに今日は風が吹いておらず、矢達が勝手に俺を避けることはなさそうだ。残された道は走って逃げる一択。


三十体以上のゴブリンが一斉に矢を放った。


(さっきあんなにバラバラだったのにいきなり息を合わせるなよ!)


と、心の中で文句を言いながら逃げる。


ボス!バス!というSEを出しながら俺の足元に矢が刺さっていく。もっと力を入れていたら、きっと足にぶっ刺さっていただろう。俺は逃げながら001をゴブリンに向けて撃った。だが、走りながら撃った弾など当たるわけがない。さっさと矢尽きろよ、なんて思い始めたその時、


「クランクス・フォンスター」


ユリアが詠唱し、魔法を発動した。水が生成され、凝縮。凝縮された水の玉に電気が纏い、そこから水がビームのように発射され、後衛のゴブリンを一掃していく。


ユリアがゴブリンを一掃し終わり、俺が突撃する。少々反撃も受けるが、残りの後衛を着々と倒していく。が、何匹か横幅のあるゴブリンを見つけた。


「あれが肥満種か・・・」


殴られたら首が吹っ飛ぶな・・・周りのゴブリンは殆ど倒した。ちまちましたのをユリアが片付けている。


(こいつを試してみるか)


俺は背中から002を取った。うつ伏せになって、スコープを覗き、狙いを定める。息を吸い込んで、


「ドオォォォン!」


撃った。弾は狙い通りの軌道にのってゴブリンの頭を消し飛ばす。流石、20×110の弾丸だ。それから次々とゴブリンの頭を吹っ飛ばしていく。


計十匹の肥満種を倒し終え、周りを見る。周りにはもうゴブリンはいなかった。


第一の村の最後のクエストが終了した。

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「・・・はい?」


現在俺はステータス確認中なのだが、ヤバイスキルを発現させてしまった。


スキル無限収納

『どんな物でも別空間に収納できるスキル。収納したものは自分から半径3メートル以内に出すことができる。収納できる量は熟練度に比例して上がる』

というものだった。


とりあえずこれは助かるが、俺には戦闘系スキルは、発現しないのか?と考えてしまう俺だった。

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「色々お世話になりました。ありがとうございます。すみません。こんなに長い間部屋を占領してしまって」


と言って宿のおばさんにお礼を言う。ここの部屋を物凄い期間占領してしまった。


「大丈夫ですよ」


と、おばさんは言ってくれた。優しい人だ。


「そこのお嬢ちゃん」


ユリアのことだろう。


「ここの人は人ができているからいいけど、他の街はあまり良くない人がいるらしいから、気をつけるんだよ」


「・・・ありがとうございます」


つまりおばさんはこう言いたいのだ。


ナンパに気をつけろ!と。


確かにユリアは可愛い。今まで誰にも変な遊びに誘われなかったのが不思議なくらい。だがそれは、ここの人がいい人だからで、他の村は分からない。まあ、変な遊びに誘われるくらいならユリアだけでなんとかしそうだが。


俺らはもう一度お礼を言って、宿を出た。


「そういえばリュウヤ」


「ん?」


「荷物は?」


ああ、ユリアにはこのスキルは話してなかったな。と思い、このスキルについて話し始めた。


「・・・リュウヤ、便利な人だね」


「ちょっと待て。便利なのは俺じゃない。スキルだ」


あれこれ議論している内にパルの店に着いた。


「パルー。もう出発するぞー」


「了解!」


パルが店の奥で言った。次の瞬間、


「ガチャゴチャギャチャ!」


店が物凄いスピードでコンパクトサイズになった。


「お待たせ」


「ああ。それよりなんでこんなにコンパクトになれるんだこの店?」


俺の疑問を直球で聞いてみる。


「ああ、これは魔法をかけてあるからね。空間が圧縮されているんだ」


「へぇー、パル、魔法使えるんだー!」


素直に驚きだった。


「まあね。他にも色々あるけど、まだ秘密」


「・・・秘密といえば、ユリア」


俺はユリアの方を見る。が、ユリアが目を逸らす。


「お前、他にも俺に隠してる魔法あんだろ。全部教えろ。戦術の足しになるから。いつもいつも俺が凸って逃げるから、最初からお前が魔法ぶっ放せば済む話だ」


「・・・いつかね」


「・・・この女ッ・・・」


「と、とりあえず出発するか?」


喧嘩になりそうなところをパルがなだめながら俺らに聞く。


「分かった。出発しよう。ナビはユリアがやってくれる」


「一応俺も道分かるけどね。魔神軍側に近づくならあっち。逆ならあっち」


・・・俺は足手まといか?

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「・・・次の街までどれくらいかかるんだ?」


俺は歩きながらユリア達に聞いた。


「頑張って二日?」


「まあ、それくらいじゃないかな」


ユリアとパルが教えてくれる。


「まあ、野宿するならリュウヤのスキルが役に立つし、材料なら俺が持ってるから安心していいよ」


「パルは戦えるよな?」


「まあね。俺は色々な街を周ったことがあるからね。ただ、魔神軍の方に近づくのは今回が初めてだな。さっきいた村が俺の限界だったから」


「へえー。そうなのか。俺も旅とかしてみたいなー」


「結構色々な人がいて面白いよ。妖人種とか、獣人種とか・・・」


うん?


「ちょっと待て、今、獣人種って言ったか?」


「言ったけど・・・」


「ケモミミの?うさぎとか、狐とかの?」


「ああ、他にも色々いたよ」


素晴らしい!この世界はケモミミ娘がいる!そしてさっきパルはこうも言っていた。


「妖人種ってのは?」


「耳が尖っていて、魔法の扱いが滅茶苦茶上手い種だよ」


エルフ娘!正にファンタジーの王道!さすが、日本のファンタジーを元にして創っただけのことはある。

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それからも色々話し合っていると、日が暮れてきた。俺たちはここらへんで夕食を作るべく準備をし始めた。


「はい、この中で料理できる人ー」


手を挙げたのは俺とパルだけだった。唯一の女子(三人しかいないが)のユリアは料理が作れないと言っている。理由を聞いてみると、


「私、料理作ったこと無い」


と言っていた。なので担当は、パルが料理、俺がテントの用意、ユリアが周囲警戒、になった。パルから俺の指定した材料を貰い、俺はテントを作り始めた。流石に俺らとユリアが同じテントで寝るわけにはいかない。故に作るテントは二つだ。俺は小さい頃、折りたたみ式のテントでよく遊んでいたので、テントの構造は分かる。サクサクと作業が進み、あっという間に二つのテントを作り終えてしまった俺は、パルの手伝いに入った。パルは料理がかなり上手で、並の女子より料理ができる程だと思う。こちらもすぐに料理ができてしまった。俺はテーブルと椅子を作り、料理を並べた。


「これだけの食材・・・どうやって保存してるんだよ・・・」


「水の魔石があってね、それはもう、滅茶苦茶強力なんだよ。それを保温効果の高い石でできた箱に入れて、冷凍保存してるんだよ」


なるほど。疑似冷蔵庫か。この世界もそんな便利な物があるんだな。なんて思いながら俺は席に着いた。


「いただきまーす」

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「いやー、パルは本当に料理が上手いな。なんでこんなに美味しい料理が作れるんだよ」


「そうでもないよ。リュウヤも上手だったじゃないか」


謙遜しながらも照れるパル。だが、本当にパルの料理は絶品だった。みんな大好きおふくろの味と同じくらい。


「そういえば、全然モンスター来なかったな。夜は滅茶苦茶出るって聞いたのに」


「私が結界張っといた。十時間は保つと思う」


「ユリアさんは結界が張れるのか。凄いな」


「凄いのか?」


と、俺は聞く。パルは、結界が張るのはそこそこの魔力が無いと不可能らしい。しかも十時間も保つ結界など一流の魔法術師でも難しいらしい。そして、俺は考えた。


(そこまで魔力があるんだったらゴブリン城のときユリア飛べたんじゃね?ただ単に面倒くさかったからか?)


実際のところどうなのか分からないが、なんか事情があったのだろうと考えて、思考をパル達の話に戻す。


それから俺達は色々話し合った。結構楽しかった。

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翌朝

俺達はテントを片付けて出発し、モンスターと戦いながらも次の街に到着した。


「思ったよりも早く着いたね」


「そうだな。結構お淑やかな街だ」


俺は街を見渡した。前の村とは違い、静かな感じだ。もちろん悪い意味ではない。建物はシンプルで、人々は皆清楚な雰囲気だ。


「とりあえず、宿を探そうか」


「そうだね。ここも一泊二千カルだといいな」


「じゃあ、俺は用があるからここで」


「分かった。ここまでありがとう。なんかあったらまたそっちの店に寄るよ」


「ああ、じゃ、頑張って」


ということで、この町の宿を探すことにした。俺もこのまちの宿も二千カルだといいな、と思っていた。

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「すみません。ここ、一泊何カルですか?」


俺は宿に着いて、即行で値段を聞いた。傍から見ればただの金に五月蝿い人である。


「え、えっと・・・一泊二千カルです」


宿のお姉さんはドン引きしながら答えた。


「じゃあ、一ヶ月部屋使わせて貰います」


と言って俺らは六万カルずつ支払った。これでとりあえず仮拠点の確保は完了した。


「これからどうする?」


「とりあえずどこに何があるかを把握するために町を散策するのがいいと思うが?」


「了解。じゃあ、また後で」

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「ここは木造建築が多いな。電気も和風な感じだ」


因みに、正確には電気ではない。光の魔石が周りの無属性魔力を吸い取り、余分な魔力を光に変えるのでそれを明かりとして使っているらしい(これはパルに教えてもらった)。


町を散策していると、防具屋と武器屋を見つけた。そういえば俺の剣は一回買っただけで買い替えてはいない。いつか銃を作るときに余った材料で(主にダウスカネル鉱石で)剣を作ろうと思っていたのだが、異常に硬く、重い鉱石を加工する気にはなれなかった。


武器屋に入ると、棚には片刃曲剣の物がズラーッと並んでいた。俺は片刃の剣でもいいが、曲剣というのは、木刀以外に使ったことがないし、直剣と曲剣やはり余った材料で作るしかないのか・・・。


俺は武器屋を出て、防具屋に入った。棚には軽金属装備が多い。俺は武器は作ったことがあるが防具は作ったことが無い。この際武器防具自分で作ってしまうか。と、考えた俺は防具の形をしっかり見て覚えた。

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防具屋を出て一通り町を見学し終わった俺は宿に帰り、夕食を作ることにした。部屋の中には前の村には無かったキッチンがあり、食材を買って、作ることができた。


夕食を食べ終えた俺は剣を作るべくストレージの中から余った材料を出した。鉄を大まかな剣の形させ、とりあえず圧縮した圧縮強化プラスチックで持ち手を作る。そして、ダウスカネル鉱石を頑張って少量分離させ剣の形にした鉄に合成させる。これで十分な強度を誇る剣になる。そして、鍛え上げた器用さで、鋭い刃を作り上げる。最後に持ち手に革を巻けば完成。次は鞘。これは剣に合わせて作る。これも革を巻く。これで剣の作成は完了した。


今度は防具。軽量防具を作るつもりなのでダウスカネルは先程の三分の一をパーツごとに使う。シンプルなチェストプレートと極小の穴が空いた肩当て、同じく穴の空いた腕のプロテクターを作る。これで装備一式を作り終えた。

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翌日

俺等はこの町最初のクエストを受けにクエスト受注所に行った。だが・・・


「なんでパルがいるんだよ!?」


「いいじゃないか。俺もレベル上げないとリュウヤ達についていけないだろ?」


「いや、いいけど・・・ていうかお前まだついてくる気かよ!?」


「そうだよ。これからよろしく!」


・・・こうして正式にパーティーメンバーとしてパルが追加された。

なんか変な小説になってしまった・・・

しかもタグにハーレムとあるのに先に男性がパーティーに入ってしまった・・・どうしよう・・・


次回新しいヒロイン投入予定です。入るかもしれないし、入らないかもしれない・・・



7/8

すみません!パルが誰だか分からない小説になってしまった!編集はしましたが、読みにくい小説になってしまって本当にすみません!パルは素材屋の店長です。

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