3話 《世界設定/女神様の集会》
ふぅ、俺はふと本から目を離す。
アテナと出会い早くも1か月が過ぎようとしていた。
最近聞かされたのだが女神様の名前はアテナというらしい。
最初は女神様と変えずに呼んでいたのだが名前で呼んでほしいアピールが凄くて俺の方が折れたのだ。
積み重なった本はまだまだあるがこの世界の全貌が見えてきた。この世界はラトゥースというらしい。
人の国は主に5つ。
ラバン王国、シュテム帝国、セリア王国、ミルス聖国、グロテウス王国。
それとは別に魔族の国。獣人やエルフなどを総じて亜人族というらしい。
割合的には人:魔族:亜人=6:3:1で圧倒的に亜人が少なく虐げられているらいし。
文明は中世ヨーロッパのような街並みのようだ。テンプレ通りである。
次に魔法スキルについてだ。スキルにはレベルとは別に初級、中級、上級、超級、超越級、神話級のスキルがある様だ。
俺は新たに【回復魔法】【崩壊魔法】【元素魔法】【召喚魔法】【結界魔法】【超再生】【痛覚遮断】を得た。ザックリした説明は以下の通りだ。
【創造魔方】
・物質創造(物質を創造する)
・スキル創造(スキルを創造する)
・神器創造(神器を創造する)
・生物創造(生物を創造する)
・惑星創造(惑星を創造する)
この【創造魔方】はLV.MAXになると【森羅万象】というスキルに変わるらしい。正直な話、創造魔法ですでにチートなのでどうなるか怖い。
【時空魔法】
・クイック(時を早める)
・スロウ(時を遅くする)
・タイムストップ(時を止める)
・タイムレボリューション(時を戻す)
・ブラックホール(ブラックホールを作る)etc…
【次元魔法】
・アイテムボックス(物質に亜空間を作る)
・空間作成(亜空間を作る)
・ディメンションカッター(次元ごと切る)
・テレポート(転移を可能にする)
・時渡り(歩んだ時を渡れる)etc…
尚、【時空魔法】、【次元魔法】が互いにLV.MAXの時に合併し【六道輪廻】というスキルに変更可能。
【回復魔法】
・ヒール(回復させる)
・キュア(状態異常を回復させる)
・リカバー(瀕死の重傷を回復させる)
・リザーブ(範囲にいる仲間を回復させる)
・リザレクション(死者蘇生)etc…
【元素魔法】火・水・風・土・光・闇・雷
・ファイアボール、ウォーターボール…
・ファイアストーム、ウォーターストーム…
・インフェルノ、フィンブル…
・エクスプロージョン、テンペスト…
・コキュートス、メテオ、トールハンマー…
【結界魔法】
・ソナー(探知する)
・結界(範囲に結界を張る)
・バリア(相手の攻撃を防ぐ)
・リフレフション(攻撃を反射する)
・封印(封印する)…
【召喚魔法】
・魔物召喚
・幻獣召喚
・神獣召喚
・多重召喚
・女神召喚
【崩壊魔法】
・腐食(触れたものを腐らせる)
・分解(触れたものを分解する)
・風化(触れたものを風化させる)
・崩壊(触れたものを原子崩壊させる)
・万物崩壊(無に返す)…
LV.99で【消滅魔法】に変更可能。
【消滅魔法】がLV.MAXで【無始無終】
頑張った。俺凄く頑張ったよ。
【創造魔法】は危険性も低いのでほぼ問題は起きなかった。
しかし【崩壊魔法】と【時空魔法】はレベルを上げるのに凄く苦労した。
最初に腐食を使った時辺り一面が腐敗してしまったからだ。
亜空間で作った原っぱだったのだが文字どうりの地獄絵図になった。
動物も植物も等しく腐敗しているんだぜ。
そのあと片付けのつもりで放ったファイアストームがやばかった。
どうやら腐敗が進んでメタンやらのガスが出ていたようだった。
後はどうなる分かるだろ?大爆発ですよ。
死にました。
マジで死にました。
いや、【超再生】があるから死んでも死ねないんだが、【痛覚遮断】なんて使う余裕なかったね。
「アイギス!」
俺は【神器創造】により盾を創造。
さらに必死に結界張って守ろうといた。
そのおかげで【結界魔法】のレベルも大幅に上がった。
そこからは慎重に少しずつ崩壊と創造を繰り返しながらなんとかレベルを上げることができたよ。
でも甘かった。
ガムシロに砂糖を打ち込むよりも甘かった。
ブラックホール、【時空魔法】で覚えられたスキルだ。
興味本位だった。
絶対やばいと思って何重にも結界やらバリアを張った。
でも無駄だった。
全てが無駄だった。
星をも飲みこむ。
まさにそれだ。
俺は急いでタイムレボリューションで時を戻そうとするがブラックホールのエネルギー量に押し負けゆっくりと時を進ませることしかできなかった。
俺は急いで亜空間作成。
そこから空間を切り離した。
しばらくして、収まったであろう部屋に行く。
そこには何もなかった。
ただの暗闇、アテナと最初に会った時の白い空間さえなかった。
俺は魔法の限りを尽くして何事も無かったかのように戻した。
俺はもうこんな馬鹿なことはしないと誓ったのだった。
というわけでいわばこれは休憩だ。
神は俺に休めと言っているのだ。
そうだ、ゲームをしよう。
気分転換にはもってこいだ。
そして俺はテレビと記憶にあるゲームを創造した。ほんと、アテナがいない時でよかった。
♢♦♢
私は女神である。
名前はアテナ。
りょう君と2人きりの生活を送っている。
今私の周りには4人の女神がいる。
大親友ことパラス、パイオツと顔が少しいいだけで男神の連中にモテるビッチことアフロディーテ、いつも無駄に元気なアルテミス、そして基本的に引きこもりのパンドラだ。
「ねぇ、アテナ。最近何かいいことでもあったのぉ? 髪もどうやったらそんなサラサラになるのぉ? 気になるわぁ」
そう言ってくるのは、美女神ことアフロディーテ。
やはり美を司るだけあって鋭いな。
チッ。
「え〜、別に大したことはしていないですよ。少し食生活を変えたのと適度な運動をし始めたことくらいじゃないかしら?」
クハハッ、誰がお前なんぞに言うか。
りょう君に毎晩に髪の手入れ。
マッサージをしてもらっているなど言うわけないだろう。
そう、あれは2週間ほど前……。
♢♦♢
それはりょう君と一緒にお風呂に入った時のことであった。
「なぁ、前から思っていたんだがアテナはシャンプーとかしないのか?」
「シャンプーって何ですか?」
「ああ、知らんのか。なら丁度いいや。こっちにきな。目に入ったらしみるから気をつけろよ」
私は言われるがままりょう君の前に座った。
するとりょう君は何やらドロッとした液体を私の頭に垂らしマッサージをするかのように髪を触り始めた。
鏡越しにみたら私の頭がアワアワではないか。
これは前にりょう君が出してくれたアワアワハンドソープみたいではないか!
暫く念入りに優しく洗われるとマッサージをしてくれた。
これが凄く気持ちいいのだ。
まるで天に昇るかのように頭がフワフワする。
まさに至福と時である。
流し終わったらトリートメントというものをしてくれた。
これはすごい。
枝毛で悩んでいた私の髪がサラサラヘアーになったではないか。
ふふっ、これはすごい。
他の女神達も涙目であろう。
想像するだけで優越感が溢れ出てくる。りょう君には感謝しても仕切れない。
♢♦♢
「うそだぁ、そう簡単にそんなにはならないよぉ。何か隠しているなぁー! テナっち。男か! 男なのか! 万年処女アテナについに男ができたのか!」
アルテミスことテミスが騒いでいる。
供物の果物を食べながら騒いでいる。
「ふふっ、秘密よ。乙女には秘密が沢山あるんだから」
「ねぇ、アテナ、私にだけでも教えてくれない?親友でしょ。教えてくれたっていいじゃない。パンドラも気になるわよね」
「…………」こくこくこく
パンドラ、貴方もですか……。
でも言えないのよ。
ショートケーキ、シュークリーム、パンケーキ大福。
思い出しただけだ頬が自然とにやける。
それにご飯だって涙が出るほど美味しにものばかりだ。
考えてみてよ。
そんな至高の一時を1か月も黙って独り占めなんて私なら怒りの沸点などとうに超えているわ!
そんな状況で言えるわけないじゃない。
だから私は決めたの。
何が何でもバレないようにする。
りょう君との甘い一時は誰にも邪魔させない。
敵は容赦なく排除する。
そう決めたの。
だからごめんね。みんな。私の礎となって!
「本当に何もないわよ。気にしないで。じゃあ今日のお茶会兼報告会は終わりにしましょう」
早く帰らないとりょう君も待ってるだろうしね。
とっとと帰るに越したことはないわね。
私は早々とその場から去っていった。
♢♦♢
「ねぇ、みんなぁ、絶対アテナ何か隠しているわよね」
「間違いないっすね、バレバレっすね」
「私にも隠し事だなんてショックだわ、いっそのことあの子をつけてみない?」
「…………」こくこく
「どうやらみんな心は一つのようね。相手も私たちがつけて来ると考慮しているかもしれない。では1週間後ここに集合、アテナを探りにいくわよ!」
【言語完全翻訳】
【完全記憶】
【創造魔法LV.21】
【料理スキルLV.51】
【時空魔法LV.34】
【次元魔法LV33】
【回復魔法LV.12】
【元素魔法LV.35】
【召喚魔法LV.32】
【結界魔法LV.43】
【崩壊魔法LV.42】
【痛覚遮断LV.56】
【超再生.LV38】
【 】
【 】
【 】
【 】
【 】
【 】
【 】