第四話 第五部 デビューと集中
「はい、いちに! いちに! 楓、もう少しステップ軽やかに! 千代乃はバランスを見て!」
「よいしょっ! ふぅ…この振り付けは覚えられるようになったね!」
「そうだね…ふぅ…。けっこう体力使っちゃった。」
「それじゃあ次私がやるから見ておいて。」
私たちはダンスの練習をしていた。あそこで出会ってから一週間、もう二週間と迫ってきている所だ。最後まで練習を続ける体力は出来てきたけどあとは本番でどれだけできるかが心配だ。
「リズムもう少しあわせてー!」
「はいっ!」
私と楓が休んでいる間は恭花さんがダンスをする。そして恭花さんが休んでいるときは私たちがダンスをする。これで両者を見ることができて効率よくできる。
「ふぅ…あとは音楽と一度合わせてやってみようか。」
「そうだね! ダンスが出来なきゃ歌うことすらできなさそうだし。」
「午後は楓行きつけのスタジオ借りて…練習だからここで一度しっかり決めたいよね。」
「よし、やってみよう!」
恭花さんがパンッと手を叩いた。私たちは立ち上がりそれぞれの位置に移動した。
「それじゃ音楽流すわよ。」
恭花さんが声をかけてポーズをとった。音楽が始まり、ダンスが始まった。私は集中してダンスでしっかり踊ることだけを考えた。
タン、タタンッ
足が動く音と音楽が聞こえてくる。私たちの位置を変えるところも上手く出来ている。よし、この調子なら。
「(千代乃…なにその動き、キッレキレ!)」
「(集中しているときの千代乃はすごい…ここまで変わるなんて…。)」
ジャーーーン!
音楽が…終わった。
「はぁはぁ…ふぅー。」
私はひざに手をついて息をあげていた。もう体力がなくなっている…本当に本番上手くできるのかな…。
「千代乃、すごいよ。」
「ビデオ見てみようよ!! きっと自分でも驚くと思うよ!」
私はえっ? と思いながらヘロヘロの足をなんとか動かしながらビデオを撮っていた所に移動した。
「ほら、見て!」
ビデオが再生された。……本当に私? なんでこんなに動けているの? しかも…自分でもわからないぐらい楽しそうにやっている…。
「私、頑張らないとね。」
「もちろん私も!」
楓と恭花さんの動きもかなり良い。なのにもっと頑張らないと言う。
「…私も頑張る。」
「うん、体力つければすごいよ!!」
「頑張って!」
二人も応援してくれている。二人も私に負けないように…私も二人においてかれないように練習しないと!




