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36話 大侵攻(ヨルムンガルド)



 大きな気配がついに露わになった。


「大きいな」

(大きいですね)


 全長200メートルはありそうだ。

 こいつがヨルムンガンドか。


 *


 ヨルムンガンド LV.6840


 攻撃:84260

 魔力:85000

 俊敏:65240

 知力:75260

 防御:96000

 運:70


 スキル

【捕食LV.65】

【猛毒LV.97】

【魔物使役LV.46】

【悪食LV.74】

【硬化LV.52】

【水魔法LV.67】

【覇者LV.52】

【神敵LV.24】





「なぁ、不吉なスキルがあるんだけど何か知ってる?」

(あれ? 言ってませんでしたっけ、ヨルムンガルドは元々は神界にいた魔物ですよ。ウチの一人がやられて死にかけたので、緊急作としてこの地上に降ろしたのですよ)


 初耳な事があるんだけど。

 というか、お前らのせいか!


「神界ってお前ら神以外に居ないんじゃないのか?」

(馬鹿言わないで下さいよ。邪神やら悪神や魔神だっていますよ。その配下の魔物達と私達は日々戦ってるんです。私達だって毎日自由に過ごしている訳ではないのですよ)


 スケールがどんどんデカくなっていくんだけど。

 そうか、神にレベルがあるのはそういう事か。

 神界にも敵が居るならば辻褄が合うな。


「まぁ、俺には関係のない事だな。俺って、地上側だし」

(何を言っているのですか? りょう君にも手伝って貰うと思いますよ。ヘファイストスも一緒に連れて行くと乗り気でした)


 俺に自由は無いのか?


(既にガブリエル達も偶に一緒に戦いに行ってますよ?)


 そうか、何か凄く強くなってると思ったら戦っていたのね。

 それと、うちの子を勝手に連れ出さないで下さい。俺を超えちゃったら、主人として立つ瀬が無いじゃないですか!

 という事はこいつレベルがウジャウジャ居るって事?

 何その鬼畜ゲー。



 フシャァァァァァァァ!



「やるぞ、アテナ」

(了解です! 猛毒がちょっとばかし危険です。気をつけて下さい、当たればマジで死にます)

「分かってるよ、霊装グラディアス!」


 槍はヨルムンガルドにめがけて直行する。


「やだなぁ、そこまでかよ」


 槍はヨルムンガルドに触れた途端に溶かされた。

 それはもう跡形も無くだ。

 毒を吐くタイプじゃなくて、毒を体中に纏ってますよってか?

 一番嫌なタイプじゃないか。

 口からの毒なら皮膚を剣で斬る事が出来る。

 でも、今の様子だと斬りつけても溶かされるのがオチだ。


「ちっ、戦うには場所が悪過ぎるな。下手をしたら結界が破られそうだ」

(どうしますか?)

「ヨルムンガルドごと空間転移で場所を移す」

(了解です!)


 俺は座標を設定してヨルムンガルドとその場から消えた。


「100キロ程離れれば問題無いか」


 そして、ヨルムンガルドが辿たどって来た道を戻る形でセリア王国から離れた。


「まずは小手調べだ。【大嵐テンペスト】からの【氷刃アイスエッジ】」


 数百メートルの高さの竜巻が現れる。

 更に俺は殺傷能力を高める為に氷の刃を混ぜる。

 普通の魔物なら切り刻まれて死ぬ。


(浮き上がらないどころか傷一つ無いのですか)

「恐らく硬化を使ったんだろうな」


 嵐の中から、のそのそとヨルムンガルドは現れる。

 そして口からは大量の液体が俺を覆う様に放たれた。


(気をつけて下さい、酸です! 溶かされますよ)

「問題無い、所詮は液体だ。【絶氷球スノーボール】」


 俺の手から雪玉が放たれる。

 液体に当たると氷が侵食していき酸の液体は氷のアートになった。



(成る程、こういう防ぎ方があるのですね)

「液体なら凍らせるのが、一番手っ取り早いだろ。逆にお前らはどう戦っていたんだ?」

(えっと、確か毒は避けて魔法を放ってましたっけ?)


 まぁ、武器は利かないよな。

 神器は最後の手段だ。

 となると、やはり魔法だな。


「【次元斬ディメンションカッター】」


 大抵の魔物はこれで死ぬ。

 だけど、そこまで甘くは無いよな。

 皮膚が少し切れた。


(避けて下さい!)


 ヨルムンガルドの巨体が高速で上から俺を潰すように叩きつけられる。


「あっぶね! 受けたら死ぬぞこれ」


 俺は何とかギリギリでそれを回避する。

 地鳴りが辺りに響き、地面が割れた。



 この振動って絶対にセリア王国まで伝わっているだろうな。

 それぐらい凄かったぞ?

 だがこのレベルの魔法なら効果はある、ならこれだ!


「【消滅光線ディサピアランスレイ】」


 ヨルムンガルドにめがけて滅びの光線が放たれる。

 光線は容易に体を貫いた。



 フルジャァァァァ!


「よし、効いたな!」

(当たり前ですよ。部位を消滅させたんだから、これで効かなかったらお手上げですよ)

「それもそうだな。対処法は分かった、終わりだ」


 先程の光線を俺は連射する。

 次々にヨルムンガルドの体に穴が開いていく。


「はっははは、のたうち回れ! 防ぐ事のできない攻撃ってどんな感じだ? 踊れ! もがけ! 苦しめ!」

(ストレスでも溜まってるんですか?)


 ストレスしか逆に溜まってませんよ。

 発散させて貰おう。

 俺はひたすら手を休める事なく魔法を放つ。


 暫く放ち続けているとヨルムンガルドは動かなくなった。

 ちっ、軟弱な奴だ。

 穴だらけになってしまったけど、素材自体が多分良いから使えるだろう。


「あー、疲れた。久々に魔法を連発したな」

(お疲れ様です、流石はりょう君ですね)


 さて、後は倒した証拠だよな。

 俺は元いた場所に戻る。

 うわぁ、空間ごと移動したせいなのか地面が綺麗な平らになってる。

 ガッツさんは現状を把握は出来てるのかな?

 一応、もしもの事があったらと空間転移の事は伝えてるんだけど。


 俺は剣を掲げて勝利を周りに知らせる。


「我々の勝利だ!!」


 ウォォォォォォォォ!!


 ガッツさんは察したのか大声で勝利の宣言を周りに告げる。

 ナイスだ、無言だったら怒っちゃうところだったんだから。

 取り敢えず、これで一件落着か。

 俺はその場から消えて、陛下のいる元へ帰る。



「戻りました」

「うむ、凄まじかったな。お前に頼んでおいて正解だったぞ」

「そりゃ、どうも。俺は疲れたので家に帰りますね」

「ご苦労だった、後の処理は私達に任せてゆっくり休め」


 どうやら、本当にこれでお役御免の様なので俺は自室に転移する。

 鎧を解いて、ベットにダイブする。

 時刻は夕方の6時。

 少し早いが俺は深い眠りについた。





すいません、4〜5話程度にまとめるつもりだったのですが、伸びてしまいました。

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