第四話 第二十八部 デビューと成功
ジャーーン!
「わぁああああ!!!」
歌いきった、踊りきった。そして…最高のライブを見せることができた。私はほっと一安心した瞬間、体に力が抜けてきた。
「うわっと…。」
私の様子を見てすぐに恭花さんは私の体を支えてくれた。最後の最後にこんな姿を見せてしまった。ああ、せっかく頑張ったのに。
「頑張ったぞ!!」
「お疲れ様!!」
パチパチパチパチ…
しかし拍手と歓声が沸き起こっていた。私たちに惜しみない拍手を送ってくれている。こんなたくさんの人たちに応援されたのは…初めてだ。楓の目にも、恭花さんの目にも涙が見えていた。私はもう今にも号泣しそうになっていた。私は涙であふれた目をこすってファンの前に立った。
「皆さん……ありがとうございました!!」
私たち三人がお辞儀をするとまた大きな拍手が聞こえてきた。大成功と言っていいだろうか。でも悔いは無い。最高のライブが出来たのだから。
「おつかれ!!」
一人の女性の声が聞こえてきた。いつも聞いているような声に反応して声のする方を向いた。そこには私のお母さんが手を振っていた。そして…お母さんも泣いていた。
「ありがとう!!」
私はお母さんに向けて手を振った。お母さんに最高の晴れ姿を見せることができてよかった。
「おかーさーん!」
「来てくれていたんだ。」
楓も恭花さんも親が見に来ていたようだった。本当に…よかった。
「お疲れ! それじゃあ後は任せてね!」
「はいっ!」
紅音さんが手を出してきた。私はそれに手を当ててハイタッチした。そして退場すると私たちは全員で顔を合わせた。全員が泣き顔になっていた。でも…それと同時に嬉しさがこみ上げてきた。
「や、やったぁあ!!」
私は大きな声で喜んで楓と恭花さんを抱きしめた。同じように楓も恭花さんも抱きしめてくれた。本当に…よかった。




