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164話 (洞窟散策)



さて、現状把握といこうか。

あたり一帯は陽の光が届かない洞窟。

普通ならば何も見えないはずだが、あたり一帯に拳二つ分ほどの大きさの発光している結晶が、まばらに散りばめられていた。

天井からは鍾乳石の先端から水が滴り落ち、石畳に溝を掘っている。


「はぁ、どうしろってのよ……」


岩壁に腰掛けて腰に携えた剣をそっと置く。

その際に発せられた微かな金属音が現状が偽りでないのだと認識させる。

この薄暗い空間に数時間も一人で過ごすなど、普通ならばストレスが溜まるだろう。

唯一の武器でもある剣も、刃を見れば欠けて使い物にならない。


逆に言えば、この現状は私がスキルを隠さずに戦える数少ない機会ととっても構わない。




『……決して折れない事だ。そうすれば、君の願いも叶うだろう』



そうだ、初めから諦めていては希望なんてものは生まれない。

生き残るためにも私は強くならなければいけないんだ。

なら、後ろめたい気持ちを持つことに対して何のメリットも生まれない。


「とりあえず……スキル確認よね」


私は自分のステータスを確認する。



 *


 姫路柚 LV.1

 種族:人族

 性別:女

 年齢:18


 攻撃:10

 魔力:160

 俊敏:20

 知力:60

 防御:10

 運:100


 特殊スキル

【防御障壁】

【猛毒】


 技能スキル

【超再生:LV.1】

【隠蔽:LV.9】

【鑑定:LV.5】

【調合術:LV.5】

【医療術:LV.3】


 魔法スキル

【回復魔法:LV.6】

【毒魔法:LV.3】

【水魔法:LV.5】


 称号

【召喚に巻き込まれたもの】

【〇〇神の享楽】

【-----】



 *


 称号欄に神と付いているという事は、あのゴスロリは本当に神様だったんだ。

 回復魔法や水魔法は檻の中で大活躍だったので、レベルは上昇している。

 しかし、力や防御なんかは低い。

 恐らく以前にあの老人が私のステータスを鑑定した際に、全てのステータスがこの平凡地と同じ値だったのだろう。

 そりゃ、役に立たないんだから見捨てられるわ。


 さて、ステータスも確認したことだし探し物でもするか。

 私は立ち上がって、再度周りを見渡す。

 何かないかと探すが、魔物という敵の姿も見当たらない。

 どうやら本当にファンタジーのようで、緑の肌に棍棒を持ったものが一般的らしい。

 女性を見つければ所かまわず襲い掛かってくる、人畜無害とはかけた慣れた存在。

 できれば出会う事は避けたいものだ。


「……ん?」


 とりあえず、出口を探そうと歩いていると草が密集している区画を発見した。

 見たところ雑草のようだ。

 鑑定!



『雑草』

『雑草』

『雑草』

『雑草』

『雑草』

『雑草』

『雑草』

 ……

 ……

 ……

『魔力草』



 …………ん……!?


 しばらく一面の雑草を鑑定していたら一つ別の薬草が混ざっている。

 より詳しく鑑定してみる。


『魔力草:魔力を蓄えた薬草。調合によりMP回復ポーションが生成可能。調合術取得が条件』


 これって当たりを引いたって事でいいのかな。

 調合術を持っている私にとっては渇きを潤すのに与えられた恵だ。

 もしかしたら、これ以外にもレアな薬草があるかもしれない。

 この薬草は装備についていた袋の中に入れよう。





 

 とまあ、探したのは良いのだが二時間が経過して集まった薬草は25本。

 鑑定を使い過ぎて目がシバシバしてきた。

 おかげで鑑定のレベルも上昇したのはありがたい。


 さて、さっそく調合をしよう。

 


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