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第15話 契約の指輪と草原の王

久々の更新です。


生産クエはひとまず終了。試し斬りじゃー!

 濃ゆい生産の時間も終わり、クエストも受けた。


「さぁ!冒険が始まるぞぉ!」


 年甲斐もなくはしゃぎ、周囲のプレイヤーから奇異の目で見られた。


「うぉっほん! まずは手に入れた指輪の性能確認からだな」


『銀狼の契約指輪』(譲渡不可)

銀狼の召喚:2時間 (再使用時間12時間 (再使用まであと0時間))

 EXクエスト報酬 銀狼と深き絆で結ばれた者に与えられる指輪。草原の覇者である銀狼を呼び出し共に闘う事ができる。

※装備者との絆の進行度により召喚時間及び再使用時間に変化有り。



 手に入れてから今までずっと生産クエだったからな。


 アイテムの使用はそのアイテム名を意識して呼ぶかインベントリからの選択で使用できるようになる。


「アイテム名さえ意識してれば他の名称でも使えるのかな?」


 指にはめられた狼を象った形の指輪を見ながら「召喚サモン銀狼シルバリーウルフ!」と呼んでみる。


 『銀狼の契約指輪を使用します。召喚可能時間残り2時間』


 いきなり目の前に表記が現れすぐさま視界の端に移動して縮小した。


 そして指輪が光ると次の瞬間には一匹の銀狼が現れこちらを見つめているのだった。


「おお、実験は成功か。てか初めてあった時よりも小さいな。契約を結んでも召喚されるのは別個体なのか?」


 EXイベントだからと言って一回しか手に入らないアイテムでもないのだろうし、イベントモンスターが同時に複数召喚されるわけでもないか。


『初めての召喚です。契約モンスターへ名付けをしてください』


 追加で銀狼の上に名前を入力するためのアイコンが表示された。


「名前か。銀狼のままだと他のモンスターと見分けがつかないし、シルバーとウルフでシルフだと後で妖精とか出た時もろかぶりだもんな」


 意外と真剣に名前を付けるとなると悩むものだ。


 時間にして五分ほど悩み続け、結局良い名前が浮かばなかったため、シルバリーウルフの間を取って『ルル』と命名した。


「よろしくなルル!」


 頭をワシワシとなでて武器を片手に出発する。


 割と早い段階でレベルが上がっていただけに、最初の草原で遭遇する敵は相手からの不意打ちでない限りほぼ先制の一撃で倒せることが判明している。


 これは指輪を手に入れた時には解っていた事なので、生産で固まった身体をほぐすためにウォーミングアップを含めて倒しながら進む。


「手に入るモンスターの死体はとりあえず収納するとして、索敵要員としてもルルは優秀だな」


 文字通り鼻が利くので風下から襲われない限りはルルが嗅覚で敵の接近を察知してくれるので非常に助かっている。


「ワゥ!」


 そして銀狼だけあって小型でも他の雑魚を寄せ付けないほどには強い。


 おかげでジャマダハルの性能を確かめる機会が減っているのも事実だが。


 そのまま草原を抜け、近くの森へ入ろうとした時、視界の端で草原狼の群れが数人のプレイヤーを襲っているのが確認できた。


 軽く見ただけでも20匹近くいる。幾匹かは倒せたみたいだがそれでもかなりの数がいるみたいだ。エリアが切り替わる近くだからか一個体のレベルも相応に高いようだな。


 戦闘を行っている人数は4人。全員が初期装備のようなので、最近始めたプレイヤーだろう。その動きもぎこちなく、持っている武器もバランスが悪い。


「魔術師タイプが一人に前衛が3人。武器は大剣一人にダガーが二人か、明らかに間に合わせのパーティーみたいだな」


 唯一壁ともいえる大剣持ちが突出しすぎて孤立してるし、フォロー役のダガー二人も自分の身を守るのに手いっぱいの状態。魔術師はヒーラーかと思ったが、どうやら攻撃タイプの魔法しか使えないみたいで先ほどから回復させるそぶりを見せない。


「くそが!数が多すぎる!誰か支援を!」


「こっちも自分だけで限界だよ!アカリ!早く範囲魔法で蹴散らせよ!」


「フレイムスロきゃ!もう!こうヘイトが向いてちゃ魔法なんて撃てないわよ!」


「虎の子の煙幕もすでに品切れだからねぇ!ちょっ!四匹同時は無理!」


 魔術師は女性の様だ。そしてダガー使いの一人は割と緊張感のない話し方みたいだ。


「うーん。助けに行っていいものか?ルルの召喚時間的に森に入って少ししたらタイムリミットみたいだし。ここらで一回武器の性能確認もしたいしなぁ」


 ルルの背を撫でながら支援してやるべきか悩んでいた所に、群れの背後から一体の大きな草原狼が現れた。


「くそが!フィールドボスかよ!」


「これからが本番とか無理だし!」


「とにかく雑魚を減らさないと!」


「これ詰んだかも…」


 目の前のボスに気付いたのか四人とも焦りと絶望に満ちた顔色になった。


 どれどれ鑑定っと。


―――――――――

草原狼王☆(BOSS)☆

レベル:20

状態:普通

草原に生息する草原狼。その中でも王と呼称されているモンスター。

知能が高く、その性格は凶暴。複数の群れを下した強者の身が至れる存在。

下した群れを率いて草原を走り回る姿は災厄とも言われている。

――――――――― 


 おおう。銀狼よりもレベルが高い。ボスだから当然か。


「こりゃ助けに入った方がよさそうかなぁ?」


 そして行動に移ろうとした際にルルがいきなり遠吠えを上げた。


「グオォォォォォン!」


『ルルが遠吠えを上げました。ヘイト率上昇』


 こちらの戦闘介入の意思を組んだのかルルが先行してヘイトを上げる行動をとったようだ。


 戦っていた四人はルルの遠吠えを聞いて一瞬身をすくませたが、次の瞬間には自分達に向かっていた草原狼達が遠吠えの方へ走り去るのを見て驚きの顔になる。


「だれかが助けてくれた?」


 アカリと呼ばれていた魔術師プレイヤーが思わず腰を落としそうになるのをどうにか踏ん張り、四人は目の前に対峙している草原狼王をキッ!と睨みつけた。


「なんだか解らないけど!とにかくこいつさえどうにかできれば!」


 大剣持ちの男の言葉に四人はボスとの間合いを計りながら手持ちのアイテムを使って各自回復していく。


 その頃ジャマダハルを抜いたサキトは、襲い来る草原狼の群れをルルと共に捌く作業に追われていた。


 空いた手には紅竹槍を持って牽制に使用している。


 両手持ちが必要な槍も間合いを取るだけならば片手で振り回せば事足りるし、合間を縫って接近してきた敵も取り回しの楽なジャマダハルの突きの餌食となる。


 分類がショートソードな為近接戦になるのは仕方がないが、血糊で滑らないのは時折鞘に戻して耐久値を回復させているからだろうか。


 ルルも複数の狼と相対しながらも無双状態の様だし、どちらかと言えば早く狼王と戦ってみたい。


 会社の同僚が見たら「インテリ肌のお前が何言ってるの?」てなるだろうなぁ。


 一体ずつ作業の様に突き刺し切り裂き地面に叩きつけながら、サキトは四人が苦労していた群れを瞬殺していく。


 制限項目を外しているサキトに取ってHPバーが見えない状態はもはや慣れっこだ。とにかく最短で息の根を止められる場所を探して仕留めれば良い。


 これはルルにも適用されているようで、敵を仕留める際は頭を潰すか喉元食い千切るといった攻撃方法で即死させるか、爪をもって四肢を切り裂き弱らせてから嬲り殺すかにしている。


 四人は恐らくHPバーが見えているのだろうし、攻撃も肉を断つのではなくダメージエフェクトで判断するしかないのだろう。


 どこまでもリアルにこの世界を満喫しているサキトと、あくまでゲームとしてこの世界を体験している四人との明確な差が表れている所でもあった。


 最後の一匹を紅竹槍で串刺しにして地面に縫い付けるとサキトは一息ついて狼王と戦っている四人へと視線を向けた。


 そこには今まさにポリゴンとなって砕け散る大剣使いの姿があった。



15話現在のサキトのステータス

―――――――――ステータス―――――――――

名前:サキト 性別:男

種族:魂人種 Lv:12→14 スキルポイント:24→34

HP(体力):31→32 MP(魔力):37→39

STR(力):12→14(+29)

MND(精神力):23(+0)

DEF(防御力):11(+14)

AGL(敏捷):11→12(+7)

HIT(集中力):11(+3)

LUK(運):10(+2)

スキル

『スキル補正EX』『鑑定』『クイック』『投擲』

『剛腕』『ダッシュ』『スナッチ』『鍛冶』『彫金』

(控え『解体術』『調合』『錬金』)

所持金¥24000

装備

頭:黒銀の鉢金こくぎんのはちがね

胴:白兎の皮鎧はくとのかわよろい

腕:白兎の皮篭手はくとのかわごて

腰:白蛇の皮帯はくじゃのかわおび

足:白魚の鱗靴しらうおのりんか

武器

右手:太刀魚たちうおのレイピア

サブ1:銅の双連刃そうれんじん

サブ2:紅竹槍くちくそう

左手:鉄のジャマダハル+2

サブ1:紅竹弓くちくきゅう

サブ2:銅の双連刃そうれんじん

装飾品

首:狼牙ろうがのペンダント

マント:白兎はくとのケープ

指:鷹の眼の指輪

指:大鷲の指輪

指:銀狼の契約指輪

新規取得アイテム

草原狼の毛皮×12

草原狼の牙×10

草原狼のもも肉×6

―――――――――――――――――――――――


お久しぶりです。


短いですが更新です。


夏休みが月末なのでそこらへんでもう一度投稿できればと思います。


相変わらずですいません

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