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40話 シャナさんの屋敷へ

10万pv達成!!

ご愛読ありがとうございます。



 Eランクになったので新く、どんな依頼が出来るのか見てみる。


 Eランクボード


 ・鉄鉱石運び、1キログラムあたり800ペル

 ・上薬草頼む、1束1000ペル

 ・料理人募集、1日5000ペル

 ・オーク討伐、一匹あたり4000ペル

 ・一夜を共に過ごそうぜ! (女不可)15000ペル

 ・ポーター望む、依頼料の一割

 ………………

 …………

 ……


 ふむ、討伐依頼は少し増えたかな。

 街中ではなく、外に出て依頼をすることは段違いに増えている様だ。

 ツッコミどころのある依頼が増えた。

 うーん、しっくりくる依頼がないな。

 Fランク依頼の方がしっくりくる。


 俺がボートの前で依頼が決まらずに唸っていると、カインが声をかけて来た。


「なんだ涼太、悩み中か?」

「そうなんだよ、Eランクになったからどんな依頼があるか見ていたがしっくりくるのが無くてな」「あー、Eランクって一番中途半端なランクだからな」


 カインは己の経験則から、俺に相槌をして納得する。


「そうなのか?」

「ああ、雑用は卒業したが強いモンスターを倒すにはまだ足りない。すると、必然的に安全だが探すのに苦労する採取依頼やらめんどくさい依頼ばかりになる」


 流石は先輩だ。

 やはり。カインも苦労したのだろうか。

 どこか儚げな目を俺に向けてくる。


「CランクはEランクとは違うのか?」

「全然違うぞ。見てみるか?」


 俺はカインに連れられてCランクボートの方に向かう。


 Cランクボート


 ・オーガ討伐、一匹につき五万ペル

 ・ラバン王国までの護衛、十万ペル

 ・霊草採取、1束二万ペル

 ・ダークタイガー討伐、八万ペル

 ・剣術の先生頼む、一週間につき七万ペル

 ・ダンジョン攻略の人員、一日につき三万ペル

 …………………

 ……………

 ……



 俺はEランクとの違いに驚愕した。

 依頼の内容が違う。

 何より、報酬が段違いだ。

 二つランク上げるだけでここまで違うのか。


「お前ならパパッと上げられるだろ、早く上げて一緒に狩りに行こうぜ!」

「そうだな、早くランクを上げられる様に頑張るよ」


 Cランクになれば護衛依頼も増えるのか。

 ラバン王国か。

 クリスの学園があるところだよな。

 行くついでに依頼を受けるのもいいな。

 難しい依頼になるに連れて日帰り依頼も少なくなってるな。

 出来れば日帰りが良いんだが、贅沢は言えないか。


「涼太さん、こちらに居られましたか」

「こんにちは、シーダさん。何か様ですか」

「はい、指名依頼が入っております」

「誰からですか」

「ネビル伯爵からです。凄いですね! Eランクで……それも貴族からの指名依頼なんて滅多にありませんよ」


 シャナさんか。

 また買い物に付き合ってとかかな?

 そう言えば、家に招くなんて事も言っていたな。


「依頼内容は何ですか?」

「それが、屋敷に来て欲しいとしか聞かされていないんですよ。あと、手土産を持って来て欲しいとの事です」


 手土産?

 お菓子の事かな。


「分かりました。時間指定などはありますか?」

「いえ、いつでも良いとの事です」

「分かりました。それじゃあ今日中には行きますね」


 何を作ろうかな。

 オーソドックスにケーキやクッキーでいいか。

 多分、娘さんにも食べて貰うから。


「涼太、お前凄えな。伯爵からの指名依頼か、本当はランク詐欺なんじゃねぇのか?」

「失敬な、この前にEランクに上げるのを見てただろ。カインは貴族のお得意様はいないのか?」

「普通はいねぇよ、Aランクになれば増えてくるが冒険者を嫌う貴族も少なくないからな」

「そうか、それじゃあ行ってくるよ」

「おう、頑張れよ」



 ♢♦♢



 まったりとお菓子を作っているうちに、一時間が経った。

 そろそろ行くか。

 玄関を出ると、ハイゼット家の都合で壊された俺の家とハイゼット家を繋ぐ仕切りの方から声が聞こえる。


 クリスか、騎士団長と剣術の練習でもやってあるのかな?

 こちらに気がついたのかクリスがやって来た。


「あれ? 涼太さん、どこかに行くのですか」

「これから依頼だよ、冒険者だからね」

「そうですか、頑張ってきて下さい」

「行ってくるよ」




ネビル邸に着いたところでお馴染みの門番さんがいた。


「こんにちは。指名依頼で参りました月宮涼太です」

「おお、話は聞いている。早かったな、期限はまだあった筈なのにその日のうちに来るとは殊勝だな」

「せっかくの指名依頼ですからね、待たせてはいけませんよ」

「分かった、直ぐに取り次いでくるから少し待っていてくれ」

「その必要は無いわ」


 いつの間にかシャナさんが来ていた。

 格好は初めて見る薄い生地で動きやすそうな服だ。

 俺がいつも会う時はしっかりとした貴族の正装だから新鮮だな。


「こんにちは、シャナさん」

「待っていたわ、涼太さん。早速だけ私の自室に来てもらえるかしら?」

「分かりました」


 そうして、前に来た通りの道順でシャナさんの自室までやって来た。


「お母様! あの方々来られたのですか?」


 おや、お嬢様が部屋にいるじゃないか。


「リゼ、思ったよりも早い到着だったわよ。涼太さん、今日は娘のリゼが会いたいとの事で貴方に指名依頼をしたのよ」


 俺ってなんかしたっけ?

 一度会って、アイテムボックスを造ってあげただけだけど。


「会いたかったです。翡翠の騎士様!」


 俺の心臓の音が跳ね上がった。

 何で!?


「シャナさん、娘さんに教えたのですか? 会議の場に居た人以外には喋るなとの事でしたよ」

「いえ、それは違うわ。この子が分かったのはスキルのおかげなのよ」

「スキルですか?」

「はい! 私は『心眼』というスキルを持っており、魔力のオーラで人を区別出来るのです」


 え、つまり……。


「大侵攻の際に傷の治療で大魔法を使った騎士様のオーラはとても美しかったです。そのオーラは以前に出会った時の貴方からも感じられたので私は貴方が翡翠の騎士様だと確信しました」


 あー、やっちゃったか。

 魔力のオーラは隠せないからなぁ。


 俺は翡翠の騎士の格好で広範囲魔法を使った。

 そのオーラを見たという事か。


「そのスキルって珍しいのですか?」


 これは聞いておかなくてはならない。

 多くの人が持っているスキルなら俺にとって、必ず都合が悪い場面がやってくるはずだ。


「このスキルを持っている人は恐らくこの世界に数えるほどしかいません」


 良かった。

 希少性の高いスキルだったか。


「俺がその翡翠の騎士だという事は内密にして下さいね。バレたくありませんから」

「もちろんよ、私の方からもきつく言っておいたから大丈夫よ」


 シャナさんがそう言うのであれば問題はないだろう。


「そう言えば、手土産と書いてあったので一応持って来ましたよ」


 そう言えば、手土産を初めに出すのを忘れていたな。


「お嬢様……「リゼと及び下さい。呼び捨てで構いません」」

「分かりました」

「敬語もいりませんよ」

「分かった。俺の事も名前で呼んでくれ」

「分かりました。涼太様」


 様付けなのか。

 貴族には普通、敬称をつけて呼ばないといけない。

 クリスもだが、いいのかそれで?


「リゼは甘い物は好きか?」

「はい、好きです」

「良かった、じゃあ手土産と言っては何だがお菓子を作ってきたよ」


 俺はテーブルの上に先程作ってきたお菓子を出す。


「あら、この間とは違う物ね。でも美味しそうだわ」

「はい、どんな味か楽しみです」


 そう言い、二人は側にあるフォークで躊躇なく食べ始めた。


「んー! 何ですかこれ! 凄く美味しいです」

「前の食事で出した物も美味しかったけど、こっちも凄く美味しいわね」

「あの、二人共。毒味ぐらいするのが自然では?」

「貴方に渡したバッジは何の為にあると思ってるの? 貴方の事は信用してるから問題無いわよ」


 再びお菓子を食べ始め、メイドさんがお茶を持っていてくれた。

 本当にいいのか?




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