10話 《神の招待》
「ワシここ住む」
唐突に何気無い一言を最高神様が言ってきた。
「黙りなさい、クソジジイ。ここは私とりょう君の楽園です。帰りなさい」
「違うわよ、アテナ。私達の楽園よ」
「あぁ、そうでした、すいませんパラス。私たち女神の楽園ですね」
「ワシ悲しい」
オーデン様があまりの悲しさに涙を拭う。
「のう、涼太よ。ワシらを此処に住まわせてくれてもいいじゃろう? ワシ最高神じゃよ?」
そう言い、俺の方に縋り付いてきた。
心なしか目がウルウルしている。
すまない爺さん。
美人がそう言うならば男はコロッといってしまいそうな場面。
しかし目の前にいるのはシワシワのジジイである
俺の心には何1つ響かない。
だがどうしたものか、相手は神のトップである。
無下に断るというのも何か申し訳ない。
それに女神たちは見るからに嫌そうである。
さて、どうしたものか。
「では条件を出します。まず1つ目は女神たちには決して手を出さないこと。セクハラはNGです。2つ目は極力こちらのルールには従ってもらいます。3つ目は天使たちを鍛えて下さい」
3つ目だが、メタトロンたち自らが俺に修行をつけて欲しいと言ってきた。
俺には創り出す力はあっても戦う力は地上に降りてからしか付与されないらしい。
どうせだから神に稽古を付けてもらったらいいと思った。
「それじゃダメだろうか?」
俺は女神達に問いかける。
「それなら……まあいいでしょう」
「涼太がそう言うなら私はいいわよぉ」
「まー、仕方ないっすね。りょうっちの顔に免じて許可するっす」
「…………」こくこく
みんな渋々許してくれたようだ。
「りょう君、その代わりに後でご褒美が欲しいです」
ご褒美?
「ご褒美って言ったらアレしかないわよねぇ」
「そっすね。あれがいいっすね」
「…………」こくこく
あぁ、あれか。
「分かった。夜にそれをするからみんなでそれまで何処かで遊んでいてくれ俺はこの人達を案内するから」
「分かりました。では、みんな行きましょう!」
そう言い放ちアテナはみんなを連れて何処かへ行った。
♢♦♢
「では、オーデン様、アポロン様、ヘファイトス様。ご案内致しますのでついて来て下さい」
「おう! すまねぇな。それと俺の事はヘファイトスと呼んでくれ。様なんて柄じゃねぇからな。ガハハハ」
「私の事もアポロンで構いません」
「ふぉふぉふぉ、ワシの事は爺さんと呼んでくれ。皆にもそう言われとるからのぉ。それとワシ達にも女神と同じ様な対応で構わんよ。敬称など不要じゃわい」
お気楽な神である。
「あぁ、分かった。それじゃあそうさせて貰うよ」
そう言い俺はまず、エレベーターに向かう。
「そう言えば、涼太。此処に酒はあるか? 持ってきたやつは全部飲んじまって喉が渇いてんだ」
そう言い放ち、空になったであろう酒瓶を見せつけてきた。
おいおい、結構デカイぞ。5リットルぐらいは入るんじゃないのか?
「ヘファイトス、お前もう飲みきったのか。どれだけ酒豪なのだよお前は」
アポロンがやれやれといった口調で言う。
やはり他の神から見てもあの量はおかしい様だ。
「大丈夫だ、問題ない。酒だけじゃなく、ワイン、焼酎、ブランデー、カクテル。様々な種類のものを兼ね備えているから安心していいよ」
「おっ! そいつはますます楽しみになってきやがったぜ!」
ガハハと笑いながらバシバシと俺の肩を叩いてくる。痛い。
「じゃあ、こっちだよ」
『8階です』
エレベータに上がり着いたのは最上階のバーだ。
今の時刻はもう日が沈んだあたりである。
目の前の一面ガラス張りの壁から辺り一面を見渡せる。
夜空に浮かぶ星々も実に綺麗だ。
「ほぅ、コレは絶景ですね。白の空間がどうすればこの様になるのですか?」
アポロンが疑問に思ったのか尋ねてきた。
「それは勿論全て俺が創ったからだよ」
そう、俺は【創造魔法】をはじめとした自身のスキルの限りを尽くしてこの風景を創り上げる事が出来た。
24時間に設定し自動的に朝や夜にするのには苦労したなぁ。
「そんなことより酒だ! 酒!」
如何やらヘファイトスは待ちきれないようだ。
俺はまずウィスキーをグラスに入れて用意する。
ストレート、ロック、水割り、ソーダ割り。
一通りの説明をして渡す。
「カァーーーッ! うめぇな! 喉にググッとくるこの感じたまんねーぜ!」
「ふむ、私には少しキツイ様です。水で薄めてようやく飲めるといった感じでしょうか?」
「ふぉふぉ、ワシはもう少し飲みやすいのが欲しいのぉ」
ヘファイトスには好評だがアポロンとじいさんには少し合わなかったようだ。
「では次は度数を下げてワインだよ」
俺は白ワインと赤ワインの両方を各グラスに注いでいく。
「ふむ、ワシはこの赤ワインというやつが気に入ったのじゃ。飲みやすいのぉ」
「確かに、芳醇な香りもしていいですね」
「ほぅ、確かに美味いがさっきの奴に比べるとちょっと薄いな。俺はあっちで飲んどくぜ。おい涼太。もう1本くれや」
そう言い、空になったボトルを俺に渡す。
はぁ? 確かに渡したのは大きいとは言えないサイズの瓶だが今のうちにもう飲みやがったのか。どんだけだよ……。
そういい俺はもう1本大きいサイズのウィスキーを渡す。
ヘファイトスはとっととソファーに座り込みゴクゴク飲み始めた。
「それじゃあ、最後はカクテルだよ」
そい言い俺はバーのカウンターに案内し早速カクテルを作っていく。
様々な種類の中で定番のダイキリを2人に出す。
「ほぅ、面白いのぉ。目の前で作り用意するのか」
「それにこれ以外にも様々な種類もある様ですし面白いですね。それに何よりこの空間に一番馴染んでいていいですね」
どうやら好評の様だ。
俺はついでに食事がてら一緒に摂れるつまみや料理を作る。あまりアテナ達を待たせてはいけないからな。
「それじゃあ、俺は用事があるから何かあったら天使達に言ってくれ」
そう言い放ち俺は此処から出て行った。
♢♦♢
俺の寝室にて……。
「ん。あぁ……気持ちいい。すごいです……もっとお願いします」
そう要求されたので次は違う角度を攻めてみる。
「んぁぁ! そこはダメです…私ダメになっちゃいます……りょう君のご褒美……すごいです」
俺はユサユサとアテナの体を揺らす。
「いいわねぇ、羨ましいわぁ。次は私の番よぉ」
「あっ、ズルいっす。ウチが先っすよ」
アテナの艶かしい声が響く。
そう……。
俺は今ご褒美であるマッサージをしているのである。
ことの初めは数ヶ月前、俺は暇で暇でしょうがなかった。何かないかなと部屋の中を見渡す。目の前にはうつ伏せの状態で寝転がり漫画を読んでいるアテナがいる。
そうだ! 前に読んでいた体のツボの本の練習台がここにいるではないか!
そう思い始めたマッサージ。
それは想像以上にアテナに高評価であった。それを聞いた他の女神達は私も私もとやってくる。
1人15分のマッサージだ。15分×5人=75分。つまり1時間15分も押し続けないといけないのだ。美少女の体を触り放題だが、流石にそれはしんどいことこの上ない。
なので俺は何かあった時のご褒美としたのだ。
全員押し終わったところでみんなぐっすり眠っていた。どうやら気持ちよくて寝てしまった様だ。
みんなをそのままベットに寝かせ、俺も今日はもう寝ることにした。
【言語完全翻訳】
【完全記憶】
【創造魔法LV.56】5up
【料理スキルLV.67】2up
【時空魔法LV.45】
【次元魔法LV44】
【回復魔法LV.22】
【元素魔法LV.42】
【召喚魔法LV.32】
【結界魔法LV.43】
【崩壊魔法LV.42】
【痛覚遮断LV.56】
【超再生.LV38】
【鑑定LV.42】
【隠蔽LV.15】
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