15話 攻略
「では、第一回誰がりょう君と神衣憑依を使うのか会議を始めたいと思います」
パチパチパチパチ
周りからは盛大な拍手が上がる。
「なぁ、何でこんな事しているんだ?必要ないだろ」
「「「「大切なことです!」」」」
お、おう。
「先ほどは大変だったんですからね。りょう君が地上に降りた途端にボコボコにやられているのを見てみんな慌てていたんですよ」
「そうよぉ、緊急事態だったから古株のアテナに譲っただけなのぉ、次は私よぉ」
「何言ってんっすか、アディはそこまで強くないでしょ。ここはウチの出番っすよ」
なるほど、確かに憑依は1人の神しか己の身に降ろせない。すると必然的に誰が一緒になるか揉めるということか。
「おい、涼太。俺にしときな、この中じゃ一番強えのは俺だ。俺がいれば怖いもんなしだぜ。ガハハハ」
ここぞとばかりにヘファイトスが言ってくる。
うん。まぁ、戦い好きだもんね。
ウズウズしているのが見てて分かるもん。
そう言えばヘファイトスのステータスってどんなのだ?
俺は気になり見てみた。
*
ヘファイトス LV.155600
種族:神
性別:男
年齢:####
攻撃:25300000
魔力:8500000
俊敏:13000000
知力:9200000
防御:19500000
運:100
スキル
【鍛冶LV.84】
【怪力LV.75】
【天上天下LV.82】
【無双LV.72】
【狂化LV.42】
【氣功LV.92】
【槌術LV.98】
*
うわぁ〜、強いわぁ。同じ神でもここまで差があるんだなぁ。ちょっとドン引き。
「うーん、それじゃあ、くじ引きで決めようか」
結果はアテナになった。
「ずるいわぁ。貴方何かずるでもしているんじゃないのぉ?」
「ふふふっ、これが私とりょう君との絆の力というものなのですよ。これは必然。確率など私たちの前では無に等しいのですよ!」
アテナは誇らしげに胸を張る。
「それじゃあ、行ってくるわ」
俺は脱力感を身に感じながら元いた場所に移動した。
「キィ」
「ギィー」
目の前には見覚えのある蝙蝠がわんさか。
またお前らか、時間が経てば新しく出てくるということか。
「パパッと片付けるか。【超引力】からの【超重力】」
纏めて1つにして圧殺する。
前回は倒したのは良いが色々なところに散らばっていちいち動いて止めを刺すのが地味に苦痛であったからだ。
纏めて倒す。
実に効率的でいいな。
そして目の前にあるのは階段。
「上と下。どっちがいいと思う?」
(そうですね。それなら下に行きましょう)
「その心は!」
(下なら美味しい物が沢山あるはずです)
やっぱりか。
俺は下に降りる。
そこは沼地が所々にあった。
ん?
色が紫色?
確かめてみたら毒沼だった。
これ全部毒沼かよ。【毒耐性】取っとくか? いや、毒といえば混乱、睡眠、痺れなど様々なバリエーションがあったな。
俺は【状態異常無効】を取っといた。
これで安心だ。
すると敵の反応があった。
【猛毒蛙LV.320】【死蜘蛛LV.400】【毒ナマズLV.240】
どんどん出てくる。触りたくないなぁ。
(これ、食べられると思います!)
「いや、食べたら死んじゃうと思うぞ。それに大丈夫でも毒を料理したくない」
さて、やるか。
俺はサクサク倒していくが一向に数が減らない。
次第に面倒くさいなっていった。
同じ作業の繰り返しだ。
「【時間停止】」
俺以外の時が止まる。
(うわー、ずっこい。そりゃないですよ)
「いや、かれこれ数時間倒しまくってるのに一向に数減らないじゃん。同じ作業の繰り返しでなんか飽きてきたし、次行こうか」
この後も敵を倒しては下に行き、倒しては下に行きを繰り返した。
だがしかし一向に終わりの見える気配がしない。
「なぁ、もうやっちゃっていいか?」
(そうですね。やっちゃいましょうか)
アテナの合意も得られたしやるか。
「空間移動穴」
俺は自分の真下に空間移動をするための穴を開ける。
蛇がでるか鬼がでるか。いざ!
俺は自由落下に身を任せて下に落ちる。
ヒュー
ヒュー
ヒュー
ヒュー………
あれ? 長くね? どんだけ下に行くんだ?
ドゴッン!
着いた先は一面黒に塗りつぶされた空間だった。
そして目の前には仏像の様な物があった。
*
黒の王 千住黒死像 LV.9650
種族:####
性別:#
種族:####
攻撃:624800
魔力:730000
俊敏:130000
知力:96000
防御:52000
運:100
スキル
【魔法無効】
【千手観音LV.65】
【暗黒魔法LV.43】
【透過LV.56】
【瞑想LV.67】
*
「……チェンジで」