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人違い勇者でも世界を救えるっ!!  作者: リア(Lea)
第一章
4/13

vs骨熊

朝、まずベッドから降り洗面台で顔を洗う。次に歯を磨く。最後に寝癖を直せば準備万端。今日やることは二つ。武器防具を買う。服を買う。まあ最悪武器と服だけでなんとかなる。防具は後回しでもいいからな。というわけで隣の軽食屋でパンを買ったらレッツゴー!

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まず武器屋。武器には二万七千カルほどの予算がある。できれば少し重めで鋭い剣がいい。前のゴブリンのように壊されちゃだめだからな。


初心者コーナを色々物色していると筋力値85超えの方におすすめの剣が売っていた。許可を取って持たせてもらうとそこそこ重めで良さそうな剣だ。流石に斬れ味は使ってみないとわからないがとりあえずこれを買うことにした。


お値段二万二千カル。まあ初心者用ならそんなものだ。あとは鞘やポーチ、ベルト等で四千八百二十カル。予算ギリギリでなんとかなった。


次は服屋。この世界にファスナーが無いのは残念だ。いま着ているジャージは大切にしなければ。できるだけ耐久力のある服にしようと思い選んだのが、黒い長袖シャツに黒い長ズボン。シャツは伸縮性に優れていて長ズボンは少し硬めの生地でできていた。


これで千八百カル。残金九百八十カル。とりあえず宿に戻り、さっき買った服に着替える。そういえばこの宿、一泊二千カルってちょっと安すぎやしないか?後で理由を聞いてみよう。この服はかなり動きやすい。あとはポーチやベルトを付け、そこに剣やナイフをセットする。よし、準備万端。多分今は昼ちょい前くらいだろう。急いでクエスト受注場へ向かう。

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さて、クエストは何にしようか?大量発生クエか一匹だけだが凶暴なやつ。というかまじまじと見るとクエストだけ貼られてるわけじゃないのか。店の宣伝やパーティー募集・・・パーティーかー。俺はあまりパーティーを組んだことが無いからほとんどのゲームをソロでやってきたからなー。悲しいぜまったく。


まあそんなことよりクエスト選びだが、今はベアースケルトン討伐とキラーマウス討伐で迷っている。ベアースケルトンの討伐成功報酬四万万六千カル、キラーマウスは三万千カルだがどちらも苦労しそうだ。なんせどちらも聞いたことの無いモンスターだからだ。


だが、とりあえず俺は大型モンスターのベアースケルトンの方をやってみることにした。いくら大型といえど、相手はスケルトン、頭が弱点のはずだ。足から骨を取っていき、頭をぶっ叩く。それでなんとかなる。


「成功報酬も多いしな」

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クエスト指定場所到着。だが、


「でかくね?そんなでかいの?」


と俺に言わせるほどの大きさを誇っていた。推定3メートル。俺の身長が177メートルなので約1.7倍くらいはある。骨は太く、目は赤く光っている。見た目は熊のような姿で、まさに名前の通りだった。


その場を圧倒するオーラを出していて、少し、いやかなり怖い。だが、いつまでも隠れているわけにはいかない。俺は走って裏をとり、右足を弾く。骨熊のバランスが崩れた。そのまま左腕も弾く。その勢いで骨熊の後ろから飛びかかり、ナイフで左目を刺す。骨熊はもだえ苦しみ、その場に倒れた。


「・・・死んだか?」


息を切らしながら覗き込む。念の為、右目も刺しとくか。とナイフを右目に突き刺そうとした瞬間、


「バシッ!」


左腕を弾かれた。かなり痛く、ナイフが後方へ飛ぶがそんなことは気にしていられない。右手で剣を抜き、相手の動きを予測しながらアクセルシュートを放つ。ゲームとは違い、エフェクトもスピードも無いが剣は見事に右目に突き刺さり、目が破裂し、倒れた。剣でつついても骨熊はピクリとも動かない。


「ふぅ・・・なんかめっちゃ疲れた。とりあえず骨熊も倒したしナイフを回収して報酬をいただくか。」


そうして俺が帰ろうとした瞬間、


「ガシ!」


と俺の右足を何かが掴んだ。見てみるとさっきの骨熊の手だった。しゃがみ、力尽くで手を離そうとしても離れない。必死の抵抗でも離さなせないとはとんでもない握力だ。まあ熊だから当たり前だが。俺は持っていた剣で手の指の関節を無理やり離す。するとすぐに手は離された。だが手は骨熊のところへ戻っていき、復活してしまった。


「マジかよ!?こいつどうやって倒すんだよ!?」


なんか絶対に倒れない気がしてきた。


だがここで倒さなければ俺はこれからも強くなれない。まずこいつの討伐は初心者向けクエストだったのだ。これくらいの相手を簡単に屠れなくてどうやって世界を救うんだよ。


俺は思いっきりダッシュして骨熊の骨熊の左目を刺そうとした。よく見れば左目の傷は浅く、破裂もしていない。俺は左目にアクセルシュートを放つ。骨熊が暴れるが俺に攻撃は一度も当たらず懐に潜り込めた。多分目を潰されて遠近感が狂ったのだろう。俺は左目を容赦なく貫いた。骨熊は後ろに倒れ込み動かなかった。


「・・・流石に終わったよな?これでまた復活なんてされたら俺はお前の討伐を諦めるぞ」


だがいつまで経っても骨熊が起き上がることは無かった。俺は安堵の息を漏らしナイフを回収しに行った。意外とすぐにナイフが見つかった。俺はさっさとベッドに横になるべくクエスト受注場に帰還する。

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いつものようにクエスト達成報告をする。だが、


「申し訳ありません!」


といきなり謝られた。なぜ謝られたのか理由を聞くと、実は俺が勧めていたクエストの難易度は初級ではなく中級だったのだ。ここの新人さんが間違えて初級に貼ってしまったのだ。だから成功報酬がバカ高いはずだ。


そして、お詫びにクエスト達成報酬とは別に六万カルを差し上げますと言われたが俺は別に大した怪我はしていないしこうして無事に帰ってきたからいいじゃないか、ということでそれを断った。そのときに散々その新人さんと受付娘の人に申し訳ありませんとありがとうございますをリピートされた。


俺は宿に帰ると象徴石を見た。経験値はEXP:2/9750となっていたポイントは筋力に3、器用さに2にした。というか骨熊一頭狩ると経験値4000貰えるのか。今度見つけたらどんどん狩るか。それともう一つ思ったことが、


「仲間がほしい・・・」


ということだ。今度募集してみるか。

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