124話 黄の迷宮攻略開始/主人公と天使ステータス
体を鳴らすと、関節が音を上げる。
それだけ緊張していることなのだろうか。
リラックスするつもりがかえって緊張していることに気づかされた。
「本当によろしいのですか、翡翠の騎士殿。英雄であるあなたでも帰ってこられる保証は……」
「問題ない。気にするな。何かあれば転移でもしてくる」
ある場所を管理している国の騎士がいる。
何度も止められたが、俺の意思は変わらない。
「承知しました。どうかご無事で」
「ああ」
手をかざして扉を押す。
自揺が起こったかと錯覚する重低音が鳴り響く。
俺が中に入ると、まるでかかった獲物を逃がさないかのように扉はゆっくりと閉まる。
閉まったと同時に中の部屋には明かりが照らされる。
俺は鎧を解除して、元の身軽な姿になる。
「ふぅ……黄の迷宮か。中は意外に明るいもんだな」
『そりゃ、迷宮はその色にちなんでますからねぇ』
出たよ。
お決まりだけど出やがったよ。
「なぁ、アテナ。解析とかしてくれないか?」
『すでに解析済みですよ。黄の迷宮は全50階層です。モンスターに関してはよく分かりませんでした』
「なるほど、どちらにしろロキが絡んでることに変わりはないな」
『その件で、一つ言っておきたいことがあります』
「何だよ」
その言葉と同時に、不意に扉が開かれる。
中からは白い翼を持つ者。
ガブリエルを含めた5人の熾天使が現れる。
なぜこいつらが来るんだ?
「主様、どうか私たちの同行をお許しいただけないでしょうか」
「私たちはマスターを守るために生まれた存在なのです」
「涼太様、私は主が戦い、それを見ているだけなど考えられません」
「我がマスターよぉ! 今こそぉぉ、我らが力を発揮する時!」
「うふふっ、私も同じ気持ちです」
全員が一列に並び、膝をついて首を垂れる。
さながらそれは主従の近い。
守るべき主に付き従う従僕だ。
以前の黒の迷宮の一件で相当に心配させたのだろうか。
心配をかけた責任は何らかの形で償いたいというのも嘘ではない。
「一つ言いたい。ここは迷宮だ。生半可なレベルじゃ死ぬぞ」
ロキが手を加えた迷宮だ。
いくら天使だろうとも油断していたら死ぬ。
黒の迷宮で力が全く及ばなかったのは十分に承知しているはずだ。
そう思い、警告してみる。
しかし、天使たちの反応は意外なものだった。
「涼太様、私たちは神界で戦ってきたのです」
「マスター、それに私たちは本気になった神々と魔物を倒してきたのです。主様には敵わないですが、遅れは取らないのです」
「ふっ、そうか。ならお前らに身を任せるとしよう」
それを聞いた天使たちは歓喜する。
「どうせだ、一度、全員のステータスを確認しておくぞ」
*
月宮涼太 LV.23500
種族:人族
性別:男
年齢:17
攻撃:3.97E6
魔力:1.33E7
俊敏:3.76E6
知力:2.87E6
防御:8.43E6
運:100
特殊スキル
【言語完全翻訳】
【完全記憶】
【神界への鍵】
【気門】
【神化】
技能スキル
【超再生LV.95】
【隠蔽LV.70】
【鑑定LV.86】
【料理LV.98】
【痛覚遮断LV.89】
【神衣憑依LV.60】
【状態異常無効LV.80】
【剣王LV.22】
【体術LV.86】
【剛力LV.46】
【双術LV.34】
【棍術LV.20】
魔法スキル
【創造魔法LV.79】
【時空魔法LV.90】
【次元魔法LV.73】
【回復魔法LV.79】
【元素魔法LV.91】
【召喚魔法LV.40】
【結界魔法LV.79】
【崩壊魔法LV.85】
称号
【転移者】
【神々の料理人】
【神々の舎監】
【迷宮攻略者】
【魔の天敵】
【学生の舎監】
【超人】
*
ガブリエル LV.12900
種族:熾天使
性別:女
年齢:###
攻撃:2.11E6
魔力:1.02E6
俊敏:8.75E5
知力:1.78E6
防御:9.56E5
運:100
技能スキル
【隠蔽:LV.67】
【透過:LV.MAX】
【認識阻害:LV.MAX】
【暗殺:LV.53】
【体術:LV.65】
【料理:LV.47】
魔法スキル
【光魔法:LV.76】
【炎魔法:LV.56】
称号
【眷属】
【神の使用人】
*
ウリエル LV.10970
種族:熾天使
性別:女
年齢:###
攻撃:4.78E2
魔力:3.22E6
俊敏:4.11E5
知力:1.78E6
防御:2.56E6
運:100
技能スキル
【魔力強化:LV.45】
【透過:LV.65】
【棍術:LV.13】
魔法スキル
【元素魔法:LV.MAX】
【結界魔法:LV.68】
【合成魔法:LV.21】
称号
【眷属】
*
メタトロン LV.12000
種族:熾天使
性別:男
年齢:###
攻撃:2.11E6
魔力:8.55E4
俊敏:1.99E6
知力:1.78E6
防御:1.87E6
運:100
技能スキル
【閃光:LV.67】
【剣王:LV.32】
【俊豪:LV.44】
【体術:LV.78】
魔法スキル
【光魔法:LV.65】
称号
【眷属】
*
ミカエル LV.11200
種族:熾天使
性別:男
年齢:###
攻撃:1.82E6
魔力:1.66E6
俊敏:1.67E6
知力:1.78E6
防御:1.34E6
運:100
技能スキル
【双術:LV.66】
【認識阻害:LV.43】
【超回復:LV.54】
魔法スキル
【炎魔法:LV.65】
【炎魔法:LV.47】
【土魔法:LV.55】
称号
【眷属】
*
セラフィエル LV.10280
種族:熾天使
性別:女
年齢:###
攻撃:6.89E3
魔力:3.00E6
俊敏:1.43E6
知力:1.99E6
防御:2.76E6
運:100
技能スキル
【逆鱗:LV.46】
【針術:LV.65】
魔法スキル
【回復魔法LV.98】
【結界魔法LV.67】
【闇魔法LV.54】
称号
【眷属】
*
思ってた以上のステータスだ。
やはり、神界で鍛え上げた方が効率的なのだろうか。
でも、迷宮の攻略とかいろいろとあるからなぁ……。
「主様、いかがされますか?」
「うん、一応は明後日が魔法聖祭で前日は会場の案内がある。だから今日一日だけの攻略だな」
紫の迷宮は鬼畜設定過ぎた。
黒の迷宮は攻略済みだから除くとして、他の迷宮はさわりだけでもどの程度の者なのかを把握しておく必要がある。
「マスター、私たちが戦いたいです」
「それは構わないが、最初の敵には要注意しておけよ。そいつが強いかどうかで今後の攻略の大体のめどをつけるつもりだ」
「了解なのです」
ウリエルは自分の杖を強く握り、コクリと頷く。
「よし、それじゃあ始めるとしますか」




