第三話 第十四部 ピュアとプラチナ
「うーん。」
一カ月でなんとかしなきゃいけない。そして一週間以内にアイドル名を考えておかなきゃいけない。これほど忙しくて充実した日々はいままで経験したことがない。なんて嬉しいことで恐ろしいことなんだろうか。とにかく今はアイドル名を考えないと。
ピロロロ
「メールだ。」
私のパソコンにメールがやってきた。相手は紅音さんだった。
『こんばんは。サンプルの音楽とダンス、見させていただきました。あの電話から4日間でここまでできるのは本当にすごいことですよ。楓の音楽センスは高いし、恭花のダンス指導、そして振り付けは光るものがあるように見えたわ。そして千代乃は衣装のセンス、そしてすべてにおいて呑み込みが早いわね。まるで皆光る原石のようね…。たとえるならダイヤモンド…いや、プラチナになりえる素質があるよ!』
私たちにそんな素質が…そんなに期待されているのかな。まって、私たちに向けてのアイドル名に対するアドバイスなんじゃないのかな…プラチナ…「ピュアプラチナ」純粋なプラチナ…これよ、これよ!
「す、すぐ電話しなきゃ。」
私はすぐにパソコンで電話機能を付けた。そして楓と恭花さんを呼んだ。急いで教えてあげないと!!
『もしもし、どうしたの楓。』
「聞いてよ! 私アイドル名決めた!」
『千代乃、何かあったの?』
「さっき紅音さんからメールが届いたの。ダンスと衣装、音楽について話してくれて…その中にこれよって思ったのがあったの。」
『それは! それは!?』
「私たちは光る原石、たとえでプラチナになりうるって言われたの。だから純粋なプラチナ、『ピュアプラチナ』なんてどうかな!」
私の声に二人から静けさが漂った。しかしすぐに答えが返ってきた。
「それだ! それしかないよ!!」
「うん、私もそれしかないと思ってる。」
二人は嬉しそうに納得してくれていた。私は嬉しくてたまらなかった。ピュアプラチナ、私たちのアイドルの出発点だ!