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11話 《花園。そして……》



「そこを退きなさい、涼太。私はなすべき事をしなければならないのです」


 アポロンは真剣な表情で俺に訴え、ジリジリと俺との距離を確実に詰めてくる。


「させると思うか? 俺がそんな事を許すはずないだろ。俺は守護者だ。守護者が倒すべき敵を通す訳ないだろう?」


 俺はそう言い放ちアポロンの前に立ち塞がる。


「大体、お前のなすべき事とはこんなくだらないことなのか? それに後悔する事になるぞ?」

「なっ! 私は……私がたとえどうなろうが知ったことではないここを行か! ずとしては男としての名が折れます」


 アポロンはそう言い放ち俺の前へと歩み寄ってくる。

 セリフだけはかっこいい。

 まさに男の鏡だ。

 だが俺の視線はみるみる冷たくなっていく。

 本来ならば俺もアポロンとは同意見だ。

 同じ道を歩んでいたに違いないが今は条件が違う。

 ここは何としても死守しなくてはならないのだ。


「私は行かなければならない! そう、そこには麗しい我が女神パンドラがいるのだから」


 そう、俺とアポロンは今入浴場の入り口前にいる。理由は勿論この変態ロリコンを通さないためだ。ここは今、女の園。野郎(俺以外)が入ってはいけない場所である。


「大体なぜ貴方がここにいるのですか。折角誰の目にも見つからない様に細心の注意を払って来たというのに? これでは失敗ではないですか」


 アポロンは悔しさのあまりにギリッっと嚙みしめる。


「黙れこの変態ロリコン! お前が来ることは分かっていた。ならば監視はおこたらないに決まっているだろう」

「違う! 私は変態ロリコンではなく、紳士ロリコンです。有象無象の変態と一緒にされては困ります」


 やれやれといった表情を俺に向けてくる。同じだろうが! というかロリコンという自覚はあるのか。


「大体、パンドラ以外の女神達も入っているんだ。それについてはどう思うんだ?」

「はっ、笑止。醜く肥え太ったものに何の価値があるというのですか?幼女こそ正義ですよ」


 筋金入のロリコンの様だ。

 面倒くさいことこの上ない。


「それにルールで女神達には手を出さないと言った筈だが、それを破るとここに入れなくなるのはお前の方だぞ?」

「甘いですね。勿論のことは出しません。私はただ愛でる(・・・)だけです。貴方がいた世界にこういう言葉がありましたね。YES! ロリーNO! タッチ。素晴らしい言葉ですね。私は感激しましたよ」


 パサッと長い髪をはためかせながら優雅に俺の問いに答える。

 消滅魔法を喰らわせてやろうか。




 そこへヘファイトスがやって来た。


「おぅ、お前ら何やってんだ? 丁度いい。ちょいと一緒に酒飲もうぜ!」

「ナイスタイミングだ、ヘファイトス。アポロンが丁度一緒に飲みたいと言ってきたところだったんだ。俺は用事があるから存分にこいつと付き合ってくれ」

「なっ! 私には使命が……」


 そう言い出そうとしたところでヘファイトスがアポロンの襟首をグイッと引っ張り何処かへ引きずっていたった。

 良かった、これで悪は滅びた。



 ふぅ、俺はため息をつき目を閉じた刹那。

 何かが俺の横を凄い速さで通り過ぎようとした。


 パシッ


「おい、クソジジイ。何、素通りしようとしているんだ?」


 反射的に俺の手はオーデンのじいさんの手を逃すまいと掴んでいた。


「ふぉふぉふぉ、いけると思ったんじゃがのぉ」


 このジジイ、つまりはアポロンを囮にして俺が気を緩めたところを狙ってやがったのか。何という戦略家だ。


「いけるじゃないよ本当。いけたとしても死ぬのは貴方ですよ。俺が地上に降りたらどうするんですか、色々マズイですよ」

「ふむ、そう言えばお主転移者の予定であったな。ふぉふぉふぉ、ここに馴染みすぎて忘れとったわ」


 最高神が忘れてたなんてあっちゃ普通は駄目だろうに。本当にここの神様方大丈夫なのだろうか?


「俺が地上に降りたらもうここに来られないんだから、ちゃんとして下さいよ。心配でなかなかいけないでしょう」

「ふむ。それは困るのぉ、お主あってこそのここじゃからのぉ、そうじゃ! ならば何時でもこの神界に来られるようにすればいいだけではないか」

「は? そんな事が……」




『【神界への鍵】を獲得しました』




「おい、じいさん。こんなスキル俺の読んでいた本の中には書いてなかったぞ」


 疑問に思い俺はじいさんに問いただしてみた。


「そりゃそうじゃ、ワシが今作ったからのぉ。ふぉふぉふぉ、これで何時でもこちらへ来れるというわけだ。ワシ安心」


 何でもありか……。

 まあ、これでも最高神だからスキルもこの人によって作られたと言うならば納得かな。


「それじゃあ、何か他に便利なものはないか?」


 どうせだ。この際取れるだけ取っておこう。


「ふむ、お前さんのスキルは豊富じゃからのぉ、創造魔法1つでも十分大丈夫じゃろうに」


 くっ、否定出来ない。スキル創造があれば大抵のスキルは手に入れられる


「それでも何か特別なスキルが欲しいんだよ。何かないかな?」


 俺はめげずにじいさんにお願いする。


「ふむ、ならばこれがよかろう。ほれ」


 そう言い俺に1つのスキルを渡した。




神衣纏カムイを獲得しました】


 何か凄そうなのが出てきたぞ。


「これは神を一時的に己の身へ降臨させてステータスを上げるというものだ。神との信頼関係が必須なのじゃよ。普通は転移者や転生者はすぐに送り出すから、お主の様にここに留まろうと考える奴は今までおらんかったからスキル本にも載せておらんかったのじゃよ」


 おお! チートじゃないか! なんか凄い名前もかっこいい。


「ありがとう、じいさん。これは嬉しいよ」


 本当に助かった。この2つのスキルは俺にとって確実に重要な役割を果たすだろう。


「それといっては何じゃが、これからも宜しく頼むのぉ」

「ああ、末永くよろしくな」








【言語完全翻訳】

【完全記憶】

【神界への鍵】new!

【創造魔法LV.51】

【料理スキルLV.65】

【時空魔法LV.45】

【次元魔法LV44】

【回復魔法LV.22】

【元素魔法LV.42】

【召喚魔法LV.32】

【結界魔法LV.43】

【崩壊魔法LV.42】

【痛覚遮断LV.56】

【超再生.LV38】

【鑑定LV.42】

【隠蔽LV.15】

【神衣纏LV.1】new!

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