82話 エラー
「なんとか片付いたな」
全てを斬り伏せた中心にいる俺は独り言を呟く。
やはり効率化を考えると先ほどとは全く違う。
代わりと言ってはなんだが、創造した武器は使い捨てをする形になってしまった。
ギアが強すぎた歯車がすぐに壊れる。
十全に使えなければ元も子もないな。
(凄いですよ! 30分で終わりました! )
「なるほど、ありがとう」
30分か。
最初に比べれば凄い成長だ。
俺自身も確かなレベルアップを感じた。
*
月宮涼太 LV.9010
種族:人族
性別:男
年齢:17
攻撃:854200
魔力:1090000
俊敏:942500
知力:654000
防御:1130000
運:100
特殊スキル
【言語完全翻訳】
【完全記憶】
【神界への鍵】
【気門】
技能スキル
【超再生LV.89】12up!
【隠蔽LV.65】
【鑑定LV.84】
【料理LV.94】
【痛覚遮断LV.83】5up!
【神衣憑依LV.44】
【状態異常無効LV.75】
【剣王LV.8】new!
【体術LV.74】9up!
【剛力LV.46】4up!
【双術LV.34】
【棍術LV.20】
魔法スキル
【創造魔法LV.74】2up!
【時空魔法LV.82】
【次元魔法LV.67】
【回復魔法LV.75】
【元素魔法LV.81】
【召喚魔法LV.37】
【結界魔法LV.71】
【崩壊魔法LV.82】
称号
【転移者】
【神々の料理人】
【神々の舎監】
【迷宮攻略者】
【魔の天敵】
【学生の舎監】
【超人】
*
あともう少しで1万代だ。
なんかレベルが上がるとステータスも上がるからゼロが多すぎて見辛いんだよな。
ステータスの略化みたいなのってないのかなぁ。
ヘファイストスとかバケモンだしなぁ。
(あ、そうだ。りょう君、ガブちゃんが最近優しいいんですが何かしましたか?)
そう言えばシェイたちも同じ事を言っていたな。
俺からしたら何が変わったか分からんのだが。
「どうだったかな」
(なんか他の天使ちゃんたちが気になってるみたいなんですよねぇ)
「そうだなぁ……褒めたぐらいか?」
以前に感謝の意を込めて褒めた。
その時にガブリエルらしくない反応をしたっけ。
(ガブちゃんばかりでズルいとも言っていました)
「そうだな、今度は他の熾天使にお願いしようか」
思えばガブリエルばかりだ。
平等に接するべきだよな。
(それはそうと、この後はどうしますか?)
「どうせだ、あと一層は攻略しておく」
(分かりました、行きましょう)
後一層は見ておきたい。
今の俺ならば大丈夫なはずだ。
正直に言うと不完全燃焼でまだ力を出し尽くしていない。
アテナも乗り気の様だしやるか。
俺は目の前の開いた扉に向けて歩く。
中は一段の幅が三メートルほどの螺旋階段構造になっている。
かなりのスペースがある。
一段一段ゆっくりと降り、ちょうど一周回ったあたりで新しい扉を発見した。
「それじゃあ行こうか」
(必要であればいつでも纏って下さいね)
「分かったよ」
俺は重々しい扉をゆっくりと開ける。
中には……いない?
扉は先ほどと同じすぐに消えた。
居ないなどあり得ない。
……いる。
気配はする。
それも嫌な気配だ。
ナンダ……コレは……。
どのタイプとも違う!!
背中を突き刺されるようなプレッシャー。
あり得ない……まだ2階層だぞ!?
(りょう君! 伏せて!)
俺はアテナの警告に、反射的にしゃがむ。
すると何かが俺の髪の毛をかすめた音が聞こえた。
すぐさま距離をとり、俺の居た場所見る。
浮遊している影。
手には大鎌。
その姿は悪魔、死神。
そして初めに浮かんだ言葉は……。
絶望
《カ、カカ……ナンジ……愚かナリ? ユウかンナリ? ワレノ試練ヲイドミし愚カナ勇者ヲ。そのチカラ、ワレにトドカせてミよ。さ#..裁テ……IノときキタレrィIII》
*
カラ#%ティ#イス(error) LV.ーーー
攻撃:1.24E18
魔力:6.84E9
俊敏:1.85E12
知力:1.04E6
防御:1.45E9
運:-500
スキル
【暗黒LV.MAX】
【絶望LV.MAX】
【漆黒の聖杯LV.94】
【災厄LV.88】
【死の右手・生の左手LV.97】
【悪の波動LV.MAX】
【透過LV.MAX】
【呪殺LV.98】
【魔法無効LV.ー】
称号
【前王】
【落ちし者】
【死の支配者】
【次元の狭間に落ちし帰還者】
*
クソクソクソクソッ!!
意味わかんねぇよ!
いきなりぶっ飛び過ぎだろ!
いつ来ようが関係ねぇじゃねぇか!
足はガタガタと震える。
武者震いではない。
絶対の強者に対する恐怖。
「ア……ァ……」
体はいとも容易く絶望に呑まれる。
まるで心臓を握られているかの様に締め付けられる。
(りょう君!)
ゆっくりと浮遊し、迫る絶望。
見つめるしか出来ない。
迫り来る死が幻覚を見せる。
そうして振りかざされた大鎌。
大鎌は俺の首をめがけて横薙ぎで迫る。
バンッと扉の開く音が聞こえた。
「主様に手を出すなぁァァァァッ!!」
ゴギュ!
翼。
この暗闇でも純白に輝く光……が潰される音。
白銀に煌めかせる羽がその場に舞い落ちる。
「ガブリエル!」
俺は我を忘れて近づく。
すぐさま回復魔法を使う。
しかし治ったと思えばすぐさま同じ傷が開く。
「なんで治らないんだよ!」
「主様……よがった……」
ガブリエルは口から血反吐を流しながら微笑む。
なんで笑っていられるんだよ!
なんでこんな状態で笑っていられるんだよ!
「どうか……おに……げを……」
勝てないのは分かってるだろ!
なぜ手を出した!
なぜ立ち向かえるんだ!
(りょう君、呪いです)
呪い……?
あの呪殺というスキルのせいか。
「なら解呪を!」
俺は解呪を試みるが弾かれる。
クソッ、魔法無効ってのは己自身以外にも通じるってのかよ!
つまりこれは絶対の呪殺。
くそったれが!
「わだしは……いい……です。どうか…どう……」
「ァ……ァァ……」
なぜ助けられない?
俺が弱いから。
もう一度あの技を使うか。
それでも勝てない。
相手との力量は天と地の差。
それならどうする。
答えは単純。
限界を越える。
圧倒的な力で。
そして……。
こいつを倒す!
「なぁ、アテナ。俺はあれ以上を使えると思うか」
(ただでさえ負荷をかけてるんです! 危険です)
ああ、分かってるさ。
だがやらずに終われるか。
こんな結末は認めない!
ザッザー
ノイズが走る。
(クハハハッ、いい覚悟じゃねぇか)
「ヘファイストスか?」
(ああ、いくぞ)
「……【神纏衣】」
俺の体が紅い焔に包まれて赤髪の姿へ変わる。
(涼太、ぶっ壊れる覚悟はあるか)
「元よりそのつもりだ!」
(ならいい。今の俺を纏ったお前ならば上限を超えられる。男見せろや! 俺も全力で手を貸す! 死んでも倒せ!)
そうだな……いこう。
「【限界突破】【風雷神の衣】【全能豪化】【不屈】【狂化】【修羅】」
俺は自身に持つ限りある全ての上昇スキルを使う。
「ァ……ガァ……」
体が軋む。
熱い……。
痛さを超えて燃えるように熱い。
血がマグマに変化し、身体中を巡っている感覚。
まだだ……まだ足りない。
「神羅ァァァァァァァァッ!!」
瞬間
俺の体が光に包まれる。
【errorcode9052400e54gatpgjd99 只今よリ一時的な神kアに移りマす5・4・3・2・1 了】
光から黒と赤が混じり合った炎が俺を包む。
そこに現れたのは羽衣を見に纏った俺の姿だった。
上半身は裸。
下半身は袴の格好。
髪は黒と赤が混ざり合った。
瞳は何者でも燃やし尽くすであろう灼熱の焔と全てを飲み込む漆黒のオッドアイ。
所々に刺青も入っている。
(クハハハッ、ガハハッ! そうか! そうなったか!)
「どういう事だ?」
(運命はお前をどうやら神への道に導きたいらしい)
「面倒ごとが増えそうだな」
(まぁいい。行くぞ。レベル的には次元の狭間のやつだ。全力でやれ。俺たち2人とも死ぬぞ!)
「ああ、こいつだけは何があっても倒す!」
向かい合う2柱の理から外れた存在。
さぁ、始めようか。
俺と次元の狭間の敵
弱肉強食。
弱き者は喰われ、強き者は生き残る。
死合いの始まりだ。
月宮 涼太 (憑依×神化)LV.9010
種族:人族
性別:男
年齢:17
攻撃:854200(+52460000)
魔力:1090000(+4560000)
俊敏:942500(+15260000)
知力:654000(+14560000)
防御:1130000(+32560000)
運:100(+100)
×
【限界突破】:ステータス200%UP
【風雷神の衣】:雷・風属性付与+ステータス120%UP
【全能豪化】:ステータス300%UP
【不屈】:ステータス50%UP
【狂化】:ステータス250%UP
【修羅】:ステータス500%UP
【神羅】:ステータス1000%UP




