第四話 第二十二部 デビューと控え室
「うわぁ…。」
「すごいね。」
「本当に大きいわね。」
歩行者天国の秋葉原。その一角にステージらしきものがたてられようとしていた。私たちはアレを見てこんな人前でライブをするのかという緊張感が襲ってきた。
「おはよう千代乃。」
「あ、紅音さん。おはようございます。」
私は紅音さんに挨拶した。紅音さんは控え室場所へと誘導してくれた。そしてあるビルの中に入るとしっかりとした控え室があった。そこにはアイリングのメンバーもそろっていた。
「おはよう! 本番は二時間後だけどよろしく!」
「それまでにしっかりと準備をしておいてね。」
私たちはすぐに準備を始めていく。本番まで二時間、この緊張した状態でずっといると時間がものすごく早く感じていく。こんなことは今までにない。だからこそ緊張しているのかもしれない。
「あ、そうだ。」
楓がポケットから何かを取り出している。そして出したものはチョコレートだった。
「これ食べて落ちつこう。それと紅音さんたちも食べていいですよ!」
「ありがとう! それじゃあいただくね。」
私たちは楓の差し入れに少し気持ちが和らいだ。口の中にチョコレートを入れると甘い味が口いっぱいに広がった。
「んー。最高だね。」
「ありがとう楓。」
「えっへへへ。」
楓はうれしそうに頭をかいていた。これなら少しは本番でも集中して出来るかな。




