第五話 第一部 収録とデビュー後
「おはよう。」
私は疲れた顔で教室に入った。するとクラスの数人が私のことを見てきた。そして近づいてくる。
「やっぱりそうよね…。」
私の顔をまじまじと見てくる。そんなに私、疲れた顔しているのだろうか。無理もないよね、昨日の今日だし。
「昨日、アイリングと一緒にライブしてたでしょ? たしか…ピュアプラチナって名前で。」
「……えっ!?」
なんで? 私だってバレてしまったの? と、ともかく…。今はなんとかごまかさないと…。
「なんで? 私、そんなことしてないよ? ほら、体弱いし…。」
「えー。だって名前が千代乃ってそういないわよ。珍しいし、髪型もそのまんまだったもん。あと黄緑色の髪をした女の子とかっこよくてオレンジの髪色の人がいたわよ。」
ダメだ、完全にばれているかもしれない。いや、ばれているんだ。私は大きくため息をついて自分の椅子に座った。
「人違いじゃないの?」
「だって…あ、友達が写真撮ったって。」
だめ、こんなことで反応しちゃいけない。そしたら本人だってバレちゃうから…。なんとかしなきゃ。
「おはようございます。」
先生が教室に入ってきた。先生が入ってくると同時に私たちはすぐに自分の席へと戻っていった。これで少し落ち着いたかな…。
「さて…千代乃さん。昨日アイリングのライブにいたでしょ?」
「はへっ!?」
「ほらーやっぱり。」
なんで、先生まで見ているの!? というか…ここまで来たらもう逃げられないじゃない…。
「私、アイリングの大ファンだったのよ…。でも私もピュアプラチナのファンになったから。これからもがんばってね、千代乃さん。」
これは…褒められているのかな? そしてクラス中から拍手喝采が沸き起こる。こんな思いをしたのも初めてだ。クラスの皆に褒め称えられるなんて…。うれしくて涙がでそうだ。
ピロロン
「ん?」
昼休み中、楓からメールが来た。と思ったら恭花さんからもメールが届いた。私はすぐにメールの中身を確認した。それはお互いに同じものだった。クラスの人たちにばれちゃったって。でも…すごくうれしそうな言葉が詰まっている。やっぱり…こういうのはうれしいのかな…。




