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【 心音 】




「お嬢様、処分は如何に」



メイド服に身を包んだ少女が、無機質で感情の見えない表情でそう言った。

返り血を抱くように座り込んでいた吸血鬼は、この館のメイド長である彼女【十六夜咲夜】に指示する。



「ゴミ捨て場にでも捨て置きなさい」


「良いので?」


「...ええ」



その言葉に従い一つ頷くと、咲夜は横たわる男を肩に抱える。

吸血鬼の言うゴミ捨て場とは、この館の地下へと続く廃棄穴の事である。

そこには沢山の人間の死体が落とされており、別名『食料保管所』と呼ばれている場所だった。

咲夜は、躊躇いもなく、抱えていた男をその穴へと投げ落とす。

彼女が捨てろと言ったのだ。

だから、とりあえず捨てる。

捨てたのだが___



「さて、フラン様のところにお菓子でも持っていきますか」



思わず口角が上がる。

確かに、微かに聞こえた心音に、咲夜は笑わずにはいられなかった。

アレを喰らっといて生きているのだ。

どんな奇跡を起こしたのやら、と興味津々な表情で暗い廃棄穴を見つめる。



「急ぎますかね」


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