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第5話 初戦闘はPKでした・・・

女神様は博打狂いでした。

そしてやむなく選んだ職業はある意味レアな『無職』

職業なのに無職とはこれいかに? 


2017/04/22 誤字修正 周囲の人たちの非難をお願い。→周囲の人たちの避難をお願い。

ご指摘ありがとうございます。


 女神がいなくなった懺悔室に一人、サキトは大きく息をつく。


 何はともあれ無事?に職業には就けたらしい。その証拠にクエスト完了とレベルアップ、そして新規アイテム入手の表示があった。

 

 どうやら職業に就くとその職業に適した初期装備が貰えるみたいだ。


 早速手に入ったアイテムを確認すると手持ちのアイテム欄の半分ほどにアイテムが格納されていた。


「あれ?」


眼の錯覚と思い、もう一度アイテムウインドウを表示させるが、そこには間違いなくアイテムが、それも恐らく最初の職業でもらえるであろうアイテムが格納されていた。


「なんじゃこら!?」


 武器と盾で20種類、全て初期に貰える装備の様で、恐らく初期で武器スキルがあれば貰える装備よりは弱い武器であろう。


 残りは生産と商業系の職業が初期に貰えるアイテムのようだ。


 最初のアイテムの所持限界が50枠しかないのにすでに半分がアイテムで埋まっていた。


 要約するとこんな感じだ。


『初期武器シリーズ×20枠』

(全ての武器の頭に駆けだし冒険者と名が付いている)

内訳としてククリ刀×2(同一武器は1枠で数えられるみたいだ)、ショートソード×1、ロングソード×1、クレイモア×1、ファルシオン×1、レイピア×1、鈍ら刀×1、ハンドアクス×1、メイス×1、つるはし×1、短槍×1、長槍×1、鞭×1、セスタス×1、弓(和弓)×1、クロスボウ×1、杖×1、バックラー×1、カイトシールド×1、大盾×1、


『生産、商人系アイテム5枠』

(全てのアイテムの頭に駆けだしと名が付いている)

生産者の心得初級編(本)×1、商人の心得初級編×1、調理キット×1、携帯炉×1、販売マット×1


 うむ。そうそうたる初心者シリーズだな!


剥ぎ取り用の初心者ナイフしか持ってなかった俺にとってはありがたいものだが、なぜこれだけのアイテムが一気に貰えたのか?職業の説明だけ見ればたしかに職業による装備制限は無いみたいだが、もしかしたらそれが原因なのだろうか?


「まぁいらないモノはどこかに預けられる場所があるだろうしそこに預ければいいか」


ステータス画面を確認し今回はHITとSTRに自動的に割り振られていたのでAGLに手動で割り振った


―――――――――ステータス―――――――――

名前:サキト 性別:男 職業:無職

種族:魂人種 Lv:4 スキルポイント:10→15

HP(体力):18→20 MP(魔力):23→26

STR(力):6→7(+2)

MND(精神力):16(+0)

DEF(防御力):6(+2)

AGL(敏捷):7→8(+0)

HIT(集中力):6→7(+0)

LUK(運):10(+0)

スキル

『スキル補正EX』『鑑定』『空き』『空き』

『空き』『空き』『空き』『空き』『空き』

所持金¥6000

―――――――――――――――――――――――


 所持金は増えなかったが、その代わりに大量のアイテムが手に入った。


 経緯はあれだが、貰えたものはありがたく頂くとして、懺悔室から出ていく。


 ステータスに無職と書かれているのが気になるが無視する事にする。考えればそれだけ虚しくなるだけだ。


 この無職という職業がゲーム内から消滅したのはそれからすぐの事であった。





「おっさん。職業決めてきたぞ!」


場所は戻り噴水広場、露店で未だに串焼きを売っていたクラン名:剛腕キングのおっさんに手を振りながら近寄っていく。


「おう戻ってきたか!それで職業は何に決めたんだ?」


 串をタレに付けながら流れ作業を行っているキングスに胸を張って堂々と『無職』宣言を行う。


 さすがに予想外の答えだったのか、タレの入っている壺に焼き鳥を串ごと落としてしまう。


「わるいなサキト。もう一度言ってみてくれ。耳がバカになったのかもしれんからな」


「だから無職だって。アリアンベルって女神に決めてもらった。というよりも選択肢の中にあった職で俺に向いているのそれしかなかったし」


 キングスに職業を決めるまでの経緯とそれによって手に入ったアイテムの情報を伝える。


 案の定無職を選んでいるプレイヤーはいないようで、今までその職に就いているのを見た事は無いという。


「推測だが女神に職を選んでもらうという条件のみ出現する職業なのかもしれんな。能力的に見れば器用貧乏だがお前さんの種族的に見ればそれがいいのかもしれんな」


 俺が色々とやってみたいという考えにも賛同してくれているのでゲームを始めて早々良いプレイヤーに巡り合えたようだ。


「使用武器に制限がないのはありがたいことだな。STRに左右されるがこのゲームは基本的に職業によって装備できる武具に制限がある。クイックという武器を瞬時に切り替える事ができるスキルはあるが、基本的に自分の慣れた武器で戦う事が多いから敵から武器を取られた場合の非常手段が主だな」


 武器を取り上げる敵もいるのか。初めて知ったな。


「スナッチというカメレオン型のモンスターだ。割と先の方のエリアにしかいない敵だから初見で遭遇するとまず動揺する。なんせ武器スロットから武器が外された状態になるからな。またメニューから武器をセットしなければならん。その隙を突いて倒されるプレイヤーが多い事から初見殺しの異名がある敵だ。だからそのエリアに行くまでにクイックのスキルを覚えるプレイヤーが多いんだよ。ちなみにスナッチは同名のスキルも存在するぞ」


 クイックというスキルを覚えると最大3つまでの武器を専用のスロットに格納し、必要に応じて切り替える事ができるというものだった。


 キングスもそのスキルを覚えていたのでどこで覚えたか聞いてみると


「店売りのスキルブックで覚えられる。確か千円しないはずだな」


 武器の制限がない俺にとってはこのスキルがあれば戦略的な幅が大きく変わる。それにスロットには武器以外も入れられるらしい(キングスは料理の為に包丁、串、箸をセットしているそうだ。武器はどこいった?)


 噴水広場から少し離れた場所にあった本屋のマークの店へ行って早速スキルを探す。


「いろんなスキルがあるんだな」


 店売り品なだけあって手に入るスキルは初心者でも使いやすいスキルが多いが、値段の高いスキルには有用なものが多いみたいだ。


しばらく店を見てクイックを発見し、いくつかの気になるスキルと合わせて購入。


 スキルブックの使用は、スキルブックを実際に読むか、メニューのアイテムウインドウ(このゲームではインベントリと言うそうだ)から使用するを選択すればいいらしい。取得にはスキルポイントが必要で取得に必要なスキルポイントがないとスキルブックは使用できないらしい。


 ちなみに読んでも日本語でスキルの説明文が書いてあるだけとのこと


 そうして俺にとっては3つ目のスキルが手に入った。


『クイック』必要スキルポイント:1

 両手に予備として武器(他アイテムでも可)をセットする事ができる。スキル使用の際はスキル名を口にするか、手にしたいモノをイメージすればいい。しかしスロットに装備していないモノは装備する事ができない。


早速試してみると、右手にセットしていた初心者用ナイフの横に新たに2つのスロットが用意され、それに装備をセットできるようだ。


 左手にも同様にスロットが3つあり、それぞれに武器が装備できるようだ。


 それぞれに適当に初心者装備をセットしてクイックのスキルを発動する。


 発動は声に出して認識させても良いし意識すれば発動するという。


「クイック」


 軽く声に出してみれば手に持っていた初心者用ナイフが消えて手にズシリとした重さの槍に切り替わる。


「へぇ。このスキルのクールタイムとかは?」


「基本的にこのスキルに関してのみ存在しない。若干温めな設定だが慣れれば攻守全てにおいて活躍できるスキルだろうよ」


 キングスの言葉にサキトは面白がって色々と切り替えていたのをやめて疑問をぶつけた。


「割と便利なのに覚える人があまりいないのはさっき言っていた職業による装備制限のせいか?」


「まぁそうだな。釣り師が職業ならその場に合わせた竿をセットしているだろうし、俺みたいな料理人は調理道具、大工や商人なら金づちや笑える装備としてはそろばんなんぞが上げられるな。もちろん戦闘もあるから武器も持つ。だがな。基本的に大工はともかく商人なんぞが複数の武器を使い分けるわけがない。それにこのゲームのモットーは第2の人生だ。各々が自由にゲームを楽しむ。それが最優先だからな。別に覚えていなくても困らないならだれも気にしないし気にさせない。これは暗黙の了解みたいなもんだ。」


 なるほどと武器を初心者用ナイフに切り替えて腰の鞘に納める。


 武器の鞘や掛け具もスキルと共に変化するため若干の違和感があるがそのうち慣れるだろう。


『戦闘スキルを覚えよう』のクエストが完了し、再び経験値が手に入った。残念ながらレベルアップはしなかった。


「そうだ。近く俺の知り合いが来るから紹介するよ。俺よりも先にゲーム始めてて、知る限りガチの戦闘タイプのはずだ」


「めずらしい。このゲームで攻略組なんてもはや戦闘狂の分類なんだがな。まぁリアルダイブシステムが実装されて冒険するなと言う方が無理か」


 なんでも実際に刃で斬られれば人によって血は出るし、痛覚設定を低くしていれば痛みを感じる。


 リアル思考のプレイヤーは軒並み現実と同じようにしてプレイするらしいが、その中でも攻略組と呼ばれるプレイヤー陣は日夜戦闘をこなしてレベル上げにいそしんでいるそうだ。


「まぁゲームだからレベルを上げるのは勝手なんだが、中にはそのプレイを強要する輩もいてな。人のプレイスタイルに口出しするなと注意するんだが、一向にそういったトラブルが後を絶たないのが現状だ」


 ため息をつくキングスだがその意見には賛成だ。この世界の前提となる第2の人生を他人に強要されるのは現実世界と何が違うと言うのか。


 そんな二人の耳に噴水広場から女性の悲鳴が響き渡る。


「ん?」


「おいおい、言ってるそばから!」


 振りむき声の出所を探すサキトに、その場を見つけて嘆息するキングス。


 視界には8人の男性プレイヤーが2人の女性に対し絡んでいるところだった。


「やめてよ! あんた達とは組まないって言ってるでしょ!その手を放して!」


「だから、このまま手を繋いで仲良く俺達とパーティ組んで楽しもうぜ! そのままリアルでも連絡とって仲良くたのしくしようぜ!」


「「「「ハハハハハハ!」」」」


 女性プレイヤー二人を取り囲む形で勧誘している男性プレイヤー達。


 周囲のプレイヤー達もそれを遠巻きに見ているだけで助けを求める視線に対し視線を逸らす形で答えとしている。


 二人の女性プレイヤーの内、相手に喰ってかかっているのは金髪ショートの髪型に怒気のせいかツリ眼気味になっている女性。彼女は目の前の男性プレイヤーに片手を掴まれSTRに差があるのか宙づりにされている。


 それを見て笑っている男性プレイヤー達を見て泣きそうな顔で周囲に助けを求めようとしているのが青髪ロングの眼鏡をかけた、若干幼めの容姿の女性プレイヤーだ。


 その彼女の視線が偶然であろうが俺と重なりそこで止まる。


 時間にして数秒あるかないかだろうが、たしかに視線が交差した。


「なぁキングス。この始まりの町ってPKできるの?」


 視線を逸らさないまま背後のキングスに投げかけた質問に、キングスは驚きつつも「暗黙の了解で誰もやらないだけで公には禁止されていない。しかしどっちが先かは別として街中での戦闘行為はNPCキャラクターの好感度を著しく下げる事になる。だがそれがどうした?」


 おそらく次の俺の行動が解っている上での言葉だろうが、気にかけてくれる優しさが感じられて少し笑みがこぼれる。


「多分考えている通りだけど。周囲の人たちの避難をお願い。それと余裕があるならあの二人の保護も」


 サキトはアイテムウインドウから新たに2つのスキルブックを取り出し使用する。


「さて、初実践がPVPとか第2の人生は波乱に満ちているようでっと!」


 使用したスキルブックは『投擲』と『剛腕』


 投擲スキルは文字通りモノを投げる系統のスキル。基本は投げナイフや牽制用の飛び道具を投げる際に補正してくれるスキル。


 今回サキトが投げたのはクイックでチェンジした初心者用の短槍。STR的には投擲スキルを使用したところでたいした勢いは出ないのだが、加えて発動させた『剛腕』スキルがその問題を解決する。


『投擲』スキルLv1 必要スキルポイント:2

 モノを投げる際自動的に補正が働き威力を底上げしてくれる。補正値はSTR、HIT依存。他スキルと併用可能。


『剛腕』スキルLv1 必要スキルポイント:2

 一時的にSTRの値を30上げる。効果時間はスキルレベルに比例する。発動時間3秒


『駈け出し冒険者の短槍』

装備条件:STR10(両手で持つ場合STR5でも装備可能)

攻撃力:+15



 投げたところで相手のプレイヤーのレベルが高ければ大したダメージにはならないだろう。


 しかし、それでやつらの注意が逸れれば彼女達が逃げ出すチャンスにもなる。


 スキル『剛腕』によって一時的に怪力になった俺の放つ短槍は、一直線に取り囲んでいた不良冒険者達(俺命名)の一人の後頭部へと突き刺さり、その反動を持って更にもう一人の首筋に深々と突き刺さる事になった。


 あ~そういえば俺、このゲーム内での禁則事項は軒並みチェック外してたな。


 本来ならダメージエフェクトが表示されるだけの筈だったのだが、投げたプレイヤーの設定が適応されたためか『とてつもなくリアルに』頭蓋骨貫通のプレイヤーと首から槍を生やしたプレイヤーの絵が出来上がる。


「!!?」


「っがふ!?」


 ダメージエフェクトが出ることなく頭蓋骨に穴が開いたプレイヤーは一撃死判定で退場。首に槍が刺さっているプレイヤーも呼吸ができず間もなく死ぬことだろう。ダメージ表示とかないんだな?


PKプレイヤーキルだと!戦闘禁止区域内でかよ!」


 余談だが、このゲームでは真の意味での戦闘禁止区域など存在しない。


 正確には開発者側の見解であえて造っていない。


 なぜならこの世界は第2の世界だから。


 ただでさえ現実は一歩隣に死が立っているのに、第2の人生を謳っているこのゲームで安全区域など作るわけがない。


 どこまでも現実に、どこまでもゲームの世界で。


 戦闘禁止区域は最初期からプレイしているプレイヤー達が勝手に決めた事であり、街中でのPKが禁止されているわけではない。


 しかし、それではNPCに被害が出る可能性があるため、街中でそういった行為をするとNPCの好感度を著しく下げる事になるよう設定している。正確にはその町で二度と買い物できなくなるくらいにはだ。


 しかしサキトは恐らくそうであろうことも考慮の上で自身の正義の為に行動を起こした。


 二人のプレイヤーが謎の死亡判定により砕け散ると、自身のレベルが上がった事を知らせるアナウンスが聞こえる。


 残念だがステ振りの時間は無いだろうな。


 新たにインベントリからスキルブックを使用。新しく覚えたスキル『ダッシュ』と『スナッチ』を発動。


『ダッシュ』スキルLV1 必要スキルポイント:2

 自身の移動速度を上げる。補正値はAGIに依存。レベルが上がるごとに持続時間が延びる。発動時間30秒


『スナッチ』スキルLv1 必要スキルポイント:3

 相手の武器を奪う事がある。成功率はLUK値及びスキルレベルに依存。スキル発動中に相手の武器を持つ手に攻撃を当てる。もしくは相手の武器を弾き飛ばす事ができれば成功率が上がる。



 スキルの発動と俺が残り6人となった集団の中に飛び込むのは同時。


「何だこいつ!?」


 不良冒険者の一人が声を上げるがこちらの動きの方が素早い。


 両手にはそれぞれレイピアと鞭を持ち、レイピアの切っ先は声を出していた冒険者の顎下から脳を貫く形で突きあげる。


「一人…」


 仲間がやられた現実を直視し、しかも光のエフェクトすらない残虐な絵面を見せられ残りの5人の動きが固まる。


 その隙を逃すわけもなく、手に持つ鞭を振るって手近にいた冒険者の首に巻きつけ態勢を崩させると、クイックで切り替えたファルシオンで首を斬る。


 切れ味鋭く大量の出血を強いる曲剣の一撃は相手の意識を刈り取るに充分すぎる威力を持つようだ。


 初心者装備のはずだが、全てが急所による攻撃と判定されているのか全てのプレイヤーが一撃でやられていく。


 ようやく我に返ったリーダー格の不良冒険者が、乱暴に女性冒険者を落とすと素早く抜剣して距離をとる。


 戦闘に入ってからまだ2分と経っていないはずだ。


 それなのに8人いたプレイヤーはすでにその数を半分にまで減らしている。


 リーダー以外の3人も各々武器を抜いて慌ててこちらと相対し始めた。


「何なんだよおまえは!」


 リーダー格の冒険者がどなり散らすが、それを無視して位置を女性冒険者の庇う形で移動を始める。


 不良冒険者達も俺の出方を警戒してか少しずつ場所を移動しちょうど女性冒険者と真向いになる形で移動が終わる。


「おいあんた」

 

 背後で震えている青髪の女性冒険者に声をかけ逃げるように伝える。


 青髪少女がビクンと震えておずおずと自分を指さす。お前以外にだれがいるんだ。


「早く逃げな。そこの金髪と一緒に振りかえらずに逃げるんだ。あんた達二人は直接戦闘にかかわっていないからNPCも無下に扱わないだろう」


 でも。とおびえるようにこちらを見上げる青髪冒険者に軽く笑い。


「この世界は俺の第2の人生だ。これは俺の意志で決めた事で、あんた達のせいじゃない。俺は俺の為にこの役を『演じる(ロール)』すると決めてるんでな」


 青髪の女性冒険者が金髪の冒険者に肩を貸して逃げ出すのを尻目に半包囲を築こうとしている4人に相対する。


『とは言ったものの。最初に使用した投擲のクールタイムは終わっている。剛腕は後10秒で使用可能。ダッシュは効果終了まで残り15秒。スナッチは成功せず再使用まで残り10秒』


 ショップで買えたスキルはこれで使い切った。


 残りは純粋に喧嘩殺法で仕留めていくか。


 セットしてあるのは左手に短槍、レイピア、クレイモア。右手にナイフ、鞭、つるはしだ。


 そのうち短槍とレイピアは先ほど冒険者を仕留めた時に手放したので今は地面に転がっている。


 クイックでクレイモアを取り出そうとも思ったが、手の内を明かしたくないので左手は無手の状態を保つ。


「へっ!さっきの威勢はどうしたよ厨2スタイルが!」


 相手の言葉に俺の容姿を改めてみる。


 白髪に赤い目。俺自身としては兎をイメージしたキャラデザのつもりだったのだが、言われてみて確かに俺のキャラメイクが厨2病のキャラデザに酷似しているのだと気付いた。これで片目眼帯に左腕にギブスを嵌めていたら戦闘中に疼く事だろう。


 しかししょげている時間は無い。


相手が無駄な挑発をしてくれているおかげで残っていたクールタイムも軒並み終了。


「ネチケットは守れよ餓鬼共?」


 なるべく小馬鹿にした口調でネットマナーを説いてやる。


 さぁ現実でもやった事のない実戦の御時間だ!







なるべく早く更新できました。

ここまで一気に読んで下さった方も更新チェックして下さった方もお待たせしてます。

もうひとつの作品も近々アップしますので今後ともよろしくお願いします!


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