第百九十六話 魅力的な街
ババル共和国。
大陸北西部に位置するこの国は、大小様々な部族の集落や小さな国が寄り集まって形成されている。
そのため、君主というものが存在せず民主主義によって統治される。
そんなババル共和国で元首を勤めるデュドネ・シ・フェルは、頭を抱えて悩んでいた。
「うぐぅ.....や、休みが欲しいぞ.....」
数十年振りに起きた戦争により、山の様に積み上げられた請求書の山。
各地方を治める族長や領主達が、兵士として送った領民達の給金を払えと言ってきているのだ。
「元首様。こちらが、新たに送られてきた請求書です」
重鎮の1人が持ってきた羊皮紙の束。
デュドネはそれを一瞥し、「はぁ」とひとつ溜息を吐いた。
「なぜ、私が処理をしなければならんのだ!!」
「元首様。財務部もがんばっているのです。ですが、人手が足らない上に、最終決定は元首様でなければいけません。ここは、グッと堪えていただいて、なるべく早く処理を済ませてください」
淡々と話す部下の男性。
デュドネは天を仰ぎ、涙を堪えて羽ペンを手に取った。
「我は....必ず休むのだ.....そして、黒巫女を見に行くぞ......」
「そうですな。そのためにも、早く処理を行って下さい。このままでは......間に合いませぬぞ?」
辛辣な言葉を投げかける男性。
そう思うなら手伝ってあげればいいのに。
「うぐぅ.....エルヴィントに、賠償金も払わねばならぬというのに.....」
「その通りです。元老院のじじぃ共のせいで、我がババル共和国は財政難に陥りましたからな。元首様には、一刻も早く立て直しをしていただかなくては....」
まったく手伝う素振りも見せない男性。
壁際に控える侍女に、紅茶を淹れさせないだけの気遣いはあるようだ。
「うがぁああああ!!!なんだこの請求額は!!!」
請求書の羊皮紙を破らんばかりの剣幕で、デュドネは雄叫びを上げる。
その様子を、重鎮の男性は楽しそうに見詰めているのだった。
ババル共和国で、デュドネが請求書の山に埋もれている頃。
昼食の片付けをカルア達家族と、なぜか手伝うと言い出したフロリアとディアーヌに任せ、砂浜に残ったカオル達は、食後の運動をしていた。
「ほらほら!!休んでる暇はないよ!!修練だからって気を抜いてると、怪我するからね!!」
木刀を片手に、5人の聖騎士の相手をするカオル。
息も絶え絶えな聖騎士達に比べ、カオルはとても元気だった。
「はぁはぁはぁ....な、なんであんなに速いの.....」
「ていうか、強すぎ.....」
「魔法使って無いのに.....」
「わ、私、そろそろ限界....」
「じゃ、ジャンヌ.....私の屍を超えて.....ガクッ」
「シャル!?シャルーーー!!!」
カオルにまったく歯が立たない、ルイーゼ・ルイーズ・ジャンヌ・シャル・セリーヌの5人。
ちょっとした喜劇を織り交ぜ、時間を稼ごうと目論んでいた。
「もう....身体が鈍ったとか言ってたから、修練に付き合ってるんだよ?
というか、5人はアブリルの護衛なんでしょ?いいの?そんな無様な姿を晒して....」
「大丈夫にゃ。本気を出せば、聖騎士は強いんだにゃ。それに、聖騎士は対人戦なんてほとんどしないのにゃ」
まったくもってその通りなのだが、少しは危機感を持って欲しい。
暗殺者に狙われているという自覚がないのだろうか。
「でもさぁ....この強さじゃ、近衛騎士と同じくらいだよ?」
「なんじゃと!?わらわの近衛騎士は、こんなに情けなくはないのじゃ!!日ごろから、しっかりと修練させておる!!」
「えー....昨日、ボクの人形を捕まえる事もできなかったよ?」
「な、なんじゃとーーーー!?ぐぬぬ.....」
カオルの基準は、そもそもおかしい。
剣聖ヴァルカンに育てられたカオル。
数々の魔物・魔獣と戦い、その力は、今や大陸でも屈指のものだ。
「う~ん....じゃぁ、ボクは素手で相手するから、もう一度やってみようか♪」
木刀を手放し、聖騎士5人と対峙する。
さすがにルイーゼ達にもプライドがあるので、負けられないと奮い立った。
「いつでもどうぞ?」
無防備に立ち尽くすカオル。
ルイーゼ達はカオルを取り囲み、手にした木剣を身構えた。
「ルイーズ!!」
「...了解!!」
姉妹の2人が相槌を打つ。
2人が駆け出した瞬間にジャンヌ達がそれに続き、カオルに向かって五月雨の様に木剣を振り下ろした。
「はぁあああああああああ!!!!」
カオルは気合を入れて、剣身の腹へ拳を打ち抜く。
鈍い音が木霊し、ルイーゼ達が振り抜いた木剣は、見事に2つに折られていた。
「「「「「う、うそ!?」」」」」
木剣を振り抜いた姿勢で固まる5人。
カオルはすかさず追撃し、5人の額にデコピンを繰り出した。
「「「「「いった~~い!!!!!!」」」」」
額を押さえて蹲るルイーゼ達。
カオルは自慢気に5人を見下ろして話し出した。
「あのね....たとえ武器を失っても、戦意を喪失してたらダメだよ?ボクは、師匠にそう教わったんだ。そうですよね?師匠?」
黙って見守っていたヴァルカン。
カオルにそう言われ、頷いて答えた。
「というか、動きが単調過ぎます。
ルイーゼさんとルイーズさんは、息の合った動きができるんですから、それをもっと有効に使って下さい。
それと、セリーヌさんは怯えすぎです。あなたは頭の回転が速そうなので、全員を上手くコントロールする事を覚えた方がいいかもしれませんね?」
至らぬ点を指摘し、将来のビジョンをルイーゼ達に示す。
「私は私は?」とジャンヌとシャルがカオルに縋り、カオルは伝えた。
「シャルさんは、この中で一番場慣れしてますね。武器は、槍とかの長物を使って、セリーヌさんの補佐をするといいかもしれません。
ジャンヌさんは、一番動きが速いです。先陣を任せるならジャンヌさんでしょうね。あと、剣と盾を使うのが上手そうです。もしかして、普段はそれを使っているんじゃないですか?」
「す、すごい!!なんでわかるの!?」
「だって、動きがそうですよ?それに、元々は左利きでしょ?なんでかわからないですけど、無理矢理右手に木剣を持ってるから、動きがチグハグです」
「そ、そんな事までわかるんだ.....」
カオルの観察眼に感服する5人。
カオルの疑問に、ファノメネルが答えた。
「聖騎士は、一律右利きに矯正されますからね。武器がそれしか用意できないのが問題ですけど....」
「そうにゃ。武器とか防具は、お金が掛かるのにゃ。右利きが多いから仕方がないのにゃ」
「そうじゃの。我がエルヴィント帝国でもそうしておる。
むしろ、ほとんどの国がそうじゃな。
剣騎や近衛騎士ならばまだしも、下級の兵士などの武器や防具をいちいち仕立てておれば、国庫が空になってしまうからの」
なんという不条理だろうか。
命を賭けるべき武器や防具に、お金を掛けられないと口々に告げる。
自分専用の良い物が欲しければ、強くなって偉くなれと言っているのだ。
「.....ボクには、国という単位での物の見方はできません。ボクが師匠に教わったのは、『武具は命を預ける大事な物』という事だけです」
カオルは少し悲しかった。
敬愛するヴァルカンから教えられた大切な事を、アーシェラ達はお金が無いからと軽く扱った。
もちろん、当人達にそんな気が無いのはわかっている。
国を運営するのにお金が掛かる。
人に、物に、なんにでも。
わかってはいるが、納得はできない。
つい口にしてしまったのは、カオルがまだ未熟だから。
まだ、12歳の子供なのだ。
「カオルが言うておる事は理解しておるつもりじゃ。じゃからの。我がエルヴィント帝国では、兵士全てに全身鉄の鎧を用意させておる。
せめて、防具くらい良い物をと思うての」
「聖騎士教会もそうにゃ。アレはとっても高かったのにゃ。鍛冶ギルドにいっぱいお金払ったのにゃ」
「ほほう?アブリルも、鍛冶ギルドに頼んで作らせたのかの?」
「そうにゃ。そう言うアーシェラも鍛冶ギルドにゃ?」
「そうじゃ。何しろ、エルヴィントでは鉄があまり取れぬからの.....
鍛冶ギルドに用意させたのじゃ。
自前で用意するよりは、断然安かったから助かったのじゃ」
仲良さげに話すアーシェラとアブリル。
ファノメネルは、アブリルが機密を漏らすのではないかと、戦々恐々としていた。
「ふ~ん....鍛冶ギルド....ねぇ、ジャンヌ?ちょっと、その鎧脱いでくれない?」
とんでもない事を言い出すカオル。
女性に対して鎧とはいえ、服を脱げとは.....
さすがドS。
「こ、ここでですか!?」
「うん。見たいんだ」
「み、見たいんですか!?」
「うん。今すぐ」
「い、今すぐ!?」
「うん」
さすがはカオル。
いや、カオルさん。
まぁ、おわかりの通りカオルは別にそんな気はない。
ジャンヌの裸が見たいわけではないのだ。
ただ、鎧が気になっている。
鍛冶ギルド製の鎧が。
「.....うぅぅぅぅ......ええええい!!!!!」
ついに覚悟を決めた、乙女のジャンヌ20歳。
カオルの前で、脇の留め金を外し、頸甲や胸当てを外した。
「えっと.....あと篭手と、肩当と.....」
次々に上から鎧を外すしていく。
腰当てを外して、汗に濡れたインナーを脱ごうとした時、カオルが止めた。
「あ、そこまででいいです」
寸止めである。
いや、肩透かしであろうか?
カオルに肢体を見せる覚悟を決めたジャンヌを、こともあろうにカオルは止めたのだ。
乙女の決意をなんだと思っているのだろう。
「「「「ジャンヌ.....」」」」
哀れむ様な視線が、ジャンヌに向けられる。
見れば、ルイーゼ達聖騎士仲間が、ジャンヌの肩を優しく叩いていた。
「師匠!!この鎧すごいですよ!!」
ジャンヌが纏っていた胸当てを検分していたカオル。
ヴァルカンを呼び寄せ、鎧の断面を見せた。
「ほほう...型押しではなく、叩き上げか....」
「はい。鉄が何層にも重なって見えますね....これを作った人は、腕の良い鍛冶師なんでしょうね....」
鎧の性能を褒める2人。
アーシェラとアブリルは、自慢げに胸を反らせていた。
「でも、重いですね.....ジャンヌさん達すごいです....ボクじゃ動けないと思います....」
「まぁ、カオルには合わないだろうな.....」
身長の低いカオルの頭を撫でて、ヴァルカンはそう言った。
カオルが一番気にしている事を。
「どうせボクは子供ですよ....」
「い、いや、そういう訳ではないんだぞ?カオルはそのうち大きくな.....」
ヴァルカンはそこで言葉を止めた。
なぜなら、カオルはこれ以上成長しないのだから。
「....むぅ」
毎日牛乳をかかさないカオル。
この世界に来て1mmも身長が伸びない事に、言いようのない不安を覚えていた。
「ああ、そうだ。ジャンヌさん。これを着てみてくださいませんか?」
カオルは悲しい話を打ち切って、アイテム箱から軽装鎧一式を取り出した。
それは、赤銅色の革鎧の上に、鱗状の欠片が幾重にも縫い付けられた代物。
一般的に言う、鱗の鎧だ。
「あ、は、はい.....」
いそいそと残りの鉄の鎧を脱ぎ捨て、カオルに渡された軽装鎧に身を包む。
胸当てや腰当て、革靴や腕当てを装備して、クルリとその場で一回転した。
「おー!!ジャンヌさんは、こっちの方が似合いますね♪胸が大きくて、とっても色っぽいです♪」
とんでもない爆弾を投下するカオル。
傍にいたヴァルカンが、ギロリとカオルを見やるが、カオルはまったく気が付かなかった。
「い、色っぽいだなんて......初めて言われました......」
「そうなんですか?みんな見る目がないんですね♪それに、尖った犬耳と、フサフサの尻尾がとっても可愛いです♪触ってもいいですか?」
「ひゃ、ひゃい.....」
物怖じしないとは、カオルの事を言うのだろうか?
ジャンヌの耳と尻尾を撫でて、嬉しそうに破顔する。
「ボクもこんな耳と尻尾が欲しいなぁ♪」などと口にするカオルは、どこぞの好男子だろう。
「着心地はどうですか?」
「は、はい....とっても軽くて、動きやすいです....」
「そうですか♪それはよかった♪」
頬を染めて赤面するジャンヌ。
なぜかルイーゼ達が羨ましそうにしているのは、防具の事か、カオルに身体を触られた事か。
「.....それで、カオル。この鎧はなんなんだ?」
何か言いたげなヴァルカン。
その気持ちは良くわかる。
嫉妬しているのだ。
「これは、この街の警備団員に着てもらう予定の鎧です。定期的に森に入って食料とか獲ってもらわないといけないですし、素材は良い物を使ってみました」
「....なるほどな。それにしても、この鱗はワイバーンだろう?
それに、革もサラマンダーだ。いつの間にこんなものを....」
「エヘヘ♪この前狩っておいたんですよ♪領内にワイバーンの巣があったので♪」
エッヘン!とばかりに自慢するカオル。
ヴァルカンはそんなカオルに苦言を漏らした。
「あのな、カオル。前にも言ったが、ワイバーンは獰猛な上に、群れで襲ってくるんだぞ?怪我でもしたらどうするんだ?」
「う~ん.....あのブレスは脅威かもしれないですけど、それ以外はオークと変わりませんでしたよ?」
「ブレスまで吐かれたのか!?あのな、ワイバーンのブレスは、岩を溶かす程に強力なんだぞ!?」
「ああ~.....そうですね。岩は溶けてました。でも『風の障壁』で防げましたよ?」
「もういい!!これからは、無闇に近づくな!!いいな!!」
「わかりました。師匠?心配掛けてごめんなさい....」
「わかればいい。まったく、カオルは目を離すとすぐ無茶をするな.....」
「エヘヘ♪」
「本当にわかっているのか?」
「はい♪師匠がとっても優しいのは、わかってます♪」
「まったく....」
心配しながらもカオルの頭を嬉しそうに撫でるヴァルカン。
カオルにきつく言ったものの、ヴァルカンはそこまで心配していない。
なぜなら、カオルがワイバーンになどやられるはずがないのだから。
そんな会話を聞いていたルイーゼ達。
啞然としながらも、ジャンヌが纏っている鎧を見てある事に気が付いた。
「この鎧....たぶん、私達の生涯年収くらいするよね....」
「うん....」
「ここの警備団に入ると、これ貰えるんだ....」
「だろうね....」
聖騎士団の鎧と見比べる5人。
あまりにも違う性能差に、ガックリ肩を落とした。
「着心地良いの?」
「かなり....」
「サラマンダーの革に、ワイバーンの鱗....」
「火耐性凄そうだね....」
「そうだね....それに、ちょっと可愛い....」
「うん。デザインがかなり良い....」
「しかも軽い....」
「「「「「.......」」」」」
この時、5人は同じ事を思った。
(必ずここで働こう)と。
「ふむ.....鉄より硬いのかの?」
貴金属や芸術品には目の肥えているアーシェラだが、実用品の武器や防具にはまったく理解がない。
貴族なのだから、それでいいのだが。
「そうですね....価値という点では、雲泥の差でしょうか。
鉄の鎧を高く見積もって10万シルドとすると、カオルさんの鱗の鎧は百万シルド以上すると思います。性能は....おそらく、革の鎧とおっしゃっていたので、幾重にも重ねて強度を出しているのでしょう。
火耐性という付加価値を除いても、同等以上はあるのではないでしょうか?」
ファノメネルには、鑑定眼でもあるのだろうか?
鉄の鎧と鱗の鎧を正しく見比べ、自己評価を下した。
それに、ヴァルカンは頷いて同意する。
「なんじゃと!?カオルばっかりずるいのじゃ!!わらわにも何か寄越すのじゃ!!」
「そうにゃ!!美味しい食べ物を要求するのにゃ!!」
「えっと、アーシェラ様?これを近衛騎士全員分用意するのはムリだと思いますよ?材料集めるのも大変ですし....」
「ぐぬぬ....ならば、少しで良いから寄越すのじゃ!!新しく騎士団を結成するのじゃ!!」
子供の喧嘩を始めるアーシェラ。
ネコは放っておこう。
どうせ、美味しい食事は毎回出るのだから。
「騎士団を結成する前に、剣騎のセストとレイチェルに良い装備を与えてあげて下さい。いつまであの装備のままにしておく気ですか?剣騎なんですよ?」
カオルの言い分はもっともだ。
剣騎のセストとレイチェルは、兵士と同じ全身鉄の鎧を装備している。
武器も鉄製の大剣と三日月斧であるし、もう少し良い素材にするべきだろう。
「あの2人は剣騎ではあるが、まだ半人前じゃ!!それに、シブリアンからも『良い武具はまだ早い』と進言されておるのじゃ!!」
なんということでしょう。
国民が憧れる職業である剣騎の2人を、半人前と言ってのけるアーシェラ。
しかも、セストとレイチェルの師である、元剣騎シブリアンからそんな進言をされているとは....
「.....言いたい事はわかります。
良い武器、良い防具は扱う者を慢心させます。
ボクも師匠に言われた事があります。
でも、今のあの2人なら、ボクは平気だと思うのですが....」
アルバシュタイン公国でのセストとレイチェルの活躍を実際に見ているカオル。
味方の近衛騎士や冒険者を鼓舞しながら戦う姿は、とても剣騎らしい物であったと記憶していた。
「う、うむ.....
ならば、あの2人については、師であるシブリアンと相談するのじゃ。
そんな事よりも、その鎧じゃ!!カオルはずるいのじゃ!!
あんなに沢山の白銀を持っておるにもかかわらず、今度はそんな高価な鎧を持ち出しおって!!ずるいのじゃずるいのじゃ!!」
駄々を捏ね始めたアーシェラ。
アブリルもなぜか駄々を捏ね始め、カオルはどうしたらいいのかわからなくなった。
「....では、陛下。丁度、カムーン王国よりティル王女が来訪されます。
白銀を譲ってくれるように、要望を出してみては?」
状況を見かねたカオルの師匠ヴァルカンが、助け舟を出した。
「....うむ。そうじゃの!!丁度良い機会じゃ!!そうしてみるのじゃ!!
じゃが、要求を拒否されたら.....わかっておるな!!」
言に寄越せと言うアーシェラ。
どこまで駄々っ子なのだろうか。
「わかりました。当家の白銀は差し上げられませんが、他の素材でしたら融通します。もっとも.....ボクはそうはならないと思いますけどね♪」
何かを悟っているかのようなカオルの物言い。
ヴァルカンはこの時、言い得ぬ予感めいたものをカオルから感じるのだった。
ご意見・ご感想をいただけると嬉しいです。




