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第14話 初めての鍛冶(作成編)

熱くなれ!熱くなれよ!


ふぁあ! ←今ここ!

 熱くなった鉄火場で、俺はインゴットを熱している。


 チュートリアルはここでもあるみたいで、最初に鍛造か鋳造かを選択できる所から始まる。


 クエストもあるので両方やってみるのは確定だが、とりあえず先に鋳造から始める事にした。


 本来鋳造品はインゴットと同じ要領で型に流し込んで作るはずで、どちらかと言えば溶鉱炉で作業をするのが正しい気が…。


 まぁゲームだから気にせず行こう。


 充分に熱せられたとシステムが判断したのか、次の作業は型にインゴットを設置する作業であった。


 新たなウインドウが表示され、どのアイテムを作成するのか一覧が表示される。


 それに対して必要なインゴットの数が違うようで、今回は一つしか使用していないため、ショートソードかククリ刀が一つ、ダガーが二つ分作成可能のようだ。


 ダガーを選択すると、インゴットを二つに分けてそれぞれのダガーの型へ嵌めこむように指示されたので、その指示に従い作業を行う。


 嵌めこまれたインゴットを叩いて伸ばせと出たので指示通りに作業を行い、型にまんべんなくインゴットが嵌め込まれた所で型を壊して取り出すように指示された。


 土枠を壊して出てきたダガー二つは装飾も何もない鈍色のダガーらしきものだが、そこまでやって鋳造作成のチュートリアルは一時停止となった。


 なぜなら目の前にウインドウが現れ『この先の行程に進むためのスキルがありません』と表示されたからだ。


 試しに鑑定したダガーモドキの詳細がこれだ。


『銅のインゴット(ダガー加工中)』

良質な銅鉱石を製錬して不純物を取り除いたインゴット。それを熱して加工する事でダガーへと形を変えている途中のもの。研ぎと彫金により鋳造の品は完成する。武器としての切れ味はなく、そのままでは何も使えない。


 二つともこの表記であり、同時に鋳造のクエストに変化が生じた。


『鋳造をしてみよう』

 インゴットを溶かして鋳造を行いアイテムを作成してみよう。

※追加:彫金を施して鋳造品を完成させよう。

 報酬:スキルポイント+1 ※追加:彫金スキル



 なるほど。彫金とかいうスキルがないとダガーは完成しないと。


 別にスキルなくてもNPCや他プレイヤーに頼めばいいのではと思ったが、スキルポイントもいらずにスキルが手に入るなら面倒だけど楽でいいかもと考え、彫金スキルを取得するために作業を開始する。


「とはいえ彫金ってどうすればいいんだ?」


 始める前から手詰まり感が半端無いのだが、そんな俺の元へ再びリア充なおっさんがやって来た。


「鋳造か。後は彫金で形を作れば完成だな。何をそんなに困ってるんだ?」


 おっさんの質問に彫金をどうやって施せばいいのか解らない旨を告げた処


「基本は先の尖ったモノで型に印を付けて削ったり磨いたりだな。彫金スキルがないならそれこそ自分の思うがままデザインを施せばいい」


「先が尖ったモノねぇ?手持ちのナイフで良いか?」


 インベントリから最初に貰えた初心者用ナイフを取り出してインゴットを削り始める。


 武骨なダガーの形のインゴットにナイフを駆使して装飾を施すような形でデザインを刻んでいく。


 ある程度見栄えがよくなったら作業場に据え置きされているグラインダーにナイフを当てて研磨を施していく。


 鈍かったインゴットが研磨された所から光り輝いていくのは見ていて気分が良い。


 二つとも対称となるように加工と研磨を終えて完成したダガーがこれだ。


『銅の双連刃』(PMプレイヤーメイド:サキト)

装備条件:STR5、AGI7

攻撃力:+5(重ね合わせる事により+12)

 鋳造で作られた左右一対のダガー。装備スロットが自動的に左右一枠使用される。特殊な加工をしており右と左で刀身が違い、重ね合わせる事により重みのある一振りの剣として使用することができる。特殊な構造のため耐久性は低い。

※耐久度-(マイナス)補正、剣状態時:攻撃力補正+7


 おおう…。なんとなく屋台でやった型崩しみたいな気持で削りつつこんな武器だったら面白いかもと思って長さとか溝とか掘って細工してたが変わったモ


 耐久に-(マイナス)補正が入るけど鋳造品だからかその分加工はしやすかった。きっと鍛造品は焼き上げた後の研磨作業だけで仕上がりそうだし。


 右手のダガー、長さ的にはショートソードより少し短いぐらい大体50センチぐらいだろうか? 左手のダガーはそれよりももう少し短い30センチほど。


 持ち手と剣の腹の部分に窪みと溝があり、そこに上手く嵌めこむようにスライドさせれば左右非対称なショートソードが出来上がる。


 基本的に装備時はばらした状態でそれぞれの鞘へと収納、必要に応じて組み合わせて使用する形になるだろう。


 こう言った作業は昔から考えるのも作るのも楽しいし得意だった。


「童心に帰った気分だ」


 ゲームならではのこの感覚はやはり良いものだ。自分達が作っているゲームもこれぐらい、いやこれ以上に面白い作品にしなければならないな。


 そして


『鋳造をしてみよう』 クリア!

 インゴットを溶かして鋳造を行いアイテムを作成してみよう。

※追加:彫金を施して鋳造品を完成させよう。

 報酬:スキルポイント+1 ※追加:彫金スキル EX報酬:加工用彫金具


EX報酬取得条件:彫金スキル及び加工用彫金具なしでシステムが認める複雑な加工を行い成功させる。


「ふぇっ?」


 思わず口から出た間抜けな声にリア充のおっさんが気づいてやって来た。


「おうおう兄ちゃん。上手く出来たのかよ?ナイフだけだと簡単な造形しか組めないから大した評価じゃなかっただろ?」


 おっさんは俺がEX報酬で手に入れた加工用彫金具と作業台の上に置かれた二振りのダガーを見て、そして俺の顔を見た後更にもう一周同じ動作を繰り返した後勢いよく俺の肩を揺さぶり始める。


「おま!何やったんだ!?」


 ガクガクと揺さぶられる俺も何が何だかわからない。


「いや~、俺もなぜか手に入ったからわけわかんなくてさ~」


 ガクガクアウアウと言葉を発する俺に気づいてようやくおっさんは揺さぶるのをやめてくれた。


 すごい気持ち悪い。おっさんの顔を間近で見ながら揺さぶられたから…。


「すまない。気が動転していた。それは神からの特別報酬か?」


 何を言ってるのか理解は出来ないけどEX報酬が神からの贈り物ならそうなのであろう。


「EX報酬の事を言ってるのならたぶんそうだと思うよ。取得条件も出たし」


 表記されていた取得条件を口に出そうとしたところでおっさんから待ったがかかる。


「いや喋るな。昔から神からの報酬の情報を聞いた者はその条件をクリアしても取得できなくなるという言い伝えがあってな」


 つまり二次転載した時点で取得条件を満たせなくなるのか。


 きっとほかにも取得者はいるのだろうが、この情報を知っていたら迂闊に話せないのだろうな。


 ゲームでこの手の情報は晒した方がネット批判は受けないのだろうが、そういった事情で晒せない配慮があるのなら問題ないだろうか?


「別にいいか」


 あっけらかんと結論付けて今度は鍛造のクエストに挑戦する。


 せっかく手に入ったので早速彫金スキルをセットし鍛造作業を始める。


 選択で鍛造を選ぶとまずはじめにインゴットを熱する作業から始まった。


「最初の方はどちらも同じ工程か…」


 熱く熱せられたインゴットを取り出すと再び選択肢が生まれる。


 先ほどダガーを作ったので、今度はショートソードを選択する。


 すると鋳造では出てこなかった選択肢が新たに出現した。


「これは、ショートソードに分類される武器のデザインと難易度か…」


 脇差やバゼラートなど、さまざまな形状が表示され、それを作るにあたっての難易度や特殊な素材などが表示される。


 その中から一番オーソドックスで他の素材も必要ない素鉄剣というものを選択してみる。


 完成予想図の絵が表示され、それをイメージして作成を始めるらしい。


「思ったよりも時間がかかるな」


 インゴットを叩いて板状にし、それを二つ折りにしてさらに叩き続ける作業を延々と繰り返す。


 時間もかかるし熱いし手は疲れるし、単純作業が延々と続くと仕事のデバック作業を思い出す。


「あ~面倒だ~っと思ってる間に次の工程か」


 新たに形を整えたインゴットを水に浸けて荒熱を取り、再度熱して硬くする工程を行う。


「これ、次からやれって言われても当分やりたくねえし。今度専門書でも買って勉強しておくか…」


 実はサキト本人は気付いていないが、制限がかかる項目に詳細作業の簡略化という項目が存在する。


 よくある門外不出と言われている秘伝の技などをゲーム内で試してみたいと言う極極一部のユーザーのために存在する項目なのだが、本来であれば鍛造の行程は規定のアイテムを選択後、そのアイテムの完成をイメージしながら規定回数インゴットを叩き続け、彫金スキル等で仕上げるという単純なものだ。


 もちろんこの場合は熟練度や素材の良し悪しで評価が変動するが、ある程度平均化されたアイテムが作成可能になる


 これもまた制限を全て外した状態でプレイする弊害である。


 制限を外した状態でのアイテムの作成は制限で省略された各項目を自力で行わなければならなくなる。


 そしてステータスやスキルレベルの他に個人の技量も当然必須になってくるわけだ。


 つまり素人が鍛造をチュートリアルに沿ってやったとしても決してまともなアイテムができるわけがない。


『鉄の剣』(PMプレイヤーメイド:サキト)

装備条件:STR14

攻撃力:+21

 鍛造で作られた一振りの剣。分類はショートソード。柄から刀身まで全て同じ構造で作られているため耐久度が高く、折り返し鍛造により粘り強くしなやかな一振りとなっている。飾り気のないその剣は見る者を魅了するだろう。



「ふわぁ!」


 出来てしまったようだ。


 遊びのない鉄の板の様な形状だったインゴットを丁寧に研磨し、形を整えていった結果、なぜか高品質な武器が出来上がった。


 見た目は確かにショートソードの完成予想図と同じだ。しかし刀身だけだが。


 違う箇所としては柄の部分が縦ではなく横に、刀身に半ば埋もれたような形状になっている。どちらかと言えばショートソードではなくジャマダハルのように握り込んで使うような形状をしている。


 少しばかり遊び心も加えて見たが、鍛造の方が鋳造よりも作業工程が難しい分個人の技量によって強くも弱くもなるのかもしれない。


「今度は鍛造か。こればかりは自分の技量と鉄の声を聞くことが大事だからな。一朝一夕じゃまともなものが出来ねぇだろう?」


 再び現れたおっさん。


 そして作業台に置かれた武骨な剣を見て「ほらな?」とドヤ顔を決めつつ


 手にとって確かめた途端「ふわぁあ!」と驚く。


 おっさんも鑑定スキル持ってるんだな。と軽く逃避しつつ鉄の剣を納める為の鞘と、握るための柄を撒く皮が必要だと次の作業項目に出たため無料で使用できると書かれている棚へアイテムを取りに行こうと席を立つ。


「ちょっとまて!」


 おっさんが立ちあがり中の俺の肩を強引に抑え、そのまま椅子に戻された。


「あえて細かい事は言わん!ただどういう製法でこれを作った!?」


 どうって言われても、ただチュートリアルに従っただけなので何とも言えないんだけど信じてもらえるのかな?


「なにって初めてだからチュートリアルに沿って作っただけだし。あとは鞘と柄に革巻いて完成の予定?」


 もう一度棚へアイテムを取りに行こうと席を立とうとする俺を押し止め、おっさんが代わりにアイテムを持ってきてくれた。


「その形状ならこのタイプの鞘と、持ち手ならこの皮が合うはずだ。鞘と皮にも武器に応じて合う合わないの相性があるから作る際はそれも考慮に入れると良い。それに鞘にも彫金スキルで装飾もできるし、魔力が込められた装備なら特殊な加工でその効果を付与することもできる。これはお前さん達で言う付与術というスキルが必要になるから機会があるなら試してみると良い」


 渡された鞘と皮を鑑定すると。


『鉄のインゴット(鞘加工中)』

鉄鉱石を製錬して不純物を取り除いたインゴット。それを熱して加工する事で剣を納める鞘へと形を変えている途中のもの。彫金によりデザインの変更も可能。剣を収めた状態で鞘として登録し、武器の名前と同じ名の鞘として使用可能になる。


『荒巻トカゲの皮(加工済み)』

 砂漠に生息する荒巻トカゲから加工した皮。刀剣類の柄の滑り止めとして優秀で重宝される。見た目はトカゲと言うよりも蛇に近いが分類としてはトカゲである。毒はない。


 見た感じ一般的な素材のようだ。


 チュートリアルの指示に沿って鞘の表面に彫金スキルでデザインを行うかの選択がでたので、今回はシンプルに流線型のラインだけを新しく手に入れた加工用彫金具を用いて手を入れていく。


 外側のラインを掘り込んだ後、ふと思いついて鞘全体を眺めた所、どうやら一つのインゴットを半分に割って合わせ、鞘の形に加工した物だと解った。


 鞘を合わせて固定しているパーツを外すと、剣の形にくりぬかれた二つのパーツに分かれる。


 鍛冶場の中を探して目的のアイテムを手に取るとサキトはそれを彫金金具を用いて加工を始めた。


 目を離すと何かしらしでかしているサキトの様子が気になり、おっさんはさっきから俺の後ろで心配そうに様子をうかがっている。


「いったい何やってんだ?砥石なんぞ細かく掘って?」


 サキトは加工用彫金具を用いて新品の砥石を細く薄く削りそれを別に用意したにかわを用いて鞘へとはりつけていた。


 そして作業が終わると再度鞘を組み立てて歪みがない事を確認。


 その後、実際にショートソードを出し入れしてみて違和感を都度調整してようやく満足が行ったのか次は剣の柄に荒巻トカゲの皮を撒きつけ始める。


 そしてしばらく撒いて具合を確かめていたが、どうにもしっくりこないのか、一旦全て取り外すと、再び棚へと駆け寄り木材を物色。


 オーク材の木片と亜麻仁油を手に取り戻ってくると、木片を加工用彫金具で削り始めた。


 そして大雑把に削ると手に取り、少し首をかしげた後、剥ぎ取り用ナイフと大まかな金属の研磨をおこなう時に使用する魔導グラインダーの前まで行き細かな部分の調整を行っていった。


 最終的に木片を二つに分けた後柄を挟んで結合。膠とニスで接着、その後に荒巻トカゲの皮を巻き付けてようやく完成したようだ。


『鉄のジャマダハル+2』(PMプレイヤーメイド:サキト)

装備条件:STR14 AGI13 HIT9

攻撃力:+27

 鍛造で作られた一振りの剣。分類はショートソード。柄から刀身まで全て同じ構造で作られているため耐久度が高く、折り返し鍛造により粘り強くしなやかな一振りとなっている。柄をオーク材を用いて握りやすくし、本人の手に合わせた逸品。滑り止めとして荒巻トカゲの皮を用いているため使い勝手が良い。

※本人専用武器のため譲渡不可


『ジャマダハルの鞘』(PMプレイヤーメイド:サキト)

 鋳造で作られた鞘。デザインはシンプルだが内部に剣の溝に合わせた砥石が設置されており、納刀ごとに自動的に研ぎが行われ切れ味が回復する。時折整備が必要だが長期の遠征でその真価は発揮されるだろう。

※納刀時微量の耐久値回復効果


「ふぉお!」


 背後で出来た作品を見てしまったおっさんが謎の奇声を発した。


 それを無視してクエストクリアの表示を確認する。


『鍛造をしてみよう』

 インゴットを用いて鍛造を行いアイテムを作成してみよう。

※追加:性能の高い鍛造品を作成してみよう。

報酬:スキルポイント+1 ※追加:スキルポイント+1 

EX報酬:(加護)鍛冶神の熱い眼差し


EX報酬取得条件:初めて行う鍛造において+2以上の性能及び個人専用武具を作成、成功させる事。


「さすがに驚き疲れた…」


 今日はEX祭りだな。


 さすがに個人の技量に左右されるこういった技術のいる作業は少しでも制限外したプレイヤーに有利に働くように出来ているのだろうと思う事にした。


「そうでなければ二度続けてのEX、いやおっさん夫婦のイベントも含めれば3つか。そのクエストの報酬だけでも破格すぎるからな」


 そのおっさんも背後で「驚かんぞ…もう驚き疲れたからな…」とブツブツ言っている。


 とりあえず完成した二つの武器を装備スロットに割り当てて鍛冶場で行うクエストはあらかた片付いたはずだ。


 防具も作ってみたいが今ある防具でも十分に強いし、正直戦闘したい気分になって来た。

 

 新しい武器の試し切りをしてみたい気分なのだ。



 鍛冶場の中にも試し切りできる施設はあるみたいだが、正直案山子を切った所で面白くない。


「じゃあ、おっさん。また鍛冶したくなったらくるよ~」


 何度か声をかけて現実へ引き戻した後そう告げて施設を後にする。


 他にもいくつかの生産系クエストが発生しているが、そこら辺はおいおい片づけるとして、とりあえず冒険者ギルドへ行ってクエストを受注しよう。そうしよう。


 そしてやって来た冒険者ギルド。


 相変わらずクエストボードには人がたむろっている。


 そんな中を潜り潜り進んでいき、適当に目に着いたクエストをはがして内容を確認せずに受付に出した。


「申し訳ありません。こちらのクエストは貴方の職業では受ける事ができません」


 そう言われて返されたクエストがあった。


「ええっと。クエスト名『獣魔の捕獲:必須職業テイマーもしくはサモナ―』ねつまりテイムかそれに関連するスキルがないと駄目ということか」


「そうなります。テイマー専用武器である鞭で相手を攻撃し一定のダメージ以下まで追い込んだ後相手を倒さずに動きを封じる。それがテイマーの捕獲条件です」


 申し訳なさそうに話す受付嬢に、再度同じクエストを受注するために手渡す。


「いえ、ですから受注条件として貴方はテイマーでもサモナ―でもないですよね?」


「はい。でも俺無職ですから?」


 隆一の言葉に固まる受付嬢。


 周りで受け付けていた他のプレイヤーも話を聞いていたのか動きが固まった。


「いいじゃねぇか。職業が無職なら受注条件を満たしている」


 そう告げてきたのは背後からのっそりと歩いてきた大男だった。


 でっけー。システムいじったらあそこまで大きくなれるのかな?


 見た感じ身長2メートル50センチほど、冒険者ギルドの天井が高いため頭こそぶつからないが、ギルドから出られるのかこのおっさん?


「大丈夫だ素材搬出用の扉からいつも出入りしている」


 なるほど。大型のモンスターを取り出す機会もあるからそう言った大型の搬出入口は備え付けてあるのか。


「あれ?口に出してた?」


 サキトの言葉におっさんは「目を見れば大体分かる」と答えた。


「無職なら装備の使用条件がないから問題ない。テイムできるかどうかは本人の技量次第だから別に受けさせても問題ない」


 再度そう告げておっさんは奥へと引っ込んでいく。


「ではこちらの三枚のクエストを受注でよろしいですね?」


 それで。と短く答えて新規にクエストが追加された。


『川で釣りをしているおじいさんに弁当を届けよう』


『オーク肉を10個集めよう』


『獣魔を捕獲しよう。(必須職業:テイマー、またはサモナー)』


 見事にお手伝い系のクエストだな。


 人気のある討伐系はすでに取られた後であったか。


 しょうがない。地道に一つずつスキルを含めてレベル上げと行きますか?



―――――――――ステータス―――――――――

名前:サキト 性別:男

種族:魂人種 Lv:12 スキルポイント:26→28→24(鍛冶、彫金スキル取得)

HP(体力):31 MP(魔力):37

STR(力):12(+29)

MND(精神力):23(+0)

DEF(防御力):11(+14)

AGL(敏捷):11(+7)

HIT(集中力):11(+3)

LUK(運):10(+2)

スキル

『スキル補正EX』『鑑定』『クイック』『投擲』

『剛腕』『ダッシュ』『スナッチ』『鍛冶』『彫金』(控え『解体術』)

所持金¥24000

装備

頭:黒銀の鉢金こくぎんのはちがね

胴:白兎の皮鎧はくとのかわよろい

腕:白兎の皮篭手はくとのかわごて

腰:白蛇の皮帯はくじゃのかわおび

足:白魚の鱗靴しらうおのりんか

武器

右手:太刀魚たちうおのレイピア

サブ1:銅の双連刃

サブ2:紅竹槍くちくそう

左手:鉄のジャマダハル+2

サブ1:紅竹弓くちくきゅう

サブ2:銅の双連刃

装飾品

首:狼牙ろうがのペンダント

マント:白兎のケープ

指:鷹の眼の指輪

指:大鷲の指輪

指:銀狼の契約指輪

新規取得アイテム

ポーション(回復量バラバラ)×20

暗黒鉱石ダークマター×1

―――――――――――――――――――――――








お久です。


やはり不定期更新となってます。


ちまちまと少量ずつ書いているので次話投稿まで何度も読み返して時間を潰してください!

また近い?遠い?近未来的などこかで逢いましょう!

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