第五話 第十八部 収録と機材
「ここよー。」
「おお、めちゃくちゃ本格的ですね!!」
楓が嬉しそうに収録部屋の中に入っていった。そして機材を眺めては目を輝かせていた。やっぱり音楽にかかわることは本当に好きなのね。そう思うと楓の嬉しそうな理由が分かってきた気がする。
「ほぉおお!! マイクとかめちゃくちゃいい奴じゃないですか!! やっぱりヘッドフォンはこれを使いますよねー! うっはー!」
「ねえアレ見て! このインターフェイスは最高すぎじゃない!?」
「アリスも分かるの!? いいよねこれ! 音質最高なのよね!」
アリスも興奮して楓と会話し始めた。私と恭花さんは驚くばかりだった。紅音さんも少しこの知識量にはすごいといった表情をしていた。見ているだけではなく、アレを実際に使って録音することになる。素晴らしい環境に恵まれてるなあ。
「おまたせ。皆準備できているみたいね。」
収録場所にあの堀川さんが入ってきた。そして後ろには他の人たちもたくさん入ってきた。この人たちはおそらく録音とか指示するプロフェッショナルの人たちだろう。皆不思議な人たちばかりだった。
「やあ。君たちがピュアプラチナね。よろしくね。」
「よ、よろしくお願いします。」
男の人もいれば女の人もいる。そしてセットが始まっていくとすぐにその表情は変わっていった。やっぱりすごいなぁ。
「緊張しなくていいよ。最初は私たちが録音するからどういう感じか見ておいてね。」
最初にアイリングが録音するのか。それなら少しはどういう所がやるべき所なのか分かる。
「あ、そうだ。録音中は静かにね!」
「そうね。全神経を耳と作業に集中させるからね。」
「うん。でも…心配なのが一人。」
私と楓、恭花さんは一人の顔を見た。そこには宇宙と交信しているかのようなポーズで奇妙な発言をしているアリスの姿があった。素がこれって…なんと言えばいいのか。
「大丈夫よー。私はー静かにーするー。」
歌いながら私たちの話を聞いていたかのような返事をした。だけど…なんだか説得力がない。そりゃ歌って返事されたら無いよね…。
「紅音、そろそろ準備ね。」
「あ、そうね! それじゃあ…集まって。」
紅音の声でアイリングの四人があつまった。手を前に出していつものように声を掛け合っていた。そろそろ本番収録が始まる…。




