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5話 《女神様。ついにバレる》

ペルセポネ→パンドラに変更しました。



「キャァァーーーッ、何なんですかこれ! 何でこんなのがいるんですかー! 死にます。テミス。何とかしなさい!」

「ちょっ、無理言わないで欲しいっす! こんなん無理っすよ。助けてくださいってのはこっちのセリフっすよ!」


 私は必死にテミスに呼びかけるがどうやら相手もそれどころではないようだ。


「も、もういやぁ。しんどい。何なのよぉこれ。私体力ないのよぉ。もう無理」

「諦めないで下さい。アフロ。いえ、貴方は生贄となって下さい。その隙に私たちは逃げます」

「ふざけないでよぉ。というかアフロいうなぁーーッ! マジぶっ殺すわよ!」

「ふっ、本性を現したっすね。そっちの方が性に合ってますよ。アフロさん」

「………」こくこく

「あんたらおぼえてなさいよぉーーッ! 絶対許さないんだからぁ!」


 逃げる。ひたすら逃げる。私達は逃げる。

 一体どこまで逃げればいいのだろうか。


 グワァァァァァァァァァ


「「「キャァァーーーーーッ!!」」」

「………」ぷるぷる


 美しい草原。

 心地よい風。

 そして走り来るドラゴン。


 おかしい。全部おかしい。白い空間があるはずなのに何故こんなだだっ広い草原がひろがっているのか。何故こんなところにドラゴンがいるのか。

 訳が分からない。

 この空間は一体何なのか。







「そこまでです! ファーブニル! 落ち着きなさい」


 何処からかそんな声が聞こえた。

 ふと顔を上げるとそこには6枚翼の天使がいた。イケメンだ。

 他の神と比較にならない程のイケメンであった。


 グワッ


 それに応えるかの様にドラゴンは先ほどの荒れ狂う姿から一変し大人しくなった。


「あなた方はどちら様でしょうか」


 私はそう問いかける。


「おっと、失礼しました。私はメタトロン。涼太様よりここら一帯を管理する様に仰せつかりました最高責任者の1人に当たります。お姿から察するに女神様方で違いありませんか?」

「これはどうもご丁寧に。はい私はパラスと言います。それからこっちがアフ「ねぇ、私はアフロディーテ、いい男じゃないのぉ。貴方の事がもっと知りたいわぁ。今日の夜辺りに一緒にどぅかしらぁ?」ちょっ、このビッチ。いきなり何言ってやがるんですか! 自重しなさい!」

「それとこっちがアルテミスとパンドラです」

「よろしくっす」

「………」こくこく


 私は本題を繰り出す。


「今日は友達のアテナに会いに来たのよ。会いたいのだけれど会えないかしら?」

「なるほど、承知しました。ではご案内致しますので付いてきて下さい。道中にこの場所についても色々ご説明致します。ザキエル、あとのことは任せましたよ」

「はっ、承知しました」


 そう言いメタトロンさんは歩み始めた。


「ここは我らが主である涼太により創造された場所になります。そして東西南北に区切りそれぞれ4人の最高責任者がいます。まず東には主に農林水産を管理しておりますミカエル。西は魔物や神獣を管理しております私メタトロン。北は私達天使が住むための住宅街を総括しておりますセラフィエル。南は娯楽並びに飲食などを総括しているウリエル。それと涼太様とアテナのメイドであるガブリエル。以上がここの最高責任者にあたります。それとは別に私達の補佐として総勢500名を超える天使達がおります」

「な……なるほど。すごいですね」


 とんでもないこと隠していたわねあの子。というか涼太って子はいったい何者なの?


 そして息継ぎなしでよくこれだけの内容を言えたわね。



 それから私たちは暫くお喋りを楽しみながら目的地に向かった。



「さて、着きました。此処に主とアテナ様が住まわれておられます」


 そうしている内どうやら目的の場所に着いた。


「「「「…………」」」」


 どうやら皆んなも絶句しているようだ。それもそのはず。目の前にあるのは城だ。

 そして目の前には門番らしき天使が2人がいる。


「これはメタトロン様。お疲れ様です。それとそちらの方々は一体どなたでしょうか?」

「うむ。この方々はアテナ様のご友人であらせられる。どうやらアテナ様に会いに来られたようだ。通してもらえるか?」

「はっ、ようこそお来し下さいました! どうぞお入り下さい」


 どうやら上手く取り次いでもらえたようだ。


「ねぇ、アテナって、こんなの隠していたのぉ? ずるいわぁ。私たちに黙っているなんて、会ったらお仕置きは確定ねぇ」

「そっすねー。これはないっすよー」

「……有罪ギルティ


 みんなどうやら怒っている。普段喋らないパンドラが声を上げるなんて。相当ご立腹かしら?

 そうして私たちは長い廊下を歩いていく。


「御二方は今は恐らく自室に居られるかと思われます。こちらのエレベーターにお乗り下さい」


 そうして言われるがまま未知の物体に乗った。


「うわ、何すっかこれ?勝手に上がってるっすよ」

「ずるいわぁ、こんな便利な物があるなんて」

「……」こくこく


 うん。すごい、これがハイテクと言うものなのだろうか。


『3階です』


「さて着きました。この奥に御二方は居られます」




 ♢♦♢



「ねぇねぇ、りょう君。今日のおやつはなんですか?」

「今日はメイドたちにも手伝って貰ってケーキバイキングをしようと思います。あと少しで完成していますので待ってて下さい」

「ふわぁぁぁ、バイキングですか。いつもは太っちゃ駄目だから一つだけなのにいったいどうしたんですか?ラッキーですー!」

「日頃からの感謝の気持ちですよ。たくさん食べて下さいね」

「やったー! ありがうございますー! ふふふ」


 アテナは上機嫌だ。何故今日に限ってバイキングかと言うと結界に女神らしき反応があったからだ。となるとアテナの友達が来たということだろう。アテナ1人にだけこんな物を食べさせている処を見つかれば大惨事になる可能性が出てくる。

 つまりこれは所謂保険だ。

 そうして俺はキッチンに向かった。






 キッチンに入ると天使達がせっせと働いている。

 俺に気づいたのかガブリエルがやってくる。


「ご主人様、申し訳ありません。後少しで完成するので少々お待ち下さい」

「いや、俺も手伝うよ。あと何が出来ていないんだ?」

「ありがとうございます。チョコケーキ、ショートケーキ、フルーツケーキ、チーズケーキは完成しているのですがモンブランがまだ出来てない状況になります。タルトが上手く焼けてないので焼き直している状態です」

「ああ、タルト生地か、難しいもんな。俺の所為でもあるから後は俺がやろう」

「申し訳ありません。私たちが未熟なばかりに」

「気にするな。これは完全に俺のこだわりだからお前達は悪くない」


 そう、俺は大のタルト好きである。

 いや、正確に言うならばタルトやパイのサクッとした感じが大好きなのだ。

 日本にいた頃食べたことのないタルト生地のケーキを見つけては買っていたのだが中々納得のいく物が現れなかった。

 終いには自分で試行錯誤して納得のいく物を完成させてしまった。


 俺は手際よく作りっていく。



「アテナ。完成したぞー!」


 そうして俺は次々にテーブルに作ったケーキをまっていく。


「ふわぁ、いっぱいあります! しかもホールじゃないですか! カットではなくホールごと出てきましたよ! すごいです!」


 アテナのテンションはマックスである。目がキラキラしている。尻尾があればはち切れんばかりに振っているのが想像できる。


 目の前には順に、チョコケーキ、ショートケーキ、フルーツケーキ、チーズケーキ、モンブラン。それからどうせなのでシフォンケーキ、プリン、クッキー、チョコレートタワーなど数々のデザート。それから紅茶を用意した。


「では食べましょうか」

「はい! いただきます!」



 ♢♦♢


 一際大きな扉がある。どうやらここにアテナはここにいるようだ。


「確認をして取りますのでお待ちを」


 コンコン


「涼太様、アテナ様。お客様がお見えになられました」


 すると中から……。


「ふぉ、おふぁふははへふはー? ふぁへへひょうか(え、お客様ですかー? 誰でしょうか)」

「ああ、来られましたか。どうぞお入り下さい。それとアテナ。口に物を入れて喋らないで下さい」

「ふぁい、ふひはへん(はい、すみません)」


 と、扉の中からそんな会話が聞こえた。何か食べているのかしら。


「では、どうぞ。ごゆっくりと」


 そうしてメタトロンさんは去って行った。




 さて……。


 バンッ!


「アテナーー! 私たちに黙って何をしとるかーー! いい度胸じゃないの!」

「テナっち。覚悟するっすよ!」

「さてどうしてくれようかしらぁ? ふふふっ」

「………」じーー


 そして肝心のアテナは……


「ごふっ、ふがっ、ゴホゴホ。な、何故貴方達が此処に居るんですか! ゴホッ、ヤバイですよ、りょう君。どうしましょう」

「お待ちしておりました皆様。お怒りなのはごもっともなのですが先ずはご一緒に食べませんか?」


 アテナと一緒にいる男性が声をかけてきた。この人が涼太さんなのだろうか? そうして指をさした方を見てみる。



 そこには桃源郷があった。

 これが何なのかは分からない。

 でも分かる。

 本能が言っている。

 これは私たちが探し求めていたものだと。


「すごいっすよ。何っすかこれは。食べ物っすか? 全然見たことないものじゃないっすよ! いい匂いがするっす!」

「あぁ、体が疼いちゃう。早く食べましょう」

「………」こくこく


 どうやらこれを見たせいなのか先ほどの怒りは何処かへ消えてしまった。


「貴方が涼太さんですか? これは何ですか? 貴方が用意した物なのでしょうか?」

「はい、正確には私とメイドたちによるものですが。どうぞお好きなものをお取り下さい。折角です。楽しみましょう」



 こうして女神様方のお茶会が始まった。




【言語完全翻訳】

【完全記憶】

【創造魔法LV.21】

【料理スキルLV.51】

【時空魔法LV.34】

【次元魔法LV33】

【回復魔法LV.12】

【元素魔法LV.35】

【召喚魔法LV.32】

【結界魔法LV.43】

【崩壊魔法LV.42】

【痛覚遮断LV.56】

【超再生.LV38】

【 】

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