25万PV感謝記念
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
おかげさまで25万PV突破いたしました。
感謝感謝でございます。
思えば初投稿から4ヶ月。
言い回しを覚えたり、書き方を変えてみたり。
色々やってまいりました。
初期の頃に比べれば、断然今の方が読みやすいと感じますが、製作速度は昔の方が速かったと思います。
さてさて、不定期で投稿しております感謝記念。
今回もTS小説の続きを書かせていただこうかと思います。
そこで、仮ではありますが題名をつけました。
題して『女性になったボクの非日常』です。
解りやすい題名ですね。
登場人物のおさらいもしておきましょう。
<主人公>
男性名 赤石千歳
女性名 金井詩織
・叔母の娘さんから命名。
・つまり従姉妹。
・叔母は鳥取でピアノ教室を開いている。
・従姉妹とはたまにメールのやり取りをする仲。
・高校受験を控えた男子中学生だった。
・朝起きたら女性の身体に成っていた。
・地味で目立たない性格。
<その他>
憧れの田中先生
・26歳女性。
・もちろん彼氏無し。
・見た目は可愛い系。
・BL好き腐女子。
・担当教科は古典。
嫁き遅れの佐藤先生
・御歳29歳。
・三十路までには結婚を、と目論む、担任教諭。
・担当教科は数学A。
公崎静流
・クラス唯一の理性と名高い、クラス委員
・『公崎一派』という取り巻きに囲まれている。
・実家はどこぞの良家らしい。
飯塚幸助
・悪友。
・頭が悪く、女性の事ばかり考えている。
お隣のミナちゃん
・1年上の先輩。
・母さんが勝手にセーラー服を借りてきた相手。
というのが主な登場人物です。
ちなみに、主人公の母親は割愛しました。
キャラが濃すぎるので.....
では、短いですが本編を書かせていただきますね。
教室で自己紹介を終えたボクは、なぜか仲良くなった公崎静流こと、シズルとその取り巻きに案内されて、音楽室へと来ていた。
今日の3時間目の授業は音楽で、卒業式で発表する合唱曲を決めなければいけない。
正直、うちの学校は変わっていると思う。
なぜ卒業式で、クラスごとに合唱なんかしなければいけないのか。
だいたい、みんな受験で忙しいんだから練習に参加できないと思うんだよね。
「ちょと!!私達のクラスだけ、まだ合唱曲決まってないんだからね!!静かにしなさいよ男子!!!」
クラス委員らしい物言いのシズルが、自分勝手に騒ぐ男子達に叫ぶ。
いつもならボクもその輪の中で騒いでいるので、なんだかとてもいたたまれない。
それにしても、みんなボクの噂してるなぁ....
まぁ気持ちはわかるけどね。
ボクだって、転校生が女の子なら興奮するし。
でもさ。
受験目前なんだから、少しは緊張感を持ったらどうだい?
付属の高校行くヤツが多いから安心してるだろうけど、試験はあるんだよ?
なんて、口には出せないけどさ。
はぁ.....
ボクがうな垂れていると、幸助が元気良く手を上げた。
あのニヤケ面から想像するに、ろくでもない事を考えているだろう。
「なに?飯塚....変な事言ったら死刑だから」
即座に釘を刺したシズルは、さすがと言うべきだろうか。
対する幸助も、口端に笑みを浮かべて、完全に笑いを取る準備が出来ている。
「おいおい、公崎。俺がそんなバカ事言うわけないだろ?俺はナイスガイだぜ?」
わざわざボクに向けて白い歯を煌かせる幸助は、本当にキモイと思う。
というか、気づけよ!!
ボクだよ!!
顔見ればわかるだろ!!
昨日も一緒にふざけ合ったじゃないか!!
影の薄い自分に嫌気を差しつつ、幸助のボケを見守った。
けして目は向けない。
なんかキモイから。
「俺は考えた。麗しの転校生こと詩織ちゃんが、こんな時期に転校してきた事は、神様の導きではないかと!!」
うわぁ....
またバカな事言ってるよ....
周り見なよ。
女子達の冷ややかな視線。
あれが、もしボクに向けての物だったら、なんか変な性癖に目覚めそうだよ。
「そ・こ・で・だ!!我がクラスの合唱曲は、詩織ちゃんに決めてもらうのはどうだろうか!!」
....ぶん投げた!?
なにそのイジメ!?
ちょっと教育委員会のお歴々のみなさん。
なんとか言ってやってください!!
ボクが驚愕とする中、友人になってくれたシズルは、何故か真剣に考え込んでいた。
ちょ!?もしかして.....
いやいや無理だからね!?
そんなボクを見たって、アイデアなんて無いからね!?
うわ....なにその嬉しげな表情。
ダメダメダメ!!!
無理だよぉおおおおお!!!
「..........飯塚。あんた、たまには言い事言うじゃない。そういう訳で、シオリに決めてもらいましょ。みんなもそれでいい?」
なぜか満場一致で可決された幸助の提案。
ボクの転校の挨拶を懐疑的に見ていた女子達でさえ、なぜか温かな顔でボクを見ていた。
「じゃぁ、シオリ。さっそくだけど、合唱曲を決めてもらうから。前へ出て」
有無も言わさぬシズルの態度。
そういえばシズルはこういう人だった。
自分で何でも決めて、やりたい事をやりたい様にする。
クラス委員を決める時も、誰も立候補をしないから自分からやると言い出して、他の委員も勝手に決めてた。
まぁ、人を見る目はあると思う。
図書委員も美化委員も保健委員も適材適所で、誰も嫌がらなかったし....
でもさ。
新参者の転校生に、こんな大事はさすがに無理じゃないかと思うんだよね。
これって、一種のイジメじゃない?
それともあれかな?
早くクラスに馴染めるように、わざわざこんな舞台を用意したって事?
発案者が幸助でさえなければ、ボクも喜んで引き受けたと思うよ。
壇上で「早く」と急かすシズル。
ボクは何も言えずに、のそのそと向かって歩いた。
「それじゃ、シオリ。今まで出た案を言うから、良いのがあったら言ってくれる?他の曲でもいいからね」
さすがに無からという訳ではなかった。
こういうところがシズルらしいな。なんて思ったり....
「仰げば尊し・ありがとう さようなら・栄光の架橋・絆・さくら・桜ノ雨・さよなら友よ・3月9日・巣立ちの歌・旅立ちの日に・翼をください・はばたこう明日へ・未来へ.....」
次々と出るは出るは卒業ソング。
歌謡曲と言われる歌も多いし、昔ながらの古風なものまで。
よくまぁこれだけ並べた物だ。
なんて思っていると、言い終わったシズルが眉間に皺を寄せて「どれにする?」なんて聞いて来た。
全然決まって無いんだけど.....
「ほら、シオリ。何でもいいから決めちゃっていいわよ。これはシオリを歓迎するためにやってるようなものだし....」
こっそりとボクに耳打ちをするシズル。
嬉しいんだけど、何でもいいって.....クラス委員としてそれはどうなの?
散々悩んだ挙句、ボクが選んだのは桜ノ雨だった。
なぜって?版権的にも問題無さそうだし、去年家が隣で1個上の先輩であるミナちゃんが歌っていたからだよ。
え?ミナちゃんの事が好きなのかって?
うん。それは無い。
だってさ。
超性格悪いんだもん。
『男なんて、歩く財布よね♪』
人目も憚らずにそんな事を言ってのけるミナちゃんは、ボクにとって畏怖すべき存在だと思うんだ。
「桜ノ雨ね。それじゃそれに決定!!伴奏は.....シオリ出来るわよね?お母様がピアノ教室の先生なんでしょ?」
うわぁ!!
来たよ決め付けが....
それってあれでしょ?
ボクが銘菓子屋の息子だから和菓子作れるんでしょ?って言うのと同じだよね?
そういうの偏見だと思うよ?
止めた方がいいよ?
ボクの意思を無視して、伴奏者に選抜されてしまう。
小さい頃から母の姉である叔母さんの家へ遊びに行くと、何故かボクはスパルタの如き教育で、ピアノを習わされた。
従姉妹の詩織が大のピアノ嫌いで、教える相手が居なかったせいだろう。
まぁそのおかげで、簡単な曲なら弾ける様になったからいいんだけどね。
ボクが渋々承諾すると、何故か男子達から歓声が上がった。
「清純派ボクっ子がピアノを弾くだと......それじゃまるで.....清楚ちゃんじゃないか!!!!!」
「「「「「清楚ちゃんキターーーーーーーー!!!!!!!」」」」」
バカでアホな幸助が叫ぶと、呼応するかのように他の男子が一斉に叫ぶ。
ボクはガックリうな垂れて、ついシズルの背中に隠れてしまった。
男らしくないよね?
うん、知ってる。
女々しいヤツなのさ。ボクは.....
「飯塚。ウルサイ。死刑で」
怯えるボクを庇ってくれたシズル。
「死刑」の一言で、騒いでいた男子達が静まり、クラスで1・2を争うほど体格の良い斉藤兄弟(陸上部所属)が立ち上がり、幸助を両脇からガッチリ抱きかかえて連れて行った。
幸助....ちゃんと『更生』して帰って来るんだぞ....
生暖かく見送ったのは言うまでもなく...
「それじゃ、譜面の用意するから少し待ってて」
合唱曲が決まるや否や、テキパキと段取りを組むシズルは、やっぱりカッコイイ。
いや、好きになるとかそういうのではないけど。
というか、ボクはこの先どうやって生きて行くんだろうか。
身体は女性でも、男を好きになるなんて、ありえないと思うんだけど....
シズルの背に隠れたボクは、静かに溜息を吐くのであった。
いかがだったでしょうか。
小話なので緩やかに進行しています。
しばらくの間、感謝記念はこの作品を書かせていただこうと思っていますので、お付き合いのほどお願いします。
今後とも『暗闇の白い手』をどうぞよろしくお願いします。
ではでは。
桜ノ雨 absorb feat.初音ミク
 




