第二話 第一部 勧誘と録音
「もしもし? 楓ちゃん?」
「そうだよ! えっとね、この前声かけた人からメールって届いた?」
私は通話しながら宿題をこなしていく。ペンを回しながら上を見る。
「まだ来てないのよ。向こうも忙しそうだし、気長に待つことにするよ。せめてものの…一週間ぐらい?」
「そうだね。それじゃあ私も気長に待つことにするよ! それじゃあまたね!」
そういって電話を切った。私は画面を消してテーブルの上に置いた。よし、たまった宿題やらなきゃ。
メールダヨ、メールダヨ。
メールの届く音がなった。私はすぐに携帯を開いて内容を見た。まさかと思っていたけどそのまさかだった。恭花さんからのメールが来た。
『こんばんは。夜桜恭花です。アイドルのお誘いありがとうございます。ですがまだ私自身突然のことなので戸惑っている所があります。そこでですが、今度の日曜日一緒にお出かけしてもよろしいでしょうか?』
まだ迷っている。無理には押したくないけど、ここはチャンスかもしれない。私はすぐに携帯でメールを打ち返した。
『メールありがとうございます、九石千代乃です。もちろん大丈夫です。では日曜日にお出かけしましょう。』
私はすぐにメールを返して宿題に手をつけた。考えてくれているというだけで嬉しい嬉しかった。そのおかげか、宿題がものすごくはかどる。早く会ってお話したい。そして共にアイドルとしてやっていきたい!
「あ、そうだ。」
私は思い出したかのようにバッグの中から録音機を取り出した。そしてスピーカーに繋げると私が歌った曲を選んだ。
「自分で自分の曲聴くのは恥ずかしいかな…。」
私は独り言を言って照れながらも再生ボタンを押した。
「…………。」
自分の歌をじっくりと聞いた。こうやってカラオケではしっかり歌えてたところも録音してしっかり聞くと音程をはずしている所があった。そして息継ぎが早いかも。もうちょっと運動しないといけないかな。そして音楽をたくさん聴いてもっと覚えないと。
「……あ、でもここよかった。」
自分でも上手く歌えていた所があった。そこは自分の得意なところだからどんどん伸ばしていかないと。せっかくの良い点を聞き逃して台無しにしたくない。絶対にアイドルで自分を変えてみせる!




