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2話 《女神様の至福》


 俺は調べていた本の中から【料理】を選択し自分のスキルと化す。

 料理は家で嗜む程度にはやっていたのでいらないだろうと思っていた。


 自分のものを作る程度ならいらないだろう。

 しかし、そんなことはなかった。

 だが女神様たちに食べてもらうのであれば躊躇するはずもない。


「女神様、何か食べたいものはありますか?」

「えっとね、お任せしていい? よく分からないから」

「承知」


 俺は創造魔法で塩、胡椒、味醂などの調味料、野菜、肉、魚、卵、並びに冷蔵庫などを創造する。

 冷蔵庫は動くのかどうか心配したがどうやら魔力によって動いているようで安心した。


『【創造魔法】のレベルが上がりました』


 頭の中にアナウンスが流れる。

 これぐらいでレベル上がるのか。

 ここでは魔力が無限だから使えば使うほど得ということか?

 それなら今度いろいろ試してみるのも悪くないな。


 そうして俺は調理に取り掛かった。

 まず俺はデザートのプリンから作る。

 蒸したり冷やしたりするので時間がかかるからだ。

 俺は滑らかな手さばきで片手で卵を割っていく。


 余談だが卵を片手で割るのは難しいと思われがちだが実はそこまで難しいというわけでもない。

 失敗する理由は卵全体にゆっくりと力を入れることで全体に力がかかってしまうことだ。

 コツは卵を軽くもち手首をスナップするかのように軽くコツンと中心を叩くことだ。

 すると一点に力が集中して綺麗に割れる。

 あとは慣れだ。


 そしてカラメルソースも作り終え、あとは冷やす。

 冷蔵庫にプリンを入れて次の調理に取り掛かる。

 炊飯ジャーを創造し米を炊く準備を完了。


 そしてメインの肉料理を作る。

 今日はチキン南蛮にしよう。

 そうして俺はサクサクと仕上げていく。


 最後にサラダを仕上げて完成だ。


『【料理スキル】のレベルが上がりました』



「さて、女神様。出来ましたよ」

「ふわぁ、すごい美味しそうです! これ食べてもいいんですか?」

「もちろん、女神様のための料理ですから。さて一緒に食べましょうか」


 そうして俺は女神様にフォークとナイフを渡し俺は箸を用意する。


 さて、実食だ。

 思っていた以上の出来なのは、料理スキルの効果なのだろうか。

 俺はパクパク食べ、ふと女神様の方を見ると女神様の手が止まっていた。


「ヒグッ……おいしいでず……こんなの知らなかったでず……ヒクッ」

 

 女神様は目から大粒の涙を流しながら食べていた。


「たくさんあるからゆっくり食べて下さい」

「ウゥ……ありがどうございまず」


 そうして女神様は一心不乱に食べた。


 さて、デザートはそろそろ冷えてきた頃合いだろうか確認すると丁度いい感じに冷えていた。


「女神様、デザートのプリンが完成しましたので食べましょう!」

「プリンってなんですか?」

「甘くて美味しいものですよ」

「はい、食べたいです!」


 女神様目はとてもキラキラしている。

 今までの中で一番ではないだろうか。


「ではどうぞ。このスプーンですくって食べて下さい」


 そうして口に入れた瞬間、


「……すごいです! 甘くて口の中でとろけます! こんなのがあったなんて……うぅ」


 どうやらご満悦のようだ。


 そうして俺は片付けをして寝室にキングサイズのベッドを創造し2時間ほど本を読み意識を暗闇の中に落とした。



 ♢♦♢


 朝だ体が重い、というか身動き一つ取れない。

 いわゆるこれが金縛りというやつ、俺に金縛りをしようとはどこのどいつだ。

 俺の安眠を妨げようとする輩は、スキルのがぎりを尽くして破壊してやろう。


 そう決心し目を開けると目の前にはメンロがあった。そう、メロンである。2つのメロン。美味しそうなメロン。

 おっとよく見れば我が女神様ではないか。

 危ない危ないもう少しで法的に捕まるところであった。

 いや、ここに法などない。

 いける! 神は俺にいけと囁いてる。

 そうして再び歩み始めると……。


「ぅん……りょうたさん……おはようございます」

「やあ、おはようございます。爽やかな朝ですね、女神様」


 何事も無かったかのように俺は返答した。

 誰だ破壊しようなどと言った奴は俺が裁きを下し消滅させてやる。

 すいません。俺です。


「女神様、何故俺のベットに?」

「だってこんなに大きくて立派で凄いのを見て我慢なんて出来るわけ無いじゃないですか」


 何故その表現を使うのだ。わざとか?


「すいません。起きるので退いてもらえないでしょうか?」


 名残り惜しいがここは紳士的な回答をする。


「やですぅ……もっとここにいたいですぅ」


 それに対し俺の想像を超える回答をなされた。


「では今日からは毎日一緒に寝ましょうか?」


 俺は罠を仕掛けた。


「わぁ、ありがとうございます」


 そうして見事女神様は罠に掛かった。

 くっくっ、これで毎日女神様といっしょだ。


「名残惜しいですが、朝食の準備をしますので起きましょうか。起きて下さい」

「はい。起きます! おはようございます! 今日のご飯はなんですか?」


 どうやら胃袋は完全に掴まれたようだ。


「朝はシンプルに食パンに目玉焼き、ベーコンにしようと思います。楽しみにしてて下さい」


 俺はそうしてスキルにあった【時空魔法LV.1】とついでに【次元魔法LV.1】を習得する。


 このスキルを得た目的は大豆を二次発酵するためだ。

 それにファンタジーといえばアイテムボックスだ。

 どうやら本には次元魔法でアイテムボックス自体は作れるが時間の経過は止められないらしい。

 時間を止めるにはどうやら時空魔法で時間を止める工程が必要なようだ。

 ならば必然とそのスキルを取るのは当たり前だ。


 さて、試しに時空魔法で発酵させてみる。

 時間を加速させてみると想像以上に早く膨れ上がる。

 あれ……腐敗臭?

 よそ見をしてる間に時間がかかりすぎて腐ってしまった。

 そりゃ、LV.1でそう簡単に上手くいくわけないか。

 今度は慎重にゆっくりと発酵させていく。

 いい感じに膨れた。

 成功のようだ。

 後はオーブンで焼くのだが思ったよりも調理器具がごちゃごちゃしてきたので創造して新しい部屋を作る。

 本当に便利だ。

 

 そして焼けた食パンを見る。

 いい感じにに焼けてフワフワだ。



「女神様-! できましたよ!」


 そう呼びかけると一目散に駆け寄ってきた。

 犬か。


「ふわぁ、フワフワです! 美味しそうです!」


 そうして俺はバター、ジャム、ハチミツを用意し焼けた目玉焼き、ベーコンを皿に乗せテーブルに向かう。

 女神様は待ちきれんばかりの期待の目をしていた。


「では食べましょう。いただきます」

「いただきます?」

「はい、地球では食材に感謝をこめていただきますといいます」

「なるほど、こちらの世界ではない習慣ですね。ではいただきますをしましょうか」

「「いただきます」」



 こうして俺の朝は始まった。




【言語完全翻訳】

【完全記憶】

【創造魔法LV.8】

【料理スキルLV.12】

【時空魔法LV.14】

【次元魔法LV.8】

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