第三話 第十五部 ピュアと思い
「お母さん、初ライブが決まったよ!!」
「へえ、どこでやるの?」
「えっとね、秋葉原の歩行者天国の中だって!」
「あら、そんなすごい所でやるなんてね!! きっといろんな人たちが見るから今までに経験したことない緊張があると思うわよ。私も見に行くから応援するわよ。」
「ありがとう。」
私はちょっぴりテンションを上げながら飲み物を取り出した。
「珍しいね、最近の子は見に来ないでって言うのが普通かなって思ってたわよ。お母さんが見にきてもいいの?」
「うん、だって私のそういう所って無かったよね…いつも妹の所行ってたから…私の晴れ舞台だと思ってみて欲しいの!」
「大人になったわね。それならビデオとっておかなくちゃね。」
「えへへ、ありがとう。」
「他の子のお母さんたちもやってくるのかしらね。」
「それはわからないな。何しろ歩行者天国だから人多いだろうね。」
私は右手を力強く握った。
「私、体弱いと思ってたし、何もできないままかなって思ってたけど今なら自分が変われそうな気がする!! 頑張るからね!」
私はすぐに階段を駆け上がって今日のダンスの様子を見に行った。早くできるようにならなきゃ。
「デビューライブかぁ…。あのときもこんな緊張したかな…。もっと緊張している気がする。自分にやったことない経験だったからかな? でもいままで初の時もこんな緊張はなかった。だから…頑張る!」
「運動部の時とは違った緊張感ね…。私、可愛く見えてるかな…やだ、何考えてるの私は! でも可愛くみせなきゃいけないんだよね…よし、やってみよう!」