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101話 王子様

そろそろハーレム要素でも入れていこうかな...と思います。



 くっそ、労働基準法って何だよ。

 仕事を増やしすぎだ。

 本当に、ここ最近は安眠すら取れていない。

 シャルの実家でゆっくり寝たのがなければ、今頃は発狂していたかもしれない。


 結局、朝まで料理を教える事になった。

 その成果として、調理器具の使い方は全員マスターし終える。

 問題点はクロワッサンを作る際に焼き過ぎて焦がすなど、応用的な事がまだ練習が必要なくらいだ。

 みんな、飲み込みが早くて助かる。


 そして俺は今、教壇を枕代わりにして仮眠中である。

 しかしなかなか眠れない。

 人間は目を瞑るだけでも休めると聞いたので、こうして狸寝入りをしているのだ。


「先生! 起きて下さい!」

「寝てます」

「起きているじゃないですか!」


 まぁ、当然と言えば当然だ。

 生徒は早く授業をしろとボイコット。


「ンアァ! あー、だる」


 少し身体を動かしてストレッチをする。


「……で、何の話だっけ?」

「魔法聖祭の役決めですよ」

「どこまで決まったの」

「黒板を見て下さい」


 俺は傷ひとつない板に書かれた白い文字を読む。

 そう。料理を教え終え、少し睡眠を取ろうと思った。

 しかし、メイドたちから早朝に学園に来る様に伝言を頼まれた事を伝えられた。

 というわけで、学園長から呼び出された俺は学生が登校していない間に一つ一つの教室、大講堂などを回って設置していたのである。


「ふーん」


 クイックシュートはミセルが出る事になったんだ。


「ミセルなら、トーナメントに出場すると思ったんだけどな」

「分かりきった試合など、観客も退屈でしょうに」


 確かに道理だな。

 捉え方によっては、過剰な自信を持った痛い奴とおもわれる。

 しかし、ミセルの場合は学生の身でありながら、実戦経験を有した上で二つ名持ちだ。

 圧倒的な力量差のある相手と試合しても面白くないだろうな。


 テイルラバーは全員参加型で、障害物競走はジャッファルが出場。

 トーナメント中等部の部はシャル、総合の部がロゼッタ。

 そして最後の演舞はクリスか。


「決まったんなら良いんじゃね?」

「だから! その練習をしようって話です」

「仕方ない。訓練所に行くか」


 その言葉にクラスのみんなは大きな声で返事をする。



 重い腰を上げて、クラスの連中に囲まれて訓練所まで向かう。

 すると、何やら他のクラスの人たちが使用している。

 それも俺と同じ年齢だろう。

 つまり、高等部って事か。

 どうしようかな、引き返そうかな。


「おや、どちら様かな? 見ない顔だね」


 1人のイケメンが声をかけて来た。

 サラサラの髪に長い眉毛、身長は170後半でスラッとした体つきの正にクソイケメン様だ。

 ちっ、不快だぜ。


「おい、先生。流石に邪魔しちゃ悪いぞ」


 いつも喧嘩腰のジャッファルが引き気味だ。

 何か他のみんなもマズそうだし一応、挨拶だけして帰るか。


「中等部2年A組の臨時講師、月宮涼太だよ。歳は17だ」

「そうか、君が噂の臨時講師か。いや、先生だから敬語を使うべきかな?」

「んにゃ、必要ないぞ」

「ふふっ、そうかい。初めまして、僕は高等部3年A組のレオンだ」


 あれ?

 俺って目立たない人だと認知していたんだけどな。

 廊下を歩いていても、チラッと見られるのは黒髪の所為だから仕方ないと思っていたんだが。


「それじゃあ、邪魔したな」

「ちょッ、ちょっと待ってくれよ。冷たくないかい?」


 レオンは俺の手を握って引き止める。

 あら、やだ。

 綺麗だけど鍛えられた逞しいお手てね。

 このまま、握力で潰したろか。

 リア充オーラを俺のドス黒いオーラで埋め尽くしたろか。


「いやいや、訓練場が使用中だとは思わなかったんだよ。高等部の邪魔をしちゃ悪いよ」

「それなら問題ない。僕たちで2つに分けて使えば良いじゃないか」

「いやいやいやいや、高等部3年って事は今年が最後じゃないか。思う存分、練習を励んでくれ」

「大丈夫だよ。訓練とは言っても、僕たちだけでは広すぎる。ここは平等に使うべきだと思うな?」


 ならまずは、その差別的なほどに格差のあるイケメン顔を取り替えてこいや。

 その顔だけで普通の人の数百倍は優位に人生を歩めるんだよ。

 はぁ、今すぐに逃げ出したいな。


「それに訓練場には、確か予約が必要だったよな。うちは空いてたらラッキー程度の気持ちで来たんだよ。あー、残念。また今度にしよう」

「それなら、生徒会長権限で使ってくれて構わないよ」


 は?

 このイケメン君、今何て言ったんだ。

 生徒会長だって?

 そんな不条理な組織がこの学園にあったのか。


「涼太さん、この方はラバン王国第1王子にして生徒会長さんです」

「え、マジで?」


 クリスからの驚きの発言が耳に入る。

 思わず、眠気が吹っ飛んだ。


「どうかな? 一緒に訓練してみては」

「ならありがたく使わせて貰おう」

「良ければ少し見学させてくれないかい」

「訓練は良いのか?」

「うん、まだ時間もあるからね」

「好きにしてくれ」


俺は会話を区切り、集まっているクラス全員の前に立つ。


「では魔法聖祭において個人種目に出ない者は、いつも通りの訓練をしておいてくれ」

「「「「「「「はい!」」」」」」」


 各々は分かれて準備運動に入る。

 自身の魔力を足に集中させ、そこから身体中に回る様に集中する。

 出来た者たちから訓練場の周りを走りだす。



「それじゃあ、クリスは除くとして練習しよう」

「酷くないですか!?」

「いや、だって演舞だろ? 自分で考えてやるんだから、俺が口出しできる事じゃないし」

「じゃあ、涼太さんがお手本を見せて下さいよ」

「んぁー、そうだな。後で始めるか」


 仕方ない、ミセルたちの訓練を見てる間に考えるか。

 とは言っても、俺が教えなくてもクリスなら教えた技を組み合わせて、色々なパフォーマンスを行うことは出来ると思うんだけどなぁ。


「んじゃ、ジャッファル」

「何だよ、先生……オォォッ」


 当然。ジャッファルの体が地面に崩れ落ち膝をつく。

 そこから根性で歯を食いしばり立ち上がる。


「ハァハァ、何だこれ……体が鉛みたいだ」

「お前に重力をかけた。ざっと重さは3倍だ。魔力なり使って普段通りに動ける様にな。それが練習だ」

「うっす!」


 ジャッファルは目を瞑り、魔力を体全体に覆う様にかける。

 消費量は大きいが、やり方自体は間違っていない。

 今が木の板並みの太さを纏っているなら、サランラップ程度に抑えられるかが肝になってくる。

 さて……次はミセルだな。


「ミセル、スピードシュートってどんな競技?」

「出された的をどれだけの速度で撃ち終えるかです」

「ならいつもの的当てのレベルアップしたやつにしよう」

「それなら、訓練になりますね」

「では始めよう」


 俺は空間座標を把握する。

 的を出す範囲はミセルを中心に10メートル。

 フリスビーほどの大きさの的を数個設置する。


「フッ!」


 ミセルは的を一瞬にして把握し、指を突き出して無詠唱で【雷光ライトニング】を放つ。

 的が生成され、壊されるまでのインターバルは1秒にも満たない。


 ヒュー、やるねぇ。

 相変わらずの反応速度だ。

 一歩も動いていないあたり、まだまだ余裕があるな。

 なら少し調子に乗ってみよう。


「ステップアップ。攻撃を付け加える。全て撃ち抜け」

「はい!」


 俺は氷の球を十数個生成し一気に放つ。


「ッ……」


 ミセルの目つきが変わる。

 両手で放った雷光は次々に氷の球を砕いていく。

 しかし、数が数なだけに捌き切れない。

 最後の1つがミセルの髪を掠める。


 少し多過ぎたか。


 数を減らしてギリギリ壊せる程度の量を放ち続ける。

 そして数分が経ち、ミセルのひたいに汗が見える。

 確かに魔力を放ち続けるので魔力の消費も激しい。

 その上、狙いをつけて放つ集中力も切らしてはならないだろう。


「よし、終了だ」


 俺はひたすら放ち続けていた行動を止める。

 ミセルは終わった事に安堵し、その場に座り込む。


「ハァハァハァ、しんど……」

「お疲れさん。正直、魔法聖祭の競技レベルではないと思ったんだけど」

「ハァハァハァー、当然です。無詠唱が前提で魔法の連続使用なんてあり得ませんよ」


 あー、それもそうだな。

 俺の頭では無詠唱が出来て当たり前だと考えていた。

 普通の学生はあり得ないんだよな。


「ちょっ、今のは何なんだ!?」


 レオンが形相を変えてこちらへやってくる。


「別に普通の練習だよ」

「いやいや、無詠唱であのスピードを放つなんてあり得ないよ。それに魔法を発動する予備動作すらない君は何なんだい?」


 ちっ、いちいち質問の多い奴め。

 だから一緒にやりたくなかったんだよ。

 どうやら後ろの高等部の方々も唖然としている様だ。


「普通の講師だ。最近、学園長さんにスカウトされた」

「凄いね。普通の魔導師を卓越している」

「そりゃどうも。そんじゃあ、トーナメントの2人はどうしたい?」


 俺はシャルとロゼッタに尋ねる。

 2人は魔法と剣術を使える。

 となると、併用した戦いかな。


「ツッキーと手合わせとか?」

「確かに涼太さんなら、相手として不足はないですわね」

「それなら僕も混ぜてくれないかい?」

「何でだよ」

「学園長から聞いたんだよ。間違いなく君は人類最高峰だとね。その実力を知りたいんだ」


 あのクソジジイ……。

 ベラベラと世間に話してやがったか。

 過大評価も良いところだ。

 まぁ、こいつは生徒会長な上に王子。

 実力も相当か。

 なら確かめると考えるなら良いかな?


「2人はどうだ?」

「問題ありませんわ」

「ボ、ボクも大丈夫です!」

「なら、問題ないね。ハルト!」


 レオンが大きな声で誰かを呼ぶ。

 すると1人の大柄な人物が頭をかきながら集団の中から姿を現わす。


「彼はハルト。生徒会書記でトーナメント高等部の部に出場する予定だ」

「うっす、よろしく」

「んじゃ、お手並み拝見といこうか。悪いが全員、訓練場から出てくれ」


 少しは飽きさせないで欲しいな。

 予想ではシャルとロゼッタも強い。

 しかし、オーラから判断するとレオンも学生の割には相当な実力を持っている。


「得物は使ってくれて構わない」

「危ないんじゃないのかい? 怪我じゃ済まないかもしれないよ」

「安心しろ、学生程度に怪我を負わされるなんてあり得ないから」

「言ってくれるね。なら全力だ」


 どうやら俺の言葉が4人の闘志に火を付けた様だ。

 クリスたちは試合が始まるのを待ちきれず興奮している。


 レオンが剣、ハルトがナックル。

 2人は魔術がメインでアイテムボックスから短剣を取り出し、腰に携える。

 いつでも抜ける様にね。

 さて、こういう場合はお決まりのセリフがある。

 俺の人生の中で言ってみたいセリフ集ベスト10にランクインしている。


 俺はあえてオーラを黒く具現化して見える様にする。

 訓練場の中は闇の暴風が渦巻く。

 さながら、その風格は魔王。

 テンプレ魔王をやってみたいのです。


「さぁ、勇者よ。貴様らの実力を見せてみろ。その心、へし折ってくれるわ」

「なっ、貴様は魔王か!?」

「いや、言ってみただけ」


 何を勘違いしたのか、レオンが取り乱してそんな事を口走る。

 意外とノリがいいのかな。


「失礼するッス」


 ハルトがこちらへ向かってくる。

 早いが動きが単調だ。

 何かを隠しているのか、攻撃を放つ瞬間に魔法でブーストして攻撃速度をズラすのか

 しかしそんな素振りはない。

 俺は紙一重でその攻撃を躱す。


 ふむふむ、学生の割には中々なのかな。

 魔力を使ってない事を考えると、ウチのクラスでも張り合える程度か。


「惜しい!」

「いけるわよ、ハルト君!」

「相手は避けてばっかだぞ」

「弱いじゃん」


 俺が攻撃をせずにギリギリで躱している事から、周りから見るとハルトが優勢に写っている様だ。


「何でッスか!」

「さぁ、何でだろうな」


 どうやらハルトには分かっているらしい。

 それだけでも分かっていない連中よりは力量の差は理解しているのか。

 ウチのクラスは勿論だが、レオンも大体の力量は判断している。


「動きが単調だ。武器が素手なら身体全てを使え」

「ガハッ!」


 受け流して一本背負いをする。

 ハルトの巨体は綺麗な弧を描きながら宙を舞い、体を地面に叩きつけられる。


「凄いね、次は僕の番だ」

「来い」


 レオンが剣を手に取り、こちらへ飛躍する。

 そこに笑顔はなく、敵を倒すのみ考えられた真剣な顔つきだ。


「へぇ」


 この太刀筋は相当な努力が積まれたものだ。

 ミセルの剣の方が鋭く研ぎ澄まされているが、並みの魔物であれば倒せる。

 予想以上だ。

 王子だから英才教育でも受けているのかな。

 こいつとロゼッタがぶつかるのであれば、思った以上に良い試合が出来るかもしれない。

だが……。


「ッ!」

「おいおい、先生って改めてヤベーな。俺も出来るかな」

「流石は涼太さんですね」


 レオンはあまりの衝撃に息を飲む。

 周りからも驚きの衝撃に声を荒げる。


 まぁ、驚くよな。


 俺の人差し指にはレオンの刃が止まっている。

 生身でも傷がつくとは思えないが、今回は指に超小規模の魔力障壁を覆う形で展開した。

 見た目は何とも変わらない指だが、俺の魔力から覆っているので、やろうと思えば剣に穴も開けられるだろう。


「予想外か?」

「ハハッ、これは笑わずにはいられないね」

「ほら、敵は待ってくれないぞ?」


 掴んでいた指を離して、蹴りを入れる。

 みぞおちに入れて、倒すプランだ。

 しかし、レオンは反射的に自身の剣を盾にする。

 片手は目の前に出して、急所を守る。

 そのまま後方数メートルに吹き飛ばされ、後ずさった電車道が現れる。


「クッ……だけど……ッ!」

「悪くはないが、敵から目を離したら負けだ」


俺はレオンの剣を抑えて、首筋に手刀を作る。

ゴクリと唾を飲む声が聞こえ、その場に腰を下ろす。


「参った、僕もまだまだだね」

「いや、学生にしては相当だよ。冒険者だと魔物を倒して稼いでいける強さだと思うぞ」

「なるほど、分かりやすいね」

「悪いが、次が支えているから終わりだ」

「残念だけど、仕方ないね」

「ほれ」

「ありがとう」


 差し出した手に捕まり起き上がる。

 そして剣をしまい、後ろへ退がる。


「さて、残りの2人だな」


 俺はシャルとロゼッタの方を向く。

 おや、2人はなぜか引き気味だ。


「ツッキーが最強過ぎるんですけど」

「私たちでは絶対に勝てませんわね」

「当然だ。本気でかかって来い」


 2人は戦闘態勢に移る。


「えいっ!」

「むっ」


 シャルが手をこちらへ向けてかざす。

 すると水の波が生まれ、足元が凍る。

 水責めかな。

 いや、そんな意味のない事はするなんて考えられない。


「ハアッ!」


 ロゼッタが続けて魔法を放つ。

 すると波立つ水が見る見るうちに凍結していく。

 数秒後には身動きが取れなくなる。


 なるほど、そう来たか。

 敵を倒すならば、これ以上に確実な方法はない。

 動かない敵は長距離であろうと格好の的だ。

 ましてや目の前なら勝ちは必然。

 それにえげつないな。

 凍った氷の上に、更に水が足され凍る。

 まるで氷の底なし沼に浸かったかの様な錯覚が生まれる。


 そして俺は氷の檻に幽閉される。


「おいおい、やり過ぎだろ」

「死んじゃうよ!」

「ヤバいよ、どうすんの」

「あの子たち正気!?」


 主に高等部の生徒だが、生徒たちは悲痛の叫びを各々で唱える。

 誰がどう見ても勝利は確信だ。

 しかし、2人は後方に下がり魔力を体に覆う。


 ピキッ、パキッ


 氷にヒビが入り、大きな亀裂が生まれる。

 そして粉々に砕け散った中から俺は姿を現わす。


「うおっ」


 砕けた氷が全て床に落ちる前に、2人は俺の目の前に現れ武器を振りかざす。

 少し気を緩めてしまったよ。


「氷の中はどうでしたか?」

「うん、涼しかったよ」

「ツッキーならそう言うだろうね……」


 おかしいな、攻撃を防がれた場合のシャルは消極的は行動に移るはずだが、今の彼女は積極的だ。

 何か隠しているのかな。


「ならこれは!」

「どうですか?」


 次の瞬間にシャルとロゼッタの剣に魔力が宿る。

 そして炎を纏った剣がそこに現れる。


 おいおい、マジかよ。

 これは想定外だわ。

 剣に纏わせるのは、結構な難易度のはずだが。


「ミセルちゃんに教わったんだよ」

「なるほど、賞賛ものだ」

「それは何よりですわ」



 キーンコンカーン


 良いところだが、授業を終わらせる鐘が鳴る。


「終わりだな」


 2人の炎をかき消す。


「あー! 私の時間が!」

「悪いな、クリス。チャイムが鳴ったのなら仕方がない」

「ちぇー、帰ったら見て下さいね」

「分かったよ」


 良かった、考えるのを忘れていた。

 チャイムに感謝だな。



「凄いね、これは僕たちも澄まし顔では過ごせないね」

「そりゃ、どうも」

「もう授業は終わりだから、良ければ放課後に一緒に過ごさないかい?」


 そんな女性にナンパをする様なセリフを俺に向けられても困る。

 それに俺も暇ではない。

 色々とやるべき事がある。


「悪いがこの後に王城へ行かないとダメなんだよ」

「王城へかい?」

「依頼だ。国王誕生祭の献上品の配達だよ」

「なら僕も一緒に行こう」


 一瞬、何を言っているんだこいつと思ったが、よく考えなくとも分かる事じゃないか。

 この少しの間にレオンが王子だと言うことを忘れていた。

 これは失念だな。

 だが同時に都合も良い。

 わざわざ門番に話を通さなくても良いもんね。

 あそこが場合によっては一番時間を取られる。


「分かった」

「それじゃあ、校門前に待ち合わせだね」







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