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それぞれのきっかけ

・斉藤舞の場合

 ・・・私がこの事を思い出したのは幼稚園の年長クラスでのこと、とある女の子の名前を見たときだ。

 その子は幼稚園のなかで誰よりも有名で、そして少し周りから浮いていた。家がお金持ちなのに普通の家の子が通う幼稚園にいたからか、みんな知ってるのに誰かと遊んでるところを見たことがない。私自身、幼稚園最後のクラスで一緒にならなかったら話すことはなかっただろう。

 その子の名札は他の娘とは違い、綺麗な達筆の漢字で書かれていた。


 『鳳凰院美琴』、と。


 その名前を見た瞬間、私の頭に前世の記憶を思いだし、気づけば私は目を回して倒れてたらしい。だがそのおかげで色々と知ることができた。


 その中に、この世界は乙女ゲーの世界で、彼女はヒロインのライバルとなる未来を知った。








・田中大紀の場合

 ・・・俺がこの事を思い出したのは中一の夏休み。当時の友達とテレビで見たスポーツを真似して失敗して転けたときだ。

 俺はその頃平凡というものが嫌いだった。なんてことはない。つまらない日常より刺激的な日々に憧れるのは思春期なら必ず通る道だ。ただ俺の場合それがテレビで見たスポーツだっただけの話。

 俺がやろうとしたのはパラクール。外国で流行ってるらしい、街の中をかっこよく跳んだり跳ねたりするアレだ。


 俺は手始めに公園の階段を一気に全部を飛び降りようとして、失敗。転けた拍子に頭を強打した。


 その時に前世の記憶が甦ったのだ。頭から少し血が出て両親に怒られたけどおかげで色々知ることができた。


 その日、前世の俺が嵌まってたミステリーゲームと、その舞台となる学校がこの世界に実在することを知った。










・遠藤志帆の場合

 ・・・私がこの事を思い出したのは就職が決まり、大学を無事卒業できた日の次の朝だ。

 その日、大きい私立の学校に就職できて問題なく学校を卒業できた私は一人で祝杯をあげていた。

 人によっては寂しい光景だと言うかもしれないが、私は一人酒が好きなんだ。

 また、同期の仲間には内定は取れたのに卒業できなかったり、内定が取れずに卒業式を迎えたやつもいたからなんだか飲みに誘いにくいのだ。

 とにかくその日、私は一人大学近くに借りたアパートで日付が変わるまで飲んだ。


 次の日の朝、二日酔いで痛い頭に前世の記憶が甦っていた。


 ・・・だがその時は前世の記憶とは思わず、変な夢程度で終わった。

 その中に前世嵌まってたホラーゲームのタイトルに私が春から勤める学校と同じ名前が使われているが、偶然だと自分に言い聞かせて私はレトルトのしじみの味噌汁を飲んだ。









・鈴木圭介の場合

 俺がこの事を思い出したのは入学式で新入生代表の挨拶を聞いたときだ。

 高校の入学式、初日だというのにすでに式が長すぎ疲れきった俺に、追い討ちをかけるように新入生の挨拶をが始まった。

 その時に呼ばれた名前に俺は知らないはずなのに知ってるような感じが来たのだ。


 新入生代表の名前は『黒桐静香』。美少女というべき美貌と壇上で新入生の挨拶してる姿見て、やったこともないゲームを俺は思い出した。


 ・・・そこから俺は徐々にだが自分の前世というものを思い出していくことになった。



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