第五話 第十七部 収録と場所
「ここが…収録場所?」
私たち四人は並んで大きなビルを見上げた。高くて綺麗な建物、そしてそこにはアイリングも使っているあの収録場所があるらしい。私たちは口を開いてただ見上げていた。
「あ、千代乃! 迷わずに来てくれたみたいだね。」
聞き覚えのある声に私たちはすぐに顔を下ろした。紅音さんたちが手を振って待っていた。そして走って紅音さんの所まで移動する。
「あれ? まさか新メンバー?」
「あ、そうです。」
「へー。まさかメイド界で有名になりつつある、ありるちゃんをメンバーに入れるとは…さすがね。」
「私たちが誘ったんじゃないのよ!」
「ありる…いや、アリスが自分から志願してきたのよ。」
「アリスです! 本名だよ、よっろしっくー!」
アリスは楽しそうに挨拶してくれた。どうやらアイリングの人たちもありるの存在は知っていたのね。アリスは有名人でうらやましい。
「アリスって言うんだ、よろしく。」
「よろしく! むむっ、ここから強い音波のにおいがやってきている…収録場所なだけあるわね。」
「お、音波ってにおいがあるの?」
私たちはアリスの調子になかなかついていけなかった。でもすごく良い人で実力があるのはたしかだ。さて…今日が本番の収録だ。私たちは自信を持ってビルの中に入っていった。
「この5階に収録場所があるわよ。本格的な場所だけどびびったりしないでね。」
「紅音さん…すでに私は緊張しています。」
「千代乃、あのライブの時と比べたら楽なものよ。リラックスしていつものようにすれば良いわ。他のみんなはどう?」
私と紅音さんが振り返ると三人とも苦笑いしていた。まさかアリスも緊張しているのかな…。でもこの四人ならしっかりできる。うん、あれだけ良い歌詞も作れたんだ。自信持っていかないと!
「うぃーん。」
アリスがエレベーターが開くと同時に声をあげて笑いを取った。なんでこういうときにこんなことを言ってくれるのだろうか。なんてリラックス法なのだろうか。いるだけでリラックスできるなんて最高だ。




