第7話 町の外でモンスター戦闘
PVP無双
アイテムで装備整えてさぁ村の外で冒険だ! ←今ここ
宿屋で装備を整え、サキトは新しくタクから貰った装備で身を固め町の外へと出る。
今の装備はこんな感じだ。
―――――――――ステータス―――――――――
名前:サキト 性別:男
種族:魂人種 Lv:8 スキルポイント:25
HP(体力):26 MP(魔力):32
STR(力):10(+29)
MND(精神力):20(+0)
DEF(防御力):8(+14)
AGL(敏捷):9(+7)
HIT(集中力):9(+3)
LUK(運):10(+2)
スキル
『スキル補正EX』『鑑定』『クイック』『投擲』
『剛腕』『ダッシュ』『スナッチ』『空き』『空き』
所持金¥19800
装備
頭:黒銀の鉢金
胴:白兎の皮鎧
腕:白兎の皮篭手
腰:白蛇の皮帯
足:白魚の鱗靴
武器
右手:太刀魚のレイピア
サブ1:黒金の大剣
サブ2:紅竹槍
左手:黒金のククリ刀
サブ1:紅竹弓
サブ2:鎖鎌
装飾品
首:狼牙のペンダント
マント:白兎のケープ
指:鷹の眼の指輪
指:大鷲の指輪
―――――――――――――――――――――――
『黒銀の鉢金』
装備条件:STR5
防御力:+5
黒銀で作られた鉢金。黒銀は銀の含まれている割合が低くクロムの割合が高いため黒く見える。初級鍛冶の練習用として多く作られているが比較的軽く硬いため、駈け出し冒険者にはちょうどいい防具となっている。なにあれ頭部を守るのは大事なことだ。
『白兎の皮鎧』
装備条件:STR5
防御力:+3 AGL:+2
草原に多く生息する白兎から造られた皮鎧。防御力はさほどないが、使われた素材ゆえかAGLが上昇する。全て揃えれば君も兎のように早く動けるであろう。
『白兎の皮篭手』
装備条件:STR5
防御力:+3 AGL:+2
草原に多く生息する白兎から造られた皮篭手。防御力はさほどないが、造られた素材ゆえかAGLが上昇する。全て揃えれば君も兎のように早く動けるであろう。
『白蛇の皮帯』
装備条件:LUK5
防御力:+1 LUK:+2
滅多に見ない純白の蛇の皮を素材にした貴重な皮帯。所有者に幸運をもたらすと言われ、その皮の使い道は多岐にわたる。その中でもこれは一匹全てを帯にした贅沢な逸品。身に付ける事で装備者に幸運をもたらす。
『白魚の鱗靴』
装備条件:AGL4
防御力:+2
川辺に生息する白い魚の鱗を加工して作られた靴。鱗を新鮮なうちに処理されているため水辺では水をはじく防水加工になっている。釣り好きな者に重宝がられる逸品。しかしあくまで魚鱗なため防御力はあまりない。
『太刀魚のレイピア』
装備条件:STR8
攻撃力:+14 属性付与:水+3
刃物のように鋭い身を持つ魚を武器へ加工したもの。その身を特殊な技法によって武器へと変える術は複合技術の結晶である。食用としても使える魚だがこの世界では食べる者はいない。反り返った魚は刀に、針のように細い魚はレイピアにと、その身の大きさで加工先が変化する。
『黒金の大剣』
装備条件:STR10
攻撃力:+20 AGL-5
黒金で作られた大剣。黒金は金の含まれている割合が低くクロムの割合が高いため黒く見える。初級鍛冶の練習用として多く作られているが駈け出し冒険者にはちょうどいい武器となっている。黒銀と違い比重が重くSTRの要求値が高いが、その重みを利用した立ちまわりも期待できる。しかしその重みのため装備中は動きが遅くなる。
『紅竹槍』
装備条件:STR5
攻撃力:+12
紅の竹から作られた槍。武器の中では珍しく鍛冶ではなく木工により作成された武器。比重が軽く取り回しやすいが元は木な為金属との相性は悪い。竹が紅くなる原因はわかっていないが一節だと血を吸った竹が紅く染まりその鉄分で硬くしなやかな竹に育つという。
『黒金のククリ刀』
装備条件:STR10
攻撃力:+12
黒金で作られたククリ刀。黒金は金の含まれている割合が低くクロムの割合が高いため黒く見える。初級鍛冶の練習用として多く作られているが駈け出し冒険者にはちょうどいい武器となっている。黒銀と違い比重が重くSTRの要求値が高いが、その重みを利用した立ちまわりも期待できる。
『紅竹弓』
装備条件:STR6 HIT6
攻撃力:+10
紅の竹から作られた弓。木工で削り取られた竹を用いて細工師が加工した武器。比重が軽く取り回しやすいが元は木な為金属との相性は悪い。竹が紅くなる原因はわかっていないが一節だと血を吸った竹が紅く染まりその鉄分で硬くしなやかな竹に育つという。
『鎖鎌』
装備条件:STR7 HIT6 AGL5
攻撃力:+12
農作業用の鎌の柄に鎖分銅が取り付けられている。鎖は長く普段はポーチに収納されていて必要に応じて伸ばして使用することができる。特殊な形状の装備品の為癖が強く扱いにくい。
『狼牙のペンダント』
装備条件:AGL6
AGL:+3
草原を駆ける狼、その主を倒した証として手に入る牙を加工したもの。その速さと牙で幾多の敵を屠ってきた強者の牙を加工して作られたペンダントは、装備者に風の恩恵を与える。
『白兎のケープ』
装備条件:STR2 AGL5
防御力+2 AGL+4
草原に多く生息する白兎の毛皮であつらえられたケープ。防御力はほぼないが暖かく、また装備者のAGLを上げてくれる。その見た目から女性冒険者が愛用する装備。見た目通りあったかフワフワで女性に大人気!
『鷹の眼の指輪』
装備条件:HIT6
HIT:+3
鷹の眼を模した指輪。実際には鷹の骨を削りだしたものだが、装備すれば鷹の眼のように遠くのモノを見る事ができるという。
『大鷲の指輪』
装備条件:STR7
STR+3
大鷲が象られた指輪。実際には大鷲の足を土台に指輪の形に加工したものだが、その掴む強さは尋常ではなく、装備者に強靭な力を授けてくれるだろう。
ぱっと見た限りでは全身白い装備に身を固めているがその性能は最初の町で手に入る装備よりも大分上のランクの装備を身に纏っている。
ホントはもっと強い装備もあったのだが、今のステータスで装備できる物はこれだけであった。
本来ならばレベルがもっと低いはずだったので、これよりも低ランクの装備を使用している予定だったのだから文句もでない。
ゲームらしく転移結晶という町の外へ出る為の移動手段の宝石に触れて町の外へと転移する。
一瞬の浮遊感を感じた後、景色が草原へと切り替わる。
見れば門の前には同じ転移結晶が置いてあり、町へと入る時に使用するそうだ。
もっともモンスターに襲われて戦闘中だったりすると倒すか敵対行動が解けるまでは町へは転移できない設定らしい。
命拾いとかいうやさしい設定はないんだな。
「生きるか死ぬかの世界で町に入れば助かるなんてことを運営が許すわけないか」
改めて草原に視線を向ける。
遠くには右手に山、左手に森が見える。
距離的には森が近い様で、遠目に見ても森の手前で戦闘を行っているパーティが何組か見受けられた。
「さて、とりあえず森へ進んでみて襲ってくるものは拒まない形でいくか」
手始めに右手に太刀魚のレイピア、左手に黒金のククリ刀を装備して歩きだす。
街中を除いてオープンワールドを謳っているだけあって相も変わらず圧巻されるほどの造り込みだ。
普段なら気にならない服の擦れる音や遠くから聞こえてくる冒険者達の喧騒や戦闘音。そして風に乗ってやってくる草木の匂いに獣臭。
……獣臭?
意識を切り替えて素早く風上へと身体を向けると目の前には灰色の犬が牙をむき出しで飛びかかろうとしていた。
恐らくは犬ではなく狼なのであろうそいつは、獣臭がしなければ間違いなく奇襲を仕掛けられて一撃は貰っていただろう。
首筋に噛まれた日には俺の設定なら一撃死もあり得る。
狼の初撃をなんとか回避し、睨みつけるように狼と相対する。
レイピアを前に突き出すように半身に構え、敵からの攻撃に備えるべくククリ刀は逆手に持ちかえる。
最初の町に出るモンスターなら恐らく死ぬことは無いだろうが、初めてのモンスター戦だ。自分のスタイルが通用するのか確かめてみるのも面白い。
こちらの考えなどお構いなしに飛びかかる狼。その動きに計画性や知性の片鱗は見受けられない。
「しっ!」
タイミングを合わせて突き込むレイピアは、その刀身を狼に届かせるが、わずかに浅く後ろ足を傷つけるに終わる。
痛みで体制が崩れた狼に対して再度レイピアを突き出してその刀身を狼へと突きいれた。
「キャイィン!」
高い狼の悲鳴は腹部を貫かれた痛みによるものだ。
我武者羅に暴れだす狼に止めを刺すべくレイピアを地面に刺して縫いつけるように体重をかける。
刀身が折れない程度に固定されたレイピアに串刺しにされた狼は次第に動きが弱くなり、わずかに痙攣するだけになった。
「死んだか?」
経験値がいくら手に入ったなどと言う表示がないのでレベルアップがないと本当に倒せたのか心配になるな。
「とりあえずアイテムドロップの設定がないから血抜きだけでも済ませておくか?」
田舎暮らしの祖父に何度か猪の解体を見せてもらった事があるのでグロ設定にも耐性はある。
今回は猪よりも小さい狼だから割かし楽だろう。
サキトは持っていたククリ刀で首筋を斬り裂き後ろ足を持って逆さ釣りにする。
リアル指向のゲームらしくわずかに動いている心臓がポンプの役割を果たしているのか血がある程度の勢いで流れ出てくる。
都合よく近場に木があるのでそこらへんに生えていた蔦で逆さ釣りのまま狼を木にぶら下げて放置する。
適当なタイミングで血抜きが終わったら専用のボックスとやらに格納すればいいだろう。
それに手を空けておかないとこの狼の血の匂いに誘われた他のモンスターに襲われてしまうからな。
特に今目の前にいる人型のモンスターなどはここがゲームなんだと納得させられるフォルムをしている。
鑑定で見てみれば
―――――――――
ゴブリン♂
レベル:3
武器:こん棒
防具:腰蓑
どこにでもいる下級モンスター。
鬼族と呼ばれるモンスターの中でも最下位に位置する。
モンスターは成長するにつれ進化していくのでこのモンスターもいずれは……
―――――――――
へぇゴブリンってやっぱり緑なんだな。
身長は俺の腰よりも低く、とりあえず貧相な見た目だ。
それが見た限りで3体。茂みが揺れていたので他にもいるのかもしれない。
それにしても最初の狼の時も鑑定使用していればよかったな。
思えば街中でも受付嬢に試してみたのだからすぐに思い浮かぶはずなのに失念していた。
3体ともレベルは同じで背格好に装備も同じであった。
ゴブリンは俺が吊るしている狼の肉が目当ての様で、立ちふさがる俺を厄介そうに睨みつけている。
俺は狼相手にレイピアとククリ刀は試したので、今度は別の武器にしようと紅竹槍と鎖鎌を用意し、鎖鎌を腰へと戻す。
こいつら相手なら間合いの長い槍で充分だろうと判断したのだ。
突然槍を取り出した俺をみて警戒を強めるゴブリンだが、漫画で見るように知性は低いらしく、こん棒を振り回しながら3体まとめて突撃してくる。
それを迎撃するのは俺の持つ紅竹槍。
ではなく横合いから飛び出してきた大型の白銀の毛皮を持つ狼であった。
いきなり茂みが揺れたかと思うと、俺に接近していたゴブリンの一体に奇襲を仕掛け首元に食らいつく。
そしてそのままその一体を咥えたまま茂みの中へと消えていった。
俺もいきなり味方が一人減ったゴブリンも唖然とその後を眼で追ってしまうのであった。
もちろんゴブリンよりも先に正気に戻ったので未だに背後を見ていたゴブリン達は一輪刺しにしましたよ?
それにしても人様の獲物を横取りするなんてなんて日だ!
年末最後の更新です。
不定期更新な割にたくさんのブックマークが頂けていたので驚いています。
もう一つの作品も本日更新していますのでそちらも良かったら見てくださると幸いです。
今年はどうもありがとうございました。
来年もどうかよろしくお願いします。