第四話 第十部 デビューとダンスつき
「さんにーいち!」
楓の掛け声で私たちは踊りだす。そして曲に合わせて歌い始める。私はいままでやってきたことをすべて出し切るように踊りだした。最初の入りは楓の歌、その間は後ろで踊らないといけない。笑顔を保ちつつ、きれいに見えるように。そしてわたしの出番がやってきた。私は前に出て踊りながら歌う。息切れするかどうか心配だったけれどなんとか歌えてる。よし、この調子ならうまく歌えてそうだ。次は恭花の出番。前に出ると楽しそうに歌い始める。綺麗にダンスを決めていて歌もしっかり歌えている。なによりもさっきの歌っていた時とあまり変わらなかったのが特にすごい。やっぱり恭花さんはすごいや。そしていよいよ皆で歌う順番だ。私はもう一度正面に立って歌った。三人がそろって歌えている。バラバラという印象も全くない。楓も恭花さんも何一つダメなところは無いように思える。これなら本番でも大丈夫かな?
ジャーーーン
曲が終わると同時に私たちは決めポーズをとった。私はもちろんのこと、楓も恭花さんも息を少し切らしながら終わった。
「お…終わったね…。」
私は決めポーズを終えるとすぐにその場に座り込んだ。そして息が少し苦しくなる。恭花さんはその様子を見て私のもとに飲み物を持ってきてくれた。
「あ、ありがとうございます…はぁはぁ…。」
「すごいね…一発でここまでのクオリティーができるなんて…。」
「まだまだよ。聞いてみなきゃ分からないよ。」
楓はビデオの録画ボタンをもう一度押してとめた。そしてテレビをつけると先ほどとった動画を見始めた。
「おおー!」
私たちがしっかりと踊っている。必死にやっている感が伝わっている。これなら問題ないかな?
「ちょっと踊りと歌で必死になっていて一部笑顔が見れない所があるね。」
「本当だ。千代乃も後半になるにつれて疲れている表情が見えているわね。」
私にダメな所が見つかった。それだけじゃない。楓も恭花さんも見つかっている。私たちはまだまだということなのかな…。




