第四話 第十七部 デビューと確認
「ふぅ…本番じゃないのに緊張するね。」
「そうね。アイリングの前でやるということは私たちが本当に出ても大丈夫かってことを見られるからね。」
「私は楽しみだよ!」
私たちはアイリングと集まる約束をしていた。その場所は恭花さんの行きつけ運動場だった。私たちはアイリングの人たちがやってくるまで衣装に着替えて待っていた。化粧も大丈夫、よし。準備おっけ!
「ここかな? あ、千代乃ちゃん! その衣装かわいい!!」
「紅音さん、こんにちは。自分で作ったのです。」
「へー! けっこう凝ってるね。かわいらしいし綺麗ね。楓も恭花も似合ってる。うんうん、衣装や見た目は上々だね!」
よかった、最初に褒めてくれた。私は立ち上がって楓と恭花さんを呼んだ。
「本番だと思って頑張るよ。」
「もちろん!」
「いつも通りでいきましょう。」
私たちは手合わせて声を掛け合った。そして準備が出来た私たちは個別練習場へと誘導していった。中に入ると楓が音楽の準備をしはじめた。あらかじめ用意した椅子に紅音さんたちをすわらせた。私は恭花さんと場所の再確認をした。楓が手でオッケーサインを出すと私と恭花さんがポーズを取る。
「それではいきます!」
私が声をかけて楓にスタートの合図をかける。再生を押してから十秒後、曲が始まる。…人に見られると緊張する。この十秒間がものすごく長く感じてしまう…。
ジャーーン
曲が始まると私たちはいつもの振り付けのように動き始めた。いつものように、笑顔を見せて…。大丈夫、落ち着いてやれば問題ない! 私たち三人で歌い始めた。声もそろっている。楓も恭花さんもおちついている。あとはソロ…。
「おお。」
私が歌っていると四人の目付きが変わった。しっかりと見てどんな感じなのかを見ているのだろう。いつものように笑顔で歌えている。次は楓に変わるところ…こっちに!
ドッ
えっ? 恭花さんとぶつかった? こっちじゃなかったっけ?
「ミスしてもおちついて! いつものように!」
紅音さんが声をかけてきた。そのおかげで私はすぐにいつもの位置に戻ることができた。恭花さんもほっとした顔を一瞬見せてくれた。私…もしかしてミスしちゃったのかな…?




