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第18話 再会

Windows7が使えなくなり早数年、ようやくiPadで申し訳ありませんが打ち込める環境が整いましたので更新再開したいと思います。

 3人は街の広場に程近いオープンテラスでお茶をしながら話をしていた。


「この前は助けていただいてありがとうございました。」


 青髪のシノというプレイヤーが席に着くなり頭を下げてくる。もう1人のアキというプレイヤーも渋々ながら一緒に頭を下げる。


 こちらとしてはその話は助けたあの時に終わった話題のため別に気にしてはいないため「わかった。その話は以前と今回のお礼だけで済んだ話題だからこれ以上はいいよ」と頭を上げさせる。


 いい歳したおっさんが華の女学生2人に頭を下げさせるのは外聞が悪い。


「あれから変なプレイヤーに絡まれることはなかったかな?PKした子達が報復紛いに襲ってこないとも限らなかったから不安に感じていたんだが。」


 サキトからの問いかけに2人は苦笑で返す。どうやら一悶着あったようだ。


「襲われることは無かったんですけど…」


「逆に「守ってあげるよ!」て言ってくる男性プレイヤーが増えてさ。さっきもいくつかのPTから声かけられて逃げてきたの」


 ほんとに嫌になっちゃう。とアキはお茶と一緒に出されたケーキのイチゴをフォークで突きながらため息を吐く。


「中にはあの広場での出来事を見ていたプレイヤーもいたそうで、やたら俺強いアピールをしてきまして」


「そんなに強いなら「何であの時助けてくれなかったんですか?」て言ったら逃げて行きましたけどw」


 わざとそこの部位だけ強調して声を高くして告げたところで、遠巻きにこちらを見ていたプレイヤーや他の女性プレイヤーに話しかけていた男性プレイヤーはバツが悪いのか足早に周辺から去っていった。


 外に恐るべきは女性のネットワークと仲間意識か。


 声をかけられ迷惑そうにしていた女性プレイヤーたちがありがとうと声をかけてくれたので2人は手を振りかえして挨拶していた。


「ねぇ、あのプレイヤーってあの時のPKじゃない?」


 遠巻きに見ていたプレイヤーたちがヒソヒソ話をしているが、別に噂になるくらいは覚悟で行ったことなので気にはしていない。ここは2LO。もう一つの現実であり世界なのだ。俺のプレイスタイルに文句は言わない言わせない。


 さて、ゲームを始めてから数日だが、色々と破天荒なプレイばかりしている気がする。恐らく全ての制限事項解除によるものだろうが俺以外に同じことをやっているプレイヤーもいないとも限らない。


 情報が出てこないのは秘匿しているのか挫折してキャラクリやり直しているのか?


 まぁ、気にしてもしょうがない。俺はこの世界を楽しめているしこれからも検証含め色々と試すつもりである。その道中で出会えればその時世話になるかはたまたその逆か。


「2人はこの後どうするんだ?何となしに茶に誘ったけれど体の良い男除けにはなれたのかな?」


 寄ってくる男性プレイヤーから逃げるように俺と出会ったのならしばらくは男除けとして肉壁に興じるのも構わないとは思っている。


 少なからず彼女達が付き纏われる一因、というよりも原因なので多少の罪悪感は持ち合わせている。ずっとは無理だがせめて彼女達がログアウトするまでの間は付き合おうと考えていた。


「私達2人とも先程ログインしたばかりでして、これからレベル上げのために草原に行こうかと思ってまして、もしも迷惑でなければ一緒にPTを組んでいただければと」


「あなたが組んでくれれば心強いし、それに女の子だけど今日はもう一人プレイヤーと組む約束になってるのよ。女3人だけより、大人の男でもあなたなら一応信用できるしさ。」


 シノとアキの他にもう一人プレイヤーが追加されるらしい。別に女性プレイヤーに囲まれてハーレムなんて考えてないんだからね!


 そんなしょうもない事を考えていた俺の背後から「ふえぇ!遅れました〜ってあれ?男の人です。お二人の彼氏さんですか?」


 なんか聞いたことのある声が爆弾を投下した。


「「違い(うし)ます!」」


 シノとアキが顔を赤くして反論する。「そんな必死に否定されると傷つくな…」


 ヨヨヨと泣く真似をするサキトを放置して二人は俺の背後にいる女性に言い訳を始めていた。


 しばらく周りのプレイヤーやNPCに暖かい目で見られながらその様子を放置していると、話がついたのか3人目のプレイヤーが俺の隣の椅子に座ってお茶を注文する。


「それにしても解体所以外だと初めてだな。リンナ?」


 口癖「ふえぇ」な時点で察していたが案の定、解体師の職業で解体所で血を見ては顔を青くし、金に目がくらんで俺のゴブリンをせっせと解体してくれていたリンナである。先ほど大量の昆虫素材を投げたばかりなのだが仕事は終わったのだろうか?


「そうですねぇ。サキトさんが二人と知り合いなのは知ってましたけど今日はどうしたんですか?」


 周囲を見渡し「ナンパでっすかぁ?」と悪戯心満載のにやけ顔で告げてくるリンナに対し


「まぁ、偶然の成り行きでな。二人と付き合うことになったんだ」と返してやる。嘘は言ってない。


「「ヘァっ!」」


 案の定、俺の返しに赤面して変な声を漏らす二人と周囲から「フタマタ…」「ゲームなら有寄りの有?」などと囁き始める女性プレイヤー。そして


「俺、今なら呪詛魔法とか覚えられそうな気がする」


「神よ!この身にリア充を滅する聖剣を!」


「何で2次でも3次でも顔が良い奴はモテるんだろうな?キャラクリで顔の大部分は弄れないからこの世界でも色違いの2Pカラーの自分しかプレイできないのに何でだろう?○ラァ、こんなに悲しいことはない。」


 血涙って本当に出るんだなぁ。と奇行に走りながらのたうち回っている女性プレイヤーに話しかけていた男性プレイヤー達がいた。


 血涙って状態異常なのかな?何人かのプレイヤーは壁やら地面やらに頭打ちつけ過ぎて死んでポリゴンになってるし。これって俺のせい?PK扱いになってないよね?


 自分のステータスを確認、よかった自殺扱いのようで経験値は増えてない。


「サキトさん何気に場を掻き回すの好きですよねぇ?」


 リンナはわざと言葉尻を変えて思わせぶりな発言をしたことを察しているのか苦笑しながらお茶を飲む。


 二人は俺が発した発言の内容を反芻して自分たちが深読みしすぎたのがわかったのか別の意味で慌てていた。


 こういうのはホントに見てて楽しいわ。









PCがなくて今まで読み専に回ってましたが、ようやく再開の目処がつきました。

慣れない操作で不定期なのも変わりませんが今後ともよろしくお願いします。

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