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Factor  作者: へるぷみ~
青年はその因縁を睨みつける
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【中央】攻略四階 9


 「始めに断っておくが、俺たちは別段この階層で与えられている権利は多くない。せいぜいが実験部屋へと入れるぐらいで、この階層の管理室には入れない」

 「別に構わないわ。私としてはここの部屋に入れる人なら」

 「けどよハク、二人いっぺんに面倒を見なきゃならんのは厄介だぜ」

 「一応どちらも協力的なんだから、無茶なことをするのは避けたいのよ。それに、片方を気絶させてもすぐに目を覚ましてしまうかもしれないでしょ。そうしたら私たちのことがばれるわ」


 実際のところ片方を縛って声を出せないようにしてしまえばいいのだけれど、下手にそういったことをしてもう一人があまり協力的になれなくなってしまったら困るのはこちらだ。だったらできる限り不安を与えないようにしてあげるべきであり、この場合なら二人とも連れていってしまえば見張るのに多少気をとられてでも構わないと判断した。


 そうして協力者を得たところでひとまず部屋を出る。廊下には誰かしらの影はなく、速やかに移動する。さっき白衣の男の一人が扉をノックして気づいた辺り防音設備は扉に直接関与しなければ早々聞こえるものではないようだった。


 部屋にはいる。

 中には瓶詰めにされた様々な生物のようなもの。

 中には人が一人はいるのに十分な大きさのあるカプセルもあった。


 「ここは観察室兼保管庫だ。現在は【因子保持者(ファクター)】が入っていない」

 「つまり前までは入ってたってこと?」

 「そうだ」


 中を少し見たけれど、正直部屋の中をみていい気分に成はずもなく、早々に後にした。


 次に入ったのは実験室のようだ。様々な機械や道具が棚に納められており、必要とあればそれらを持ち出しているらしい。

  ここは先程の部屋に比べて清潔感が得られるけれど、やっていることを考えればあまりいい気分にはならなかった。

 ちなみにここにある機械は使えるのか訪ねたところ、基本的な操作までは可能だが、マニュアルに逸脱した行為は難しいとのことだったのでクロについて調べたりするのは断念した。


 そうこうしていれば途中他の研究者に出会うことも考えたけど、出会ってしまった相手は基本的には気絶させて身動きが出来ないように縛った。


 「この人なら管理室にはいるまでの権限を持っている」


 途中縛り上げた人の個人証を見ていると、そう言われたので回収する。しかしこれでは部屋にはいるのは無理なのではないかと問うと、


 「そこら辺はどうにでもなる」


 とのことで、私たちは多少警戒しながらも管理室へとむかうことにした。

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