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第二百八十五話 近衛騎士は男だもの


「素振り100本! 始め!」


 第二回大露天市も盛況に終わり、翌日の早朝。

 夜明け前に目が覚める"ある意味職業病"な侍女達が起き始める時間から、第3防壁内に建設した【聖騎士教会】用の訓練場で20名の【エルヴィント帝国】所属の近衛騎士が修練を始める。

 手に持つ得物は柄こそ普通の形状だけど、刃先まで円筒形の重さ10キロ。鉄パイプやね。空洞じゃないけど。鉄棒か...

 普通の鋼鉄製の大剣が凡そ2~5キロくらいなので、倍以上。

 そして対人の修練を普段から行なっている彼等は、突剣(レイピア)を使う。


 簡単に言おう!


 腕力と重心移動の体捌き、重要な"心身"の修行をしているのだと!

 ちなみに気の循環路は歪な形で形成されていたので矯正した。

 利き腕、利き足だけ。とかね?

 まぁ火事場の馬鹿力程度のものだ。死線を潜った事も数回あるみたいだし。


 それで、だ。


 何故ボクが彼等近衛騎士のアルバート達を教育しているかと言うと、"天然ローゼ"と"ですわのソフィア"。"自分語りのエルザ"がまっっったく役に立たなかったからだ。

 なので、彼女達はエリーとお揃いのメイド服を着せて宮殿で侍女の仕事を手伝わせている。

 もちろん教育係はフランとアイナ。

 少しでもサボリ失敗でもしようものなら、こわーいノワールさんがニョキっと現れオシオキしてくれます。

 肉体的ではなく精神的に。オソロシヤー!


「ゴフッ!」

「ガフッ!」


 ふむ...20本目で2人脱落か。初期の警護団セリーヌとかイザベラもこの辺で倒れてたなぁ...弓術士と手斧使いの戦士だし。

 それにしても修練着がいいね! わざわざ縫った甲斐があったよ! 白地だから倒れると土が付いて屈辱を感じるだろう?

 汗まみれの青年達よ! 頑張るのだ! ククク...まさかドS心がこうも疼くとは....ハハハ....


(マイ)(ロード)? 手元が狂っております」

「ハーイ」


 人形(ドール)君から駄目出しされました。

 家族は居ないのです。みんなそれぞれ忙しいのです。学校もあるし、司祭の勉強もあるし、家事全般も覚えなきゃいけないし?

 警護団員は自主修練中の者と、定期巡回中。守護勇士も仕事を頼んだ。オレリーお義母様とイルゼ達侍女は、アーシェラとリアのお手伝い?

 何故アーシェラは毎回自分の世話役を連れて来ないのだろうか....

 そして人形(ドール)を欲しがるな!

 白鉄鎧怪物(モーンストルム)は第2防壁の要だからやらんぞ!

 精霊金属(スピーリトゥス)もそうだ!

 木目模様(ダマスカス)鋼の鎧があるだろう!?

 それと、ボクの玉座に座ろうとするな!

 豪華だからって泣くな! 『若返らぬのじゃが!?』とか詰め寄るな! リアもだ!

 まぁ植物製のオイルを使った美容(エステ)術を専用の人形(ドール)達が施術してるから、なんとかなるだろう。

 最悪目尻の皺と豊麗線(ほうれいせん)くらいは《聖治癒(リブリサナティオ)》で消してしまおう。

 ファノメネルとカルアもそれくらい許してくれるさぁ。


「...もう....げんかい...だ」

「フェビリーに負けるとは...ガクッ」


 う~む...下地があるからこそ50本目辺りで脱落者が続出か。

 気闘術で身体強化してるんだけどね。気を持続してられないのか。一朝一夕でなんとかできるものじゃないし。

 今後に期待だね。


(マイ)(ロード)。こちらの刺繍は終わりました」

「ご苦労様。休憩してていいよ?」

「畏まりました」


 ここに居る近衛騎士の青い騎士服に、金糸と銀糸で刺繍をしているのだ。特殊訓練の修了章みたいなものを。

 ワッペンとかピンバッチにしようかとも思ったんだけどね?

 複製されたら困るので、物凄く丁寧に縫い付けてる。

 縫製師のアーニャから『帝都でこれほど複雑な刺繍を出来る人はいないと思います』とお褒めの言葉を頂戴しました。

 詰襟の左側やね。勲章は胸に付ける物らしい。ジャラジャラっと。

 ついでに替えの上着を5着づつ。聞けば、退任した先達(せんだつ)から貰った上着を着回していたそうで....

 買ってあげなよアーシェラ....と思ったら、元武閥の法衣貴族が色々言うんだってさ。

 『平民上がりの近衛騎士? ハッ! 服くらい用意できずに騎士を名乗るつもりか?』とかなんとか。

 いやぁ....腐ってるねぇ...武器と防具が支給されるのに、衣服が入って無いとか....そんな事を言うヤツは小さいねぇ...色々と...


 そしてボクは帝国民用のペンダントを作成中だ。

 アーシェラがペンダントトップのデザイン画を持ってきたからね。

 むしろ、よく2日で若樹珠(ウッドパール)その他を借り入れる審議を通したものだ。

 アラン財務卿辺りに色々小言を言われただろうに。

 国庫から資金を出すんだし? 年度予算の計上し直しとか....財務部ガンバ....

 てな訳で、1個作ってあとは完全複製(フルコピー)したった! 《製作欲求(フォルマクピディタース)》で! 一瞬で! 40万個! 即《魔法箱(アイテムボックス)》入りしたから見えないけど!


「98...99....100ッ!!」

「おわっ...」

「....」

「....」

「...た」

「ふぅ...」


 ほむ。アルバートはまだ余裕がありそうだねぇ...流石伸び代がある。

 あとの5人もそこそこ...


「では1時間休憩! さっき教えた柔軟体操をちゃんとしておくように! 筋肉が痙攣したりして大変な事になるからねー」

「「「「「はい!!」」」」」


 エリートじゃのぅ。クタクタでもちゃんと返事をするとは。

 ん~....この中で急成長を遂げる可能性があるのは6人かな?


 犬人族のアルバート。24歳。副長だね。

 犬人族のアンソニー。22歳。

 猫人族のメレデリク。20歳。

 ドワーフのリートガー。19歳。

 エルフのコンラウス。25歳。

 ホビットのフェビリー。23歳。


 フェビリーは身長が小さいのに、他の近衛騎士と同じ鉄棒を使えてたねぇ...努力の人とみた。

 残りの14人も将来性あるし、そこそこ強くなるだろうね。時間は掛かるけど。

 気闘術の纏い方が6人は突出してるだけだ。油断してると追い抜かれる。

 武の道は優しくない。ボクだって何度も死に掛けた。特にナイフ1本持たされて野山を駆けずり回った時は....おのれローゼめ!


「"老師(ろうし)"」

「ん? ああ、休んでていいよ? アルバート」

「いえ、せっかくの修練着が汚れますから...」

「平気平気。一瞬で洗濯できるし。そんな事は気にしないで、みんなみたいに座るなり寝転ぶなりして体力回復に努めなさい。これも修練」

「...わかりました」


 生真面目じゃのぅ....だから部下の信頼が厚い。

 まぁいいんじゃない? さらっと表層の意識を読んだけど、全員善い人だし。

 若干"黒髪の巫女"を神聖視してる節はある....そういえば神だった。

 そして今のボクは"老師(ろうし)"。冒険者ギルドの師範制度みたいなものだね。新人を熟練者が指導している感じだ。

 ボク12歳なのに.....でも...ヤジャナイ!


「さて、そのままの状態で聞いてくれ。気闘術がどういうものかは理解しただろう? 過去に経験があるはずだ。死物狂いで戦った時、異常な力が沸き上がるのを。

 現にそんな重い得物を振り回せた。長さ1m半、重量10キロ。普段の自分からは想像できない力だ。

 これから長い時間をかけて研鑽を積んで行く事になる。だけど、君達にはやらなければいけない事が目前に控えている。

 武術大会で優秀な成績を収める。近衛騎士団だけじゃない。世界中から猛者が集まるだろう。そしてなにより隣に居る仲間と争わなくてはいけない。

 まぁ予選は木剣だし鎧も装備する。悪くて骨折程度だ。痛いだけで死にはしない。喧嘩みたいなものだ。【聖騎士教会】から沢山の治癒術師が派遣されるからすぐに治る。


 で、だ。


 殆どの者が気を使い果たした。回復するのに時間が掛かる。故に休憩後ひとつの技と体術を教える。

 誰にでも使えるし、既に習得している者もいるかもしれない。ボクが望むのは精度を上げてくれ。

 あとは体力と気力を"どうしたら長時間維持し続けられるか"考えろ。

 身体を鍛えるだけじゃなく、頭を使え。対人戦の修練は今までもしていたんだ。対峙した相手の癖や読み方を的確に素早く分析し、自分の動きに反映させる。

 『()うは(やす)(おこな)うは(むずか)し』。ボクが常々心に刻んでいる言葉だ。


 そして技の名前。<水月(すいげつ)>と言う。


 水面に映る月のごとく、ゆらりと揺れて放つ技。

 相手の呼吸を読み、癖を読み、動きを先読みし、全ての認識をずらして倒す無拍子打ち。

 実際にあとで受ければわかる。受けた本人しかわからない。何故避けられなかったのか、をね」


 刀術のひとつだね。剣術でもできる。

 難しいんだけどね~....相手の心音まで聞こえると達人やね。ローゼとか。

 ボクはズルイ人間(ヒューム)だから神力と魔法で....


「<水月(すいげつ)>.....」

「無拍子打ち....」

「うん。『エッ!?』ってなるよ?」

「老師! 今見せて下さいませんか!?」

「お、俺も!」

「私も!」

「「「老師!!」」」


 いや、休もうよ....体力回復も修練の内なんだって....

 地下迷宮(ダンジョン)とか戦争とかで休憩が取れるのがどれだけ――ボクが言うのもおかしな話しだった!?


「ん~...じゃぁ一番元気そうだからアルバートから。次フェビリーね」

「「はい!!」」

「クッソ!」

「負けねぇ....フェビリーだけにはなんとしてでも...」

「いや、身長が近いからってムキにならなくてもいいんじゃ...」

「コンラウスにはわからねぇだろう...この美形エルフめ....」

「止めてやれ....コンラウスは....」

「.....いいんだ。コレットさんは、私にとって高嶺の花だったんだよ」


 ん? コレット?


「治癒術師の?」

「え? そうですけど....」

「孤児院手伝ってる?」

「は、はい。私も孤児なんですよ。それでコレットさんが派遣されてから仲良くなりまして....」

「コンラウスは給料のほとんどを寄付してるからな...」

「いや、あの孤児院は私の家みたいなものだしね」


 ほほぅ....ボクも多額の寄付をしたんじゃが?

 もしかして足りなかった?

 そしてなにやら恋の予感!?


「好きなの? コレット」

「...ええ、まぁ」

「告白したの?」

「いえ...コレットさんは仕事が忙しいですし....【聖騎士教会】所属の貴重な治癒術師ですから....」

「気後れしてるんだ」

「はっきり言えば...そうですね....」

「意気地が無いんだよ」

「リートガー? 私の傷を抉るつもりですか?」

「ああ!? んなわけねぇだろ!? 心配してんだよ! みんなもそうだろ!?」

「そうだな」

「だなぁ...」

「副長まで....」


 ほむほむ。慕われてるねぇコンラウス。リートガーは善き友人ってところかな?

 では、休憩時間を稼ぎつつ通信用魔導具で――


「あら? カオルさん?」

「ファノメネル。聞きたい事があるんだけど」

「なんでしょう? 治癒術師派遣の件でしたら...」

「いや、帝都に派遣されてる治癒術師でコレットって人居るでしょ?」

「はい。敬虔なる信徒です。治癒術師の職務に加え、孤児院の業務まで兼務していますからね。コレットが何か?」

「ん~....付き合ってる人とか居る?」

「カオルさん? "どういう意味"で聞いているのですか?」

「いやね? 知り合いの人がコレットに想いを寄せててね? 恋人とか居るのかなぁ~? なんてね?」


 何を疑ったー!? 節操無しだけどソレハナイ!


「...そうでしたか。私が知る限りでは居ませんよ?」

「エリゼオ司教とか怪しくない?」

「それはありえません。エリゼオは既婚者ですから」


 あらそうだったんだ。知らなかった。


「じゃぁ、ファノメネルが知る限り恋人は居ないと」

「そうですね」

「ちなみに、治癒術師と帝国の近衛騎士が結婚とか家格的にどう思う?」

「騎士爵位をお持ちなら問題ありませんよ?」

「ふむ。やっぱり治癒術師は特別扱いなんだね」

「それはもう。貴重な回復魔法の使い手ですから」

「そかそか。ありがとうファノメネル」

「いえ。"カオルさんが楽しそうで"何よりですよ?」

「....ソウダネー...マタネー」


 なんだ最後の含みを持った言い方は!

 ボクはファノメネルを嫁に貰わないからね!?

 カルアに相談しなければ....アワワワ....


「っていう訳で、コレットに恋人は居なさそうだ! でも、実際の所わからないよね?」

「は、はい....」

「老師? もしかして――」

「うむ! マカセロー!」





















 こわーいノワールさんにお願いして、そっとコレットの意識を読んで貰いました。

 そして完全にフリーな事が判明! しかもコンラウスを快く想ってる!

 そりゃ毎月あんだけ寄付してれば『善い人』だと思うだろうね。

 近衛騎士...結構高給取りなんだねぇ....年収で5万シルドか。平民の倍近いのね。


 というか、この場に居る近衛騎士達は全員何かしら問題を抱えてるのか。


 商家の息子で、家にお金を入れてたり...

 コンラウスと同じ孤児院出だったり...

 親の借金を返す近衛騎士とか凄いよ...

 エリートどこ行った....


「とりあえず....他の人は後日だね。アーシェラにも相談するよ」

「「「「「「ありがとうございます!!」」」」」」


「うむ。意気地無しのコンラウスよ」

「否定できない自分が憎い....」

「頑張れ!!」

「そうだぞ!!」

「老師がここまでしてくれたんだ!!」

「わかっているんだが....」


 本当に意気地無しだねぇ。自信を持とう!


「仕方が無い。自信を付ける為にボクから試練を課そう」

「試練、ですか?」

「うん。武術大会で"10位以内"に入る事だ」

「「「「10位以内!?」」」」

「難しく無いとボクは思う。来週開催される武術大会ならね?」

「...その言い方ですと」

「アルバートが危惧した通りだよ。長期的に見るなら、この場に居る他の近衛騎士も上位を取れるだけの伸び代を持ってる。

 だから、今回の武術大会だけならコンラウスが10位以内に入るのはそう難しい事じゃない。

 機会(チャンス)は1度だけ。次回の武術大会は今後のコンラウス次第。周りの仲間は強くなってるはず」

「俺達も...か」

「マジカ...」

「ちなみにボクの予想だと、アルバートが優勝。レオンハルトが準優勝。10位以内にアンソニー、メレデリク、リートガー、コンラウス、フェビリーが喰い込めるかな?

 でも、レオンハルトがそこまで強いとボクは言いきれない。実際に見てないから。アルバート達の話しを聞いただけだし」

「レオンは強いですよ?」

「団長ですし」

「文武両道と剣騎の2人も言ってました」

「義兄妹だからな」


 ほほう。それは初耳だ。


「老師の予想だと、上位に7人も近衛騎士の名が...」

「俺も入れるのか...」

「俺もだな」

「う~ん。近衛騎士は対人の修練をずっとしてきたから基礎ができてるんだよね。魔物や魔獣相手なら弱いよ? 冒険者の仕事だし」

「まぁそれは...」

「皇帝陛下をお護りするのが私達の職務ですし」

「ああ」

「未知数なのが【カムーン王国】かなぁ...道場があるから」

「刀術の――」

月永(げつえい)流と、長良(ながら)一刀流だね?」

「流石は老師。ご存知でしたか」


 シヴがその手の事に詳しいからねぇ...アレは趣味の領域だと思う。


「それでだ。武術大会は"槍の部"と"剣の部"に別れてるよね?」

「はい。"弓の部"もありますがそちらは」

「騎士が使うのは剣と槍ですからね」

「そうだね。で、この場に居る近衛騎士を得意分野事に分ける。槍が得意な者と剣が得意な者に」

「...なるほど。それぞれの部で10位以内を目指せと?」

「話が早いね。そういう事だ。アルバートはもちろん剣の部で、コンラウスは槍の部だ。アンソニー達も得意分野の見極めはボクがしてある。

 だから覚えろ。無拍子打ちはどの武器でも出来る。そして体術も同様だ。強く成れ! しがみ付け! 愛する者と手を取り合い、皇帝陛下をお護りするのが近衛騎士の本分だ!」

「「「「はい!!」」」」











 そうして修練は再開された。もちろん全員『エッ!?』ってなったよ。見ている方もね。

 なにせフラッと揺れた瞬間に木刀の切っ先が目の前にあるんだ。

 驚きコレが本物の刀だったらと....背筋に冷たい物でも入れられた感覚だろう。


「相手の呼吸や予測を読み取り裏をかいた攻撃だ。見ていた者は普通にボクが動いた様に見えたはず」

「は、はい...」

「なんで動けなかったんだ?」

「....油断してたのか?」

「いや...俺は本気で迎撃するつもりだった...」

「うん。小手先の技だけど対人なら有用だ。でも、相手が自分よりも格上だと無意味だね。逆に返される。だからこれまでの修練と体術が必要になる」

「なるほど...」

「次は俺に!」

「そうだね。アルバートの次はフェビリーの約束だしね」

「はい!」


 まぁ...結果はアルバートと同じだ。避けれない。来るとわかっているのに動けなかった。

 そういう技だからねぇ....


「老師は普通に打ち込んでいたな...」

「ああ。俺もそう見えた」

「だが実際に受けると恐ろしいぞ?」

「そうだな。戦闘開始直後にやられたらどうしようもない」

「....俺達も武術大会で戦い合うんだよな?」

「そう...だな....」

「競い合うのは良い事だ。もしかしたら隣の友が好敵手(ライバル)に成り、お互いの力を高め合う存在になるかもしれない。

 レオンハルトとアルバートの様にね?」

「...頑張るしかねぇな」

「...女騎士ちゃんの設立前に確固足る地位を」

「ああ...」

「ジョゼットちゃんの悲しみは忘れない...」


 根に持ってたのね?


「そういえば...」

「なんですか? 老師」

「いや、ボクの警護団員にアマゾネスが居るんだけどね?」

「決闘の時に雇われた....」

「そうそう。彼女達から聞いたんだけど、アマゾネスって普段は気が強いんだよ。

 でも、一度気を許した相手。つまり自分より強く、男として認めた相手を生涯尽くす人種なんだって」


「「「「.....」」」」


「まぁアレだね? ツンツンしてたのが、デレデレに成る訳だ。しかも女の子しか産まれない。

 騎士爵位を持つ近衛騎士だと入り婿を探す訳だけど....ここに居るみんなは友人が多いよね?」

「まさか!?」

「だけど家格が!?」

「ヒント。自分達はどうやって近衛騎士に選ばれた?」


「「「「はっ!?」」」」


「さーて...ガンバロー!」


「「「「オー!」」」」


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