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Factor  作者: へるぷみ~
青年はその因縁を睨みつける
105/187

【中央】攻略一階


 「おらぁ!」

 「ちょっと、大きな声で扉壊さないで!?」

 「気合が必要だろうが」

 「それはまぁ理解できるから。ひとまずは周囲の状況をチェックするわよ」


 クロが扉を蹴破り、私たちは建物内へと入る。

 場所は建物内では裏手のようなもので、ここらへんは倉庫なんかが多い。

 上層へ向かうには階段かエレベーターと呼ばれる自動で運んでくれる部屋があるのだが、後者に関しては侵入者が現れた時点でまともに使えると思わないほうがいいだろう。もし入ってしまえば文字通り袋のネズミである。

 ひとまずは扉を開けた瞬間敵に見つかるということは無い。桐峰が建物の破壊をしていくというのを彼らは今まで壊された研究所の惨状を知っているため別々に守るよりは一気に戦力を送り込んでしまうほうがいいと考えるはずであり、このように壊されれば困るデータも重要人物もいないこの場所は警備が手薄になっていた。


 「ここの廊下を道なりにいって、突き当たりにT字路があるからそこを左。そしたら一階のメインともなる広間にでるわ。さすがにそこに人がいないとは思えないし、実質そこからは混戦状態になるわ。ここは監視カメラはないみたいだし、私たちが入り込んでることを知っているのはそこでノびてる人だけね。用意とか色々済ませたいならここが多分最後よ」

 「とりあえず起きる頃にはオレらも見つかってるだろうけど念のために身ぐるみ剥いで手足縛っとくか」

 「そうね。万が一があっても困るからお願い。あ、私は銃を借りときましょう」

 「二人ともなかなか酷いね……」

 「しょうがないじゃない。最低限の武器は持ってきたけれど、使えるものは使うに越したことはないもの。それに、その人を縛っておくのはある意味この建物が崩れでもして瓦礫の下敷きにならない限りは死なないということにもなるわ」

 「よし、連絡用の奴は壊すと気づかれる恐れがあるし、壊さなかった。どうやらこれ防具服を兼ねてるみたいだし、下手に脱がすと死ぬけどどうする?」

 「それはさすがに止めましょう。後ろ手にして縛るのと足を折りたたませて縛ることにしておいて。となると口は塞ぐ必要があるわね」

 「なら包帯で息が出来る最低限で口に巻いとくか」

 「うん。全部完了したら食料庫に入れておいてあげましょう。リョーは、なにかしときたいことは?」

 「う~ん、まぁ大丈夫かな」

 「わかった」


 クロが縛った人を運んでいる間に、私は背負っていた食料の入っている背嚢から必要最低限の保存食と飲み物を残してそれ以外は捨てる。ここからは敵地であり、重い荷物を持ち歩くのは死に繋がる。

 男から拝借した銃を検めてみれば【対因子部隊】が使用していた銃と変わらないもの。いわゆるアサルトライフル。使い方も特に癖があるようなものでもない。


 「終わったぜ」

 「よし、じゃあ休憩終わり」


 行くわよ、と二人に言って廊下を駆ける。一本道は迅速に進む。一応所々では曲がる必要があるからその際には拾っておいた小石を投げて反応を確かめてから曲がる。もちろんこのときに撃たれればひとたまりもないのでクロが戦闘に、その背後にぴったりと私とリョーは重なって走っていた。


 「曲がるぞ!」

 「左よ!」

 「わかってる」

 「リョー、もし右から来たらお願いね」

 「はいは~い」


 小石を投擲。T字路の壁にぶつかり、落ちる。反応は無い。


 そのまま立ち止まらずに曲がる。

 その際にちらりと右を見れば人はいない。後ろで操った水を展開させていたリョーは何事もないと私同様の判断をして膜にして広げていた水を槍の形状に戻した。


 「広間にでる!」

 「気をつけてね、出し惜しみは命取りよ」

 「んなことぐらいはわかってらぁ!」


 廊下を抜けて、広間に出た。


 「侵入者ー!!!」

 「【リュウ】以外の奴らだ!!」

 「【因子保持者ファクター】である可能性がある、総員構えー!」


 そこには、10人の【対因子部隊】。一人が気づき、一斉に私たちへと銃口が向けられる。


 「案の定見つかったわね……増援呼ばれるよりも早く終わらせるわよ!」



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